ヘバーデン結節の治療

ヘバーデン結節の症状はリウマチに似てるけど
違いを簡単に言うとリウマチは骨が破壊されるけれど
ヘバーデン結節は余分な骨が生成されてしまう
あと、特徴は指の第一関節
どちらも難治性で痛いんです💦

以前、生徒さんから相談を受けた時のやり取り
(写真は本人のものではありません)

「生徒さんから」
お客様でヘパーデン結節にお悩みの方がいらっしゃいます
なにか良い対処法があればご教授ください

50歳代 女性
手指の第一関節が徐々に変形
一部はこぶのように腫れている
(指によって状態にばらつきがある)
現在、痛みはなし
ゆっくり進行してきて、見た目が目立つようになり気になる
その他・・・
慢性的な胃炎
(ピロリ菌保持者)
たまに腰痛
体はがっちりで丈夫
カファ体質

「私からの回答」
ヘバーデン結節など変形性の関節炎を
チャラカはSandhiVataと名づけています
インドでも患者が多い疾患です。
この方の関節の痛みは移動せず、発症部位に定着していますでしょうか?

病理はヴァータの異常
アグニの低下によるダートゥの変換異常
そしてアーマの存在です。

まず、やるべき事はアーマパーチャナです
白湯の飲用も、、、
続いてアグニを高める食事
生姜やスパイスを使った野菜スープなんかが摂りやすいと思います
避けるべき食事は冷性、乾性、重性のもので
生もの、牛肉、豚肉、豆腐は避けるようにしてください
ムング豆などの豆類、牛乳、ギーは薦められます
魚はOKですが、刺し身は駄目です
肉類は鶏肉、マトンであれば大丈夫です

トリートメントは
全身へのアヴィヤンガ
患部へは温めたオイルで湿布
適したオイルはMahanarayana Tailam, KottamchukkadhiTailam
Mahamasha Tailamです
Dhanwantaramでも良いですが、最適とは言えません

本格的なトリートメントであれば
しっかりとAmaPacanaとSnehaPanaをして
ElakizhiやPizhichilのSnehana+Swedana Karmaと
Dhanyamla Dhara(薬用酢)を全身に施し、アーマを溶解させ
アーマの排泄の為にVirecana(下剤法)をしVasti(浣腸法)で締めくくります

飲み薬はYogaraja Guggluが一般的に処方されています

トリートメントを始めると痛みが強くなる事がありますが
それは一般的な事です

あと、アーマはメンタルアーマとの関係性が強いので
精神をクリアにする事を心掛ける事が必須です
一日に何度か瞑想や祈りをする時間を設けたり
ストレスから可能な限り回避する、生理的欲求を抑圧しない
自己否定をしないなどですが、悩み事がある場合
それを頭の中に置かずに、書き出す
これだけでもメンタルアーマの蓄積を軽減させる事が出来ます
そして、既存の生活パターンをこなすのでは無く
新しいライフスタイルや良い人間関係だけを求め
歓びが多い生活を心掛けると良いです。

こんな感じですが大丈夫でしょうか?

「生徒さんから」
アーマパーチャナについては、普段からお客様にお薦めしてるのは
以下のようなことですが他に何かありますか?
・白湯
・食前しょうが
・消化に重いものをさける(生もの・油もの・肉類・乳製品など)
・消化に軽い食事、食品の紹介(スープやお粥・固形よりも液体を多く)
・食事の量を減らす
・絹ガルシャナ

アグニの強化については
トリカトゥやヒングーアシュタカチュルナを作ってあげて
1日1グラム程度飲むように進めたりしますが、いかがでしょう?

「私から回答」
アーマパーチャナは以下をお薦めすると良いです。
アーマがある場合、メンタルアーマとの関連性もありますので
精神的なこともアドバイスすると良いです。
例えば解消されていない生活上の課題などは
頭の中に貯めず、書き出すなど、、

ガルシャナは乾燥を促しヴァータを増加させますので必要ないと思います
アグニを高めるのは、現在の消化力を聞いて
もし弱いようでしたら、トリカトゥが良いかと思います。
以下、アーマパーチャナです。

・消化力の状態を考慮して食事を選ぶ 
・冷たいものを避けて、温かい食事、温かい飲みものを心がける
・食後2時間は寝ないようにする
・肉体・精神的疲労を避けた生活をする
・塩分を控える(調理は薄味を心がける。市販の弁当、惣菜は食べない)
・渋味の食品を避ける
・固形の食品(パンなど)を避け流動性の食品(お粥やスープ)を主食にする
・夕食は抜いてもかまわない
・消化力を上げるためにショウガやスパイスの入った野菜スープを摂る
・白湯またはショウガ湯を頻繁に飲む
・甘いものを欲したら蜂蜜・ショウガ湯を飲む
・毎晩の入浴(汗をかくまで、シャワーのみは不可)
・排泄の欲求を抑制しない(尿・便など)
・精神を乱す行動を避ける
・気の合う人とだけ会うようにする
・優れた文学や芸術に触れる

「生徒さんから」
ヘパーデン結節の方の処置に、以前お薦めしていただいた
オイルについて連絡させていただきました。

オイルは、5月に受けたセミナーでドクターにも薦められた
Kottamchukkadhi Tailamを使用しようと思います。

あと、お客様がスネハパーナもやってみる気になってくれたのですが
日数はどのように決めるのが適切でしょうか?
目安となる症状や、消化力の見極めをアドバイスいただけたらと思います。
ギーは、私が作ってお渡しするつもりですが、
朝の空腹時にぬるま湯と飲む、と言う理解であってますか?
また、スネハパーナ期間の食事は、具体的には
お粥やスープのみで他の食事はなしで過ごしてもらうことになりますか?

なお、スケジュールとしては
お客様も「1か月ぐらいなら集中して頑張れる」
とのことでしたので、以下のように考えています。

1.スネハパーナ期間(3か5か7日間)
2.施術1週目(3~4日連続、サロンで施術/残りはセルフでオイル塗布&湿布)
3.施術2週目(1週目と同様)
4.施術3~4週目(サロンは週に1回程度/残りはセルフケア)

そのあとは、様子を見ながら月2~1に減らしていければと
思っていますがいかがでしょうか?
アドバイス、よろしくお願いいたします。

「私からの回答」
こんにちは
素晴らしい先生ですね。
どちらの州の出身でしょうね。
今回のケアで結果を出せばアーユルヴェーダに対して確信と自信が付きますね。
すると
アーユルヴェーダの世界が今までと違うように感じるようになると思います

完治までは行かないかもしれませんが
症状の7割は軽減させる事が出来ると思います。
あと3割は神のみぞ知るとケララの医師達は良く言っています。

先生の見解の通りGugguluが良いです。
以前、YogarajaGugguluについてお知らせしたと思いますが
リウマチなどの関節の疾患にも非常に効果的です。
インド滞在中にGugguluを含有させた薬を幾つか作りましたが
Gugguluには毒性もありアレルギーが出やすいので、
精製したものを使った方が良いです。
精製は材料さえあれば出来ますがアマゾンにサプリメントがあります
トリファラーと合わせて飲むと毒性が中和されます。
あとは、ミルクで煮るのも毒性軽減には良いです。

スネハパーナについて
日数は最初に決めないで、資料に書いてある反応に照らし合わせ
様子を見ながら薦めるのが無難かと思います。
25mlは結構な量なので、耐えられるかな?と気になるところです。
センナが嫌との事ですので、
通常の味以外のものを受け入れられるか、どうか気になります。
もちろん、飲んで頂くのが良いですが、、
ギーに慣れて頂くために、早い時期から大スプーン1杯くらいずつ
朝食後に飲んで頂いたり(理想は空腹時ですが、、)
そして調理の際にもギーを使う
例えば炒め物の際やスープに浮かべるなど、、
そんな感じでギーに慣させてトリートメント前に25mlを
飲むようにしてみてはいかがでしょうか?

ヴィレーチャナ、
センナが駄目となると漢方薬ですと大黄が入ったものか、
杏仁が入った下剤になると思います。
性質を考えると杏仁(温性)が良いかもしれません。

「生徒さんから」
ご返信ありがとうございます!
ヘパーデン結節の治療法についてお聞きしたのは、
ヨーガニケタン主体・アーユルヴェーダ学会公認の講座のために
年に一度来日しておられるドクターなのですが、
古典に即して指導してくれる尊敬しているドクターです。

ヘパーデン結節のオイルについてお聞きした際は、
Kottamchukkadhi が一番いいが手に入らなければ
マハーナラーヤナにしょうが粉を入れて代用しなさいとおっしゃってました。
あと、グッグルとスパイスをあわせた飲み薬の処方も教えてもらいました。
ただ先生に質問した時は、工藤さんに教えていただいた資料を持っておらず
あとから照らし合わせて、カタカナで書きとめたコッタンチカーディの文字から

あ!これだ!あってよかったー!と。(笑)

バット先生はデリーの病院の方ですが
4月のアーユルヴェーダ学会では
リウマチ性疾患について研究発表もされていたので
骨関節系の治療には詳しいのかも知れませんね。

スネハパーナについて、資料ありがとうございます。
これは最初に日程を決めるのではなく、消化されているかとか
皮膚に油分が感じられるかどうかを見ながら
日数を加減するのが良いという感じですか?
あと、薬用ギーでなくても、25mlからの量で大丈夫ですか?

ヴィレーチャナについて。
生薬系というと、どんなものですか?
前回、スリミングを3日連続でお試しいただいた際
湿疹が出たので、センナ茶を試していただいたようなのですが
気持ち悪くなって合わなかったとおしゃっていたため
他の方法もお伝えできたらと思いまして。

アーマパーチャナについては、
最初に工藤さんからアドバイスいただいた時点でお伝えしたものの
そのころは全然、出来てなかったのですが、
2度目の話し合いで、その重要性をお伝えしたところ
だいぶ出来ることはやってくれてるようです。
なので、状態によってスネハパーナも短くできるかなと考えています
だいたい6月最終週ぐらいから始めるように考えていますので
それまでに、いろいろとお手数をおかけしますが、
よろしくお願いいたします。

「生徒さんから」
ヘパーデン結節の方のトリートメントは順調です。
ただ、セルフケア日ではアビヤンガを忘れたり、
湿布ができなかったりと、ちょこちょこ抜けてますが、
2週目(10日)までは、週4で来ていただいてけるので
なんとか続いています。

左の親指にだけあった痛みは、なくなったそうですが、
便秘気味なのと、食後に前からある胃痛が発生するとのこと。
ただし、胃痛は前は1日中痛かったので、少しはいいかなと
本人談です。

「生徒さんから」
経過報告ですが、ヘパーデン結節の方は、
1か月の集中期間を終えました。

感想としては、指先のもわっとした感じがなくなってきたとのこと。
画像で比べると、指によって反りが少なくなったり、
指先が前よりもまっすぐに伸びているような感じに見え、
ご本人も思ったよりも変化があったことに喜んでいました。

その結果、セルフケアをがんばるようになり、
オイルがなくなったので追加してほしいということで、

今後は毎日のセルフケアに加えて
2週~3週に一度ぐらいサロンで施術していく予定です。

Kerala Traditional Ayurveda Research Institute
(旧アーユルヴェーダ研究所GOLA)
アーユルヴェーダスクール Tantra(日暮里)
http://www.kerala-ayurveda.jp

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