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開発ストーリー第1弾:どんな賃貸情報もまとめて見れる。ウィークリー・マンスリー、普通賃貸を一括表示する「在庫・物件連携」

ウィークリー•マンスリー、2年以上の家具家電付き賃貸を提供するNOW ROOM。お部屋探しから入居審査、契約、家賃の支払いまでオンラインで一気通貫することを特長とし、延べユーザー数は27万人にまで成長しました。現在は法人手に注力し、社宅や長期出張時の家具家電付き賃貸などのビジネス利用が拡大しています。

法人市場に特化

不動産業界の課題をテクノロジーと仕組み化で次々と解決するNOW ROOMですが、サービス開発の裏にはさまざまな困難がありました。

本コーナーでは、サービス実現のためにポイントとなったシステム開発を機能別に紹介し、その開発に至るまでの物語やNOW ROOMに掛ける熱い想いをCOOや開発メンバーが語ります。

第1弾となる今回は、物件の空室状況とデータを一覧で表示することを可能にする「在庫・物件連携」の開発秘話、そしてNOW ROOMのさらなる発展に向けた事業運営を紹介します。

- まず、「在庫・物件連携」とはどのような機能ですか?

取締役COO 柏木:

他業種にわたる賃貸の空室状況や物件データを一覧で表示できるようにする機能です。

法人利用の賃貸の場合、個人利用のような大手賃貸ポータルサイトがなく、物件情報が複数のサイトや企業に分散していました。そのため、賃貸を手配したい企業はさまざまなルートで物件を探さなければならず、また仲介会社に依頼したとしても、短期賃貸から普通賃貸まですべての物件を網羅できていないため、良い物件の手配が難しいという課題がありました。

そこでNOW ROOMでは、ウィークリー・マンスリー賃貸・普通賃貸の情報をひとつのWebサイトでまとめて表示し、そこで予約から決済までを完結できるようにしました。

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これを実現するために必要だったのが、「在庫・物件連携」です。

賃貸を提供するホストは、マンスリー賃貸、普通賃貸、ホテル、民泊、シェアハウスなど様々です。これらの物件の空室状況をシステム連携を通じて取得できるようにする機能が「在庫連携」、物件データを取得できるようにする機能が「物件連携」です。

- すべてのシステムをNOW ROOMで開発しているのですか?

柏木:
「在庫連携」を実現するための空室状況を一元管理するシステムは、業種によっては存在しており、それらのシステムにNOW ROOMを連携することでデータを取得できるようにします。

そのようなシステムが存在しない業種については、NOW ROOMで独自に開発して空室データを取得していきます。

- 「物件連携」はどのように進めたのですか?

柏木:
物件情報の連携には、非常に苦労しました。大きな問題となっていたのは、異なる業種の物件情報をどのように魅力的に表示させるかという部分でした。

牧田:
どんな情報をサイト上に表示させるべきか。どうすればゲストから見て使いやすく、各業種のホストからも納得いただけるのか。ここについてはかなり慎重に検討を重ねながら進めました。

柏木:
なかでも苦労したのが、価格表示です。普通賃貸やシェアハウスは月当たり、ホテル・マンスリーマンション・民泊は日当たりの単価で表示するのが一般的。しかし、あらゆる物件を提供するNOW ROOMでは、条件を統一して掲載する必要がありました。NOW ROOMがターゲットとするゲストにとってより馴染みのある表示はどちらなのか。そう考えた時に、普通賃貸に合わせるべきだと判断し、すべて月当たりの価格表示に統一しました。

敷金・礼金や仲介手数料の表示についても、マンスリー賃貸ではこれらの料金は発生しないのが通例なので、一般的にはあえて表示されていません。しかし、マンスリー賃貸の利用が初めての方はそのことを知らないケースも多いと考え、NOW ROOMでは表示するようにしました。

また、掲載する設備情報も、ホテルの宿泊予約サイトやマンスリーマンションのWebサイトなどを比較しながら丁寧に検討しました。たとえば、ホテルを宿泊利用する際には築年数や建物構造はあまり気になりませんが、住まいとして利用するとなれば知っておきたい情報です。このように、1つ1つの項目を精査し、掲載するか否かを決定していきました。

さらに、ゲストだけでなくホストが利用する管理画面のUIにもこだわりました。とくに料金の入力欄は、間違いや誤解がないように分かりやすく表示するよう工夫しました。

ゲスト、ホスト双方の目線に立ち、細かい部分まで徹底的に考え抜いて設計しました。

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牧田:
前例の無いサービスなので、ベンチマークにするサービスもなく、やるしかないという気概でしたね。NOW ROOMが世に出る前ですので、予約やキャンセルのフローなどあらゆるものを一気に構築していた時期で、毎日緊張感を持ってやっていました。

開発ストーリー_柏木さん牧田さん

左:取締役COO柏木 右:CTO牧田

- 世の中に無い新しいサービスを生み出す上で、気をつけていたことは何ですか?

柏木:
開発チームに依頼する前に、詳細な開発要件にまで落とし込むことです。まずは事業側の私たちで業種ごとの項目を洗い出し、それを定義し、しっかりとたたき台をつくることで、お互いスムーズに連携が取れるようにしました。

牧田:
「このサービスを市場に出して、本当に人々の心をつかめるのか」を確かめる意味もこめて早いリリースを目指しました。1日ごとに進捗を管理し、少しもズレることがないようにスケジュール管理していました。

- リリース後の反応はどうでしたか?

柏木:
コロナウイルスが発生したことは予想外の出来事でしたが、いざ2020年5月にリリースしてみると多数の問い合わせをいただくことができ、スピーディに物件予約ができるNOW ROOMへのニーズを確信しました。
他にも、想定していなかった価格帯の利用者が多かったりと、ユーザー特性についても発見することがありました。とにかく、多くの方々に使ってもらえたことに安堵しましたね。幅広いユーザーに使っていただいたことで、NOW ROOMのサービスがフィットするマーケットも見えてきました。

- NOW ROOMを発展させていく上で、心掛けていることを教えてください。

柏木:
社内コミュニケーションで意識していることは、「何のためにやるか」をしっかり伝えることです。タスクだけを提示するマネジメントだと、おもしろみが波及せずつまらなくなってしまうと思います。ゴールからの逆算でひとつのタスクが生まれるので、目指している世界観をきちんと伝えることが重要だと考えています。

板垣:
「あるべき論」で語るスタンスというのは、NOW ROOMのメンバー全員が持っていると思います。できる・できないで議論してしまうと、結局のところサービスとしての軸がぶれてしまう。どうあるべきかを議論したり、共通の認識を持つことは、機能の設計、コーディングなどすべての工程において大事にしています。

「あるべき姿」が誰のためなのかという点で、偏りはありません。ゲスト目線、ホスト目線、あらゆる視点から考えています。プラットフォームに然るべきフェアネスを大事にしています。

柏木:
あとは、「登り方」です。「オンラインで完結」という理想はひょっとすると誰しもが思いつくことかもしれませんし、合理的に考えるとその方が便利だというのは想像できると思います。
しかし、不動産業界は環境的要因・心理的要因などさまざまな背景があり今のスタイルが継続しているので、それらを加味しながら業界の歴史に寄り添った「登り方」をすることが大切だと考えています。

そこで忘れてはならないのが、僕たちNOW ROOMはこれまでの不動産業界が積み上げてきた実績の上で活動させていただいているということです。

NOW ROOMのバリューにも「全てに誠実」とありますが、それは不動産業界に対しても大切にしたい価値観です。今課題とされていることも、これまでの歴史の中で最善を積み上げてきたものです。社会が変化し、環境変化があったから課題が生まれただけであって、これまで先人たちが最善を積み上げてきた過程は大きなイノベーションだったと思うんです。

ですから、「僕たちが不動産業界を変える」ということではなく、その積み上げの上でやらせていただいているという前提は大切にしたいと思っています。その上で、今ある課題を家主やユーザーの方々と一緒に解決していけたらいいなと考えています。

牧田:
こうしてリリースした今だからこそ、真の意味でインフラになるための条件や差分の解像度が上がってきました。「作りたい」と言っているだけでなく、こうして浅瀬に出ることで道筋が見えてきました。

やればやるほど目指す方向が見えてきていて、今は当初僕たちが想定していたよりも大きな夢を描けています。これを実現していくには「こうした方がプロダクトが良くなる」というプロダクト主語で話していく必要がありますから、これからもNOW ROOMのビジョンに共感いただける方に加わってもらい、議論を重ねることでサービスをより大きくしていきたいと思っています

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穏やかながらも活発な意見交換を行うプロダクトチームのメンバー(左端:CTO牧田)



【株式会社NOW ROOMの事業紹介】
株式会社NOW ROOMは、「暮らすを自由に」の企業理念のもと、不動産テック・スタートアップとして2019年7月1日にCEOの千葉史生が創業し、2020年5月18日に、ウィークリーマンション・マンスリーマンション・2年以上の家具家電付き賃貸「NOW ROOM」のサービスを開始しました。「NOW ROOM」のサービスは、Webまたはアプリ上でお部屋探しから入居審査、契約手続き、家賃の支払いまで一気通貫で完了します。2021年10月現在、ウィークリー・マンスリーから2年まで、期間を選べる家具家電付き賃貸やホテル、シェアハウスなど全国37万室を超える多種多様なお部屋から、出張・単身赴任などのビジネス需要をはじめ、引っ越しやリフォームの際の仮住まい、さらには長期観光やワーケーションまで幅広いニーズに対応しており、延べユーザー数は27万人に達しています。

【NOW ROOMの特徴は以下の3つ】

NR3つの特長バナー

【会社概要】
会社名: 株式会社NOW ROOM
設 立: 2019年7月1日
所在地: 東京都新宿区西新宿七丁目1番12号 クロスオフィス新宿 506号室
代表者: 千葉 史生
理 念: 暮らすを自由に
URL: https://corporate.nowroom.jp/
事業内容: NOW ROOMの開発・運営
公式note: https://note.com/now_official
NOW ROOMサービスサイト:https://nowroom.jp/


この記事に記載されている事業やサービスの内容については、2021年11月現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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