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カブ限界旅第三弾①

2年ぶりの限界旅。
この旅、本当は昨年やる予定だったけれど、天候が悪く断念したので今回になった。カブとの旅に数か月前からワクワクして、2週間前から毎日 天気予報とにらめっこしていたはずなのに。出発の数日前からPMSが酷くて何のやる気も起きず、行かなくてもいいかあとぼんやりしていた。なんとか当日の朝に準備をして出発。多少の無理矢理感はありつつ、行ってよかったと心底思う。

予定より1時間遅れての出発。朝の通勤時間に国道走るのは嫌だったけれど仕方ないね。まず目指すは石狩の道の駅。海沿いを北に走れば、そのうち着くでしょう。というのも、なるべくカブの形を変えたくなくて車体にナビがついていない。走り出す前にiPhoneで道を確認して、青看板と記憶(道の駅は3週目なので通ったことのある道は多い)と勘を頼りに走る。あまりないけど、間違った?と思ったら停まる。まあ、間違っても大丈夫。道は繋がっているので。時計もないから、走っている間は太陽の位置で時間を感じる。快適に整えられた車の運転じゃ味わえないこの感覚が、カブと旅する醍醐味だと思う。

大きな国道を抜けて、石狩川を超えたらいよいよオロロンライン。何度 来ても、この道が美しいなと思う。国道231号を道沿いに行くのもいいけど、途中 少し逸れて海岸線に出るほうがおすすめ。橋を渡ってセコマが見えたら信号を左折。秋の夕方が1番いいかな。揺れるすすきと海が、柔らかい夕陽に照らされてキラキラ光るのを見てほしい。

𓆈道の駅 石狩「あいろーど厚田」
道の駅スタンプを押す。おいしそうな野菜がいろいろあったけど持ち歩くのが難しいのでながめるだけにする。駐車場で隣になった和歌山ナンバーおじが「降ってきましたねえ。」と言う。え、まじか。

出発してすぐにパラパラと雨が。雨の匂いは弱いし少し先に雲の切れ間が見えるので、惨事にならないことを祈って。暑い日にはトンネル内の冷たさがボーナスタイムになるのだけど、今日はただの試練。震えながら前に進む。

𓆈barba taberna(増毛)
平日は店舗、土日祝はキッチンカーやってることが多いのかな?ここの甘酒ラテがめちゃんこ美味しいので、全人類飲んでほしい。コーヒーが苦手でも、甘酒が苦手でも飲めると思う。クセはないけど、クセになる。甘さに丸みがあってとても飲みやすい。

ラテを飲み干したら出発。道内最古の木造校舎・旧増毛小学校を眺めてテンションをブチあげ増毛をあとにする。走るほど雲が減っていって、とても機嫌がいい。オロロンラインはぴかぴかのおひさまが似合うので。

𓆈道の駅 るもい
ここでのおすすめはヤマニ野口水産の数の子燻製。酒飲みへのお土産には、これを買えば間違いない。1袋でビール5L飲めるよ。

北海道の郊外は一般道が実質 高速道路になっていることが多い。今日のオロロンラインも例外ではなくて、旭川ナンバーがそれはもうガンガンに飛ばす。明日からの3連休はここにレンタカーも加わってカオスになるんだろうなあと考えながら、路側帯ぎりぎりを時速30kmで走る。非常に邪魔である。自覚はある。みんな、ためらわずに追い抜いて行ってくれよな。

𓆈道の駅 おびら鰊番屋
国指定重要文化財に指定されている鰊番屋が道の駅に併設されている。鰊漁は北海道の歴史を語る上で避けては通れないので、展示物とかいろいろみてほしいな。鰊漁関係の建築物は道内に他にもあるけど、一番すきなのは泊村のものなので興味があったら行ってみてね。

𓆈道の駅 風Wとままえ
来るたびにふざけた名前だなと思う。地方空港の絶妙なダサネームと親和性を感じる。
駐車場にカブを停めていると、お風呂セットを持ったじいじが「遠くから来たな!ゆるくないだろ!」とナンバーの地名をみて話しかけてくる。「道の駅に寄りながらゆっくり来たので、そうでもないですよ。」と返すと、非常に興味のなさそうな顔をして無言で行ってしまった。いるよね、とりあえず思ったことを口に出すので満足して会話をしたいわけではない年寄り。

𓆈道の駅 ほっと♡はぼろ
毎度来るたびにふざけた名前だなと思う、そのに。
駐車場にピザーラのキッチンカーが来ていてそこそこ人が集まっていた。最近の流行りに乗っているのかと思って調べたら、10年位前からあって全国あちこち回っているみたい。

焼尻・天売島にいってみたいなあ(計画はしたものの、時間がうまくはまらずやめたんだけど行ってもよかったなあ。)と海の向こうを眺めたり、オロロン鳥モニュメントに挨拶しながら今日の最終目的地まで。久しぶりのカブでの長距離に不安を抱えつつここまで問題なし。よかったよかった。

𓆈道の駅 ロマン街道しょさんべつ
さくっとスタンプを押して、売店をぐるっと見て回る。閉店時間が遅いのが意外だったけれど、ホテルとキャンプ場2つに囲まれていることを考えると妥当なのかな。お風呂あがりのビールはここで買おうと心に決めて。

𓆈みさき台公園 オートキャンプ場
海側にテントを張る予定が、眺めのよい一帯はカーサイトで料金も高かったので大人しくフリーサイトに。乗り入れはできないけれど駐車場の目の前がサイトなので、設営は楽ちん。

セコマへ行って塩サバときんぴらのお惣菜を買い、お米を研いで浸水させたら晩御飯の準備はばっちり。いざ、本日の疲れを癒すべく温泉へ。海に沈んでいく夕日が見えるから、露天風呂は人が多くてぎちぎちだった。広い内湯で身体を伸ばして、ちょこっと日の入りを眺めて出る。予定通り売店に寄ってビールを買って即開栓。だいすきな黄昏時ににこにこしながらテントに戻ってお米を炊く。やっと本日初めての食事である。運転するとアドレナリン大放出で空腹を感じなくなるうえに、とにかく走り続けたいバカなのでこういうことになる。よくないね。

お米が上手に炊けて、ビールが美味しくて、気温もちょうど良くて、とてもよく今日を〆られた。あまり疲れを感じておらず、眠気もないけれど、明日以降のために早く寝ましょうね。おやすみ。


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