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プレゼンの文字おこしで削られる情報は意外に大きい-ぷち炎上と向き合って-


プレゼンの臨場感をそのままに文字起こししても、
多くの情報が失われて、クソリプが大量発生した話。


背景

先日、spoanaでした発表がログミーに掲載されました。
"ログ"を取るサイトだけあって、当日の臨場感がそのまま伝わってくるような、すごくよい原稿を書いていただいたと思っています。


とてもよい原稿だったからか、記事は拡散され、はてブで話題になりました。自分のアイデアが広まることはうれしい限りです。
掲載当日にはぶっちぎりのユーザー数で人気エントリーとして掲載され、8/1時点では500以上のブックマークと200以上のコメントをいただいています。

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↑はてブへのリンク


悩み

200以上のコメントすべてをありがたく拝見いたしましたが、本編をしっかり読まずにバントの是非について検討するコメントが多く驚きました。

私はこのプレゼンの中で送りバントの是非の話を一切していません。
「守備心理に効くからバントをやれ!」「バントは非効率だからやめろ!」どちらの主張もしていなくて、
「非効率と言われるバント作戦を実行してしまうヒトのバイアス」を提案しています。

私自身は「バントは有効な場面はある」と考えていて、野球というスポーツからバントという行為がなくなって欲しくなってないと思っています。

ですが…
はてブのコメントでは「この発表者はバント根絶派だから、バントの価値の重要性を教えて正しい方向に導こう」というベクトルのコメントが多くを占めています。
(リンクから人気コメントを見てもらえるとわかると思います)

誤解を恐れずに言えば、発表の趣旨を理解していないクソリプが大量発生したことになります。
・発表の趣旨と別のところが話題になったこと
・クソリプ作成にコメント執筆者の時間を奪ってしまったこと
・建設的なものを生み出せなかったこと
これは、発表を主戦場とする野良アナリストとしての力不足を痛感しました。

もちろん、インターネットが現場のイベントに比べてクソリプが生じやすい環境なのは間違いないでしょう。
それでも、多くのコメントがクソリプになってしまったのは、私にも落ち度があると考えるのが妥当だと言えます。

原因を考える

では、どうしてクソリプが大量発生したのでしょう。
それは「野球の戦術というセンシティブな話題を扱う際に、声色で聴衆の印象を調整しようと」心がけてプレゼンしていたからです。

野球と宗教の話を気軽にするな、と言われるように、野球の戦術に関しても多くの過激なファンがいます。
それに対して、私は発表者として、声色を調整することで、過激派を牽制するよう心がけていました。

例えば、次の文章があったとします。
「先行研究では送りバントは非効率な作戦と言われています」

私は、プレゼンにおいてこの文章をこう読みます。
「先行研究では送りバントは非効率な作戦と言 わ れ て い ま す
言われていますにアクセントを置くことで、あくまでアカデミックな話であって個人の主張ではないことを伝えたいからです。

一方、以下のように読むことで別の印象も与えられます。
「先行研究では送りバントは 非 効 率 な 作 戦 と言われています」
ここにアクセントをつけると、自分が送りバント根絶派であるように聞こえてしまいます。

このように声色で過激派に火をつけないようにしていたのですが、プレゼンを文字起こしした際に声色まで再現できなかったために、過激派の心に火がついてしまったのではないかと考えられます。

実際のログミーに掲載された文は以下の通りです。

この送りバントについてなんですけれども、さまざまなところで非効率的な作戦だという主張がされています。

「〜主張がされています」と牽制をしていますが、文章を流し読みする人には、下のように太字部分だけインプットされてしまったのだと思われます。

この送りバントについてなんですけれども、さまざまなところで非効率的な作戦だという主張がされています。


今後の方針

文字起こしをされる際に失われる声色の影響が想像以上に大きいこと。それは今回の学びでした。

自分のプレゼンが文字起こしする際、プレゼンには更なる工夫が必要そうですね。
幸いログミーさんは原稿化の時に色々と相談ができるので、次回以降は自分も文字起こし用の準備をもって臨めたらと考えています。


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