
肩上方関節包再建術から考える腱板の役割
おはようございます(^ ^)
本日も臨床BATONへお越し頂き、ありがとうございます。
311日目を担当するのは理学療法士のゆーすけです。
腱板断裂に対する術式の違いやその後の腱板の役割がわからない人
「腱板修復術と肩上方関節包再建術って何が違うの?…。肩上方関節包再建術後の腱板の役割をどう考えたらいいの?…。そこから考える腱板の役割とは?…。」
こういった疑問にお答えします。
★はじめに
腱板断裂に対する術式と腱板修復術と肩上方関節包再建術があります。腱板修復術ではその名の通り、アンカーを上腕骨に設置しそこから糸と断端を縫い合わせることで再び腱としての役割を果たせます。
では、肩上方関節包再建術とはどのような手術で腱板はどうなるのか?
手術の処理ができることで術後のプロトコールの意味合いを理解することができるのではないかと考えます。
手術選択はOPE前のMRIから判断され、棘上筋や棘下筋の脂肪変性が少なく、腱板断端における腱成分の厚みと輝度が正常に近い場合には、腱板修復術が選択されます。
棘上筋や棘下筋に重度の萎縮や脂肪変性を認め、腱板断端における腱成分がほとんど消失している場合は、縫合するだけでは再断裂のリスクが高く修復困難なため肩上方関節包再建術を選択されます。
術前のMRIの見方は前回でもお伝えしていますので、是非ご覧下さい。
https://editor.note.com/notes/nfb1ce9b05a6a/edit/
★肩上方関節包再建術とは
術前のMRIから棘上筋の萎縮や脂肪変性が強く、断端の位置が中枢側にあると腱板修復術は困難です。
なぜなら、腱板修復術ではアンカーを上腕骨に設置し、断端を上腕骨側まで引っ張りこんで縫い付けるため、断裂した位置が上腕骨から遠すぎると断端を引っ張り込んでくることが極めて困難となります。さらに仮に断端を引っ張り出してきて上腕骨に設置したアンカーと縫い合わせたとしても、萎縮が強いと縫合した部分よりも中枢側で再断裂のリスクが高くなります。
そのようなケースでは肩上方関節包再建術が選択されます。
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