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書評ブログ。エンターテイナー、アガサクリスティ〜そして誰もいなくなった〜

こんにちは!

最近、母が読書に目覚めまして、家でずっと読んでいるんですよね。家の中に本読んでいる人がいると、こっち読みたくなってきて、最近読書する時間が増えてきています。いいことですね。

ただ、読書にのめりこんでいる時期って、いろんな本が欲しくなって、結果、読んだ冊数分、本を買って、積んでいる本がいつまでも消化できないという現状が続いています。皆さんはこんなことないですか?

あれば、コメントなどください。

さて、本題に入りましょう。

今日も読んだ本のご紹介と感想を書きたいと思います

今回、読んだのは

「そして誰もいなくなった」 アガサクリスティー

https://www.amazon.co.jp/%E3%81%9D%E3%81%97%E3%81%A6%E8%AA%B0%E3%82%82%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AF%E6%96%87%E5%BA%AB%E2%80%95%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%A2%E3%82%AC%E3%82%B5%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC/dp/4151310800

一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

アガサクリスティーといえば、ミステリーの女王と言われたほどの世界的な有名な作家ですが、数多くあるミステリー作品の中で最高傑作と呼び声が高いのが本書です。

実は自分もアガサクリスティーの作品を読むのは初めてで、1番有名な作品にとりあえず手を出したというのが本音です。

読んだ結果、読み継がれてきているだけあるな、と感じました。

そのあたりについて、自分なりにどこがおもしろかったか、どこがすごかったか、を書いていきたいと思います。


主人公のいないミステリー


この小説には主人公がいません。

登場人物は男女10人。この10人がある人物に呼び出され、兵隊島という島に呼び出され、物語が展開されていきます。

視点が章ごとに変わるという小説は多くありますが、そういうことではありません。

この十人以外の第三者が登場人物の心理描写も踏まえ、俯瞰的に書いているのです。

死んでいく人間に死ぬ直前に焦点をあてて、心理描写を俯瞰的に描いてあるのですが、読み終わってみて、気づきましたが、犯人の心理描写は物語ではないのです。

なぜなら、犯人の心理描写はラストの手紙で明らかになるからです。読者に構成面でもヒントを与え続けていたと思うと、すごすぎますね。考えすぎかもしれませんが。

主人公がいないということは俯瞰的に見れることで全体像をつかみやすいという長所がある一方、共感しづらいという短所もあります。

しかし、この短所は、ミステリーに関しては当てはまらないのです。

なぜなら、ミステリーの最大の魅力は犯人やトリックを一緒に考えるという読者が参加できる点にあるからです。

共感すれば、登場人物に感情移入し、臨場感は増しますが、犯人やトリックを考えるという心の余裕が狭まっているような気がします。実際、私はミステリーは犯人やトリックについてほとんど考えず、物語のストーリ性や構成を楽しむタイプでした。

しかし、この本は自分でさえ、犯人は誰だろうと考えさせられました。初めて、ミステリーの本当の魅力に触れた気がしました。

これは主人公がいないということで心に余白ができ、考える余裕ができたからではないかと考えています。

自分は今までのミステリーで1番楽しめたのかもしれません。

そういう意味で言うと、アガサクリスティーは読者を本当に楽しませるエンターテイナーである側面があると感じられます。


クローズドサークルの魅力

クローズドサークルとはミステリー用語で、閉ざされた状況のことを指します。例えば、島に閉じ込められ、連絡の手段が閉ざされた時のような状況を指します。

この本には常に不気味な雰囲気をまとっています。もちろん、殺人をテーマにした作品なので、明るい雰囲気があるわけはありませんが、ひときわ不気味なのは、クローズドサークルという環境が大きな要因です。

誰も助けがいない、来ない状況下で人が殺されていく。次は自分かもしれない。そういう恐怖が登場人物から感じられ、このような雰囲気を醸し出しています。

上の説明で感情移入することで臨場感が増すと書いていますが、ミステリーは感情移入でなく、こういった登場人物が置かれている状況、雰囲気で臨場感を作り出せます。

読者がのめりこむほど、少しホラーっぽい怖さを感じながら、ページをめくっていく。

特にこの本は最後までこの不気味な雰囲気は抜けません。

最大のネタバレですが、

タイトル通り、最後は誰もいなくなるからです。

つまり、犯人は捕まらない。スッキリするような爽快な気持ちになることはないのです。

それに加え、犯人の最後の手紙での衝撃の独白。

これがさらに不気味さを増させている。

不気味だが、続きが気になる。とんどんページをめくっていく。そんあクローズドサークルの魅力が満載の作品だったと思います。


まとめ

ここまでお付き合いありがとうございました。

ミステリー初心者にこそ読んでほしいのが、この「そして誰もいなくなった」です。

この本を読んでミステリーの魅力がたくさん詰まった要素を肌で感じて、他のミステリーに行ってほしいですね。

自分もこれから新しいミステリーの扉が開けそうでとても楽しみです。他のアガサクリスティーの近いうちに読みたいと思います。

では、最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。

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