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田舎の一匹狼セラピストが考える「地域連携について」

本日も臨床BATONにお越し頂きありがとうございます。
52日目を担当させて頂くのは、「田舎の一匹狼セラピスト」とうたいつつも、狼って基本群れるよなと思って、正直、狼仲間を探しまくって群れを作りたいPT貴田農士です。

そんな私が地元、那須塩原の狼かもしれないセラピスト仲間達と最近ともに考えてきた「地域連携」について今回は書かせて頂きたいと思います。(←本当に田舎の一匹狼セラピストだったら扱う議題ではない・・・)
私が現在立ち上げている研究会でのひとつの活動内容についての投稿になっていますので、地域連携や地域活動などにもご興味がある方は読み進めて頂けるとうれしく思います。

・はじめに

早速ですが、皆さんは自分が所属している施設以外の近隣の施設のリハビリの現状、例えば、リソース(リハビリ物品、物療やリハビリ時間、特徴、セラピストの質など)について、どのくらい知っていますか?
また、自分が関わっている病期以外のリハビリの現状をどのくらい知っていますか?(例えばあなたが回復期に従事しているのであれば、その回復期以外の急性期、生活期などのリハビリや施設環境の現状についてです)

恥ずかしながら自分は13年も回復期で理学療法士をしてきていましたが、胸を張って近隣の急性期病院の特徴や老健の特徴、役割、地域の訪問リハやデイケア、デイサービスの特徴、特養のリソースなどを知っているとは言いがたかったです。
そして、その大切さの理解も甘かったと感じています。

その甘さを強く実感させられた理由は、私は今年度から転職をして前職場と同じ地域にある老健に勤務したのですが、そこには前職場で代診で見させて頂いていた対象者が入所しており、その生活や状態をみて愕然としたからです。

日常生活での麻痺側の自己管理能力の未学習や車椅子上での姿勢、ポジショニング、ADLの介助方法、ADL場面での協力、参加、20分というリハビリ時間での治療の焦点化、共有目標設定など、正直回復期で行っていたリハビリの効果、継続性やADLがまったくこの老健での生活、リハビリには役に立っていないに等しいと感じました。(回復期などで行ってきて欲しい内容も上記には含んでいますが)

このような状況は、様々な要因があると思いますが、一つの要因としては、地域連携がうまくいっていないということだと感じました。

つまり、施設や在宅のリソースを把握した中で、その対象者との関わり(リハビリ含む)、介護、介助などでポジティブな面をどう次のステージ(病期)につなげていき、ネガティブな面をどのように対応、介入していくのかの伝達が不十分なためだと思いました。

これらの経験により私は、この那須塩原という地域に暮らしている高齢者や地域住民のためにも対象者の機能面や能力面、精神面(目標設定なども)などを含んだシームレス(縫い目、継ぎ目がないこと)なリハビリの提供、介護の提供ができるシステムの構築が必要だと強く感じました。

そして、そのためにはどのような手段が最も現状で地域の施設に浸透させやすいかを検討してみました。

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