小説という嘘のない世界に逃げる
今回、テーマとして扱うのは小説の魅力について。
私は小説が大好きです。映画やドラマ、アニメのような映像作品には出せない世界があると思っています。自分が思う小説の魅力を知ってもらいたいと思って、今回書くことを決めました。
実際は、コロナの影響で就活も選考が止まっていて、エネルギーはあるけど、それのぶつけどころがないというのが大きな理由です(笑)
では入っていきましょう。
私が感じる小説の魅力は大きく分けて、2つあります。
想像性と共感性です。
この2つの観点に分けて話していきたいと思います。
1.想像性
これは言葉の通り、想像するということです。私は人間の想像力はものすごいものだと考えている。
言われたこともない嬉しい言葉を想像し、高揚感を得たり、言われたこともないひどい言葉を想像し、落ち込んだりすることができる。自分の実際の人生とは関係ない世界線で実際の世界の自分が感情を動かすことができるのである。
この人間のいわば特殊能力ともいえる想像力に焦点を当てているのが小説だ。。小説は1部のライトノベルのような挿絵があるもの以外は文字だけで構成されている。このただの文字の羅列に対し、読者が想像力を膨らませ、その読者だけの世界を創造できる。自分だけの世界。たとえ、同じ作品を読んでいたとしても、映像作品のように同じものを見ているわけではない。思い浮かべる主人公の顔立ち、表情、動きすべてが同じ人はおらず、その読者だけのものだ。
いわば、
小説は台本、読者は演出家、監督
なのだ。
自分の頭の中で思いっきり自己表現をすることができる。
私が小説を読んでいるとき、落ち着くことが多いのは誰の目も気にせず、本来の自分を出させてくれているからかもしれない。
2.共感性
そもそも共感とは何なのか。
相手の感情を自分のことのように感じてしまうことだと思う。共感しているときは感情が動いている。人間は喜怒哀楽の感情を感じることで生きているという実感を持てる。
つまり、共感するということは自分が生きているという実感をできる尊いものだと思う。その共感を意図的に引き出すのがエンターテインメントだ。色んなエンターテインメントがある中でも共感性という観点で言えば、小説に勝るものはないと感じている。これには2つ理由がある。
1つ目は
集中しやすいコンテンツであるということ。
小説は集中しなければ、何も入ってこないコンテンツである。なぜなら、小説は文字だけのコンテンツであるため、他のコンテンツに比べて、情報量が少ないからだ。しかし、情報量が少ない分、集中を邪魔するものがない。例えば、映画なら演じている役者の前回作がちらついたり、どうでもいいところに目を奪われたりと意識がそがれる。
コンテンツで深い共感、つまり、感情が大きく揺さぶられるときの共通点として、そのコンテンツに対して意識が向いている、集中しているときだと考えている。
だから、情報量が多い映像作品より情報量が少なく、集中しなければ成立しない小説の方が共感性があるコンテンツであると思っている。
2つ目は
登場人物と自分を重ね合わせることができること。
これが個人的に小説最大の魅力だと思っている。小説では実際に登場人物が話していない、心で思っていることを書いている描写がある。いわゆる、心理描写である。これは他のコンテンツにはない魅力である。
マンガにも心理描写はあるが、薄く広い心理描写に対して、小説は一人の人間に焦点をあてて、深い心理描写を書いている。一人の人間の心の内を深く知ることができる。この効果によって、自分と主人公を重ね合わせやすくなっている。
読者は演出家、監督と上で記述したが、演出家、監督であるとともにその世界の主人公にもなることができるのだ。
生きていく中で自分以外の人の本当の心の内をすべて把握することができない。それは家族だろうが、親友だろうが、今日知り合ったばかりの人であろうが、変わらない。しかし、小説の主人公を通して、自分以外の人の心の内を知ることができる。
小説を読むことは他人の人生を生きること、人生経験なのだ。
3.おわりに
小説はうそをつかない
小説の世界は自分だけの世界。発する言葉、表情すべてを自分で想像(創造)できる。
そこで生きる一人の人間の心の内を知れる。自分以外の人の感情を知れる。その世界に嘘はありえない。
嘘にまみれたこの現実社会の逃避の場所として小説という嘘のない世界が私の助けになっている。
最後まで読んでくれた方ありがとうございました。コロナで自分の身を守りつつ、小説で自分の人生を色鮮やかなものにしましょう。このnoteが誰かの1人の小説好きを作るきっかけを、久々に小説を読もうと思ってくれる人がいることを願って。
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