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おっさんにラブ

小中学校の頃、クラスの女の子たちの間で光ゲンジやSMAPが流行っていた。私は全く興味がなく、ある日、雑誌の明星を見せられ、どの人がかっこいい?と聞かれた時も、全く良さがわからないので、適当にこの人と言ったら、「えー、趣味悪〜」と言われてしまった。でも普通にクラスに好きな男の子とかはいたりした。

中学に上がると、私は、彼女たちの気持ちがわかるようになった。今はもう亡き名バイプレイヤー、蟹江敬三という俳優さんに夢中になった(あまちゃんでも祖父役として出演されていたのは記憶に新しい)渋〜いおじさんである。夏休み、夏期講習が終わると、一目散に家に帰り、テレビにかじりつき、蟹江さんの出ている刑事ドラマの再放送を見るのが日課だった。

唐沢寿明とか、石田純一とかも好きだった。(それでも同じ趣味の人はいなかった)スマップのコンサートがどうのという話がうらやましく、「唐沢寿明のコンサートに行きたい」と訳のわからないことをいい、みんなに笑われていた。(芸能人はみんなコンサートをするものだと思っていた。)

蟹江さんが好きなことは、隠していたわけではないけど、周囲には言わなかった。たぶん話合わないと思ったんだろう。。

学校でもおじさん好きの片鱗は現れ始めていた。国語のK先生が大好きで、先生はギャグにならないギャグを言っては毎回スベっていた。スベッた悲しみと、教室のシーンとした空気がたまらず、しばしば一人で爆笑していた。
普通に好きになるのは、同学年の男の子だけど、おじさんの哀愁が私の心を捉えて離さない。でも、この気持ちを共有できる人がなかなかいなかった。

数十年後に”枯れ専”という言葉が流行り、”おじさん図鑑”という書籍も発売されたりして、この世のどこかに仲間がいる!とわくわくした。そして最近ついに、おじさん好きなリアル友達ができた。私たちは、好みのオジさん論を繰り広げ、語り合った。そしてオジさんの素晴らしさを広めるため、オジさん推進プロジェクトを結成した。彼女はとても考察が深く、普通の人がなかなか見ない観点でオジさんを見ている。もうプロである。おじプロ。近いうちに音声でオジトークを発信していきたいと思います。

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