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プロゲーマー梅原さんのメンタル指導と技術指導とは

今回はウメハラさんに教えられた
〝小さな変化を与える〟事の大切さについて書いていきたいと思います。

僕自身の体験としてはとても小さな出来事です。ですが、変化を与える意識があれば小さな変化でも大きな気づきを得られるとわかりました。

変化を与える事は仕事、人間関係、ゲーム、なんでもいいのですが何かに行き詰まった時非常にいいヒントになるかと思います。
2ミリでも参考になれば!

『気づき』

第4節の収録翌日、僕は寝起きですぐ練習に取りかかっていた。昨日の負けが相当悔しかったからだ。
数時間練習する。あらかじめ言い渡されていた練習メニューがなかなか上達しない。

なんでこんなに上手くならないんだ!!
負けるたびに自分の太ももをグーパンで強打した。
どうしたらいい。
このままじゃまた負ける。
イラつきと焦りばかりが生まれる。

あまりにも上達しないので上手くならない理由は何かあるはずだと考えた・・・
たどり着いた答えがこれだ。

〝コントローラーが悪い〟

絶対違う。そんなわけがない。
みんな同じコントローラーを使っている。
確実に練習時間が足りていないだけなのだが、この時の僕はそこに責任転嫁したいくらい伸び悩んでいた。

格闘ゲームには主に2種類のコントローラーが使われる。

🎮「パッド」と呼ばれる両手持ちのコントローラー。ゲーム機に基本付いてくるのがこれだ。

もう一つが

🕹「アーケードコントローラー」通称〝アケコン〟と呼ばれレバーがついてるタイプのコントローラーだ。ゲームセンターにあるようなタイプである。ちなみにアーケードスティックとかレバーとかいろいろ呼び方はある。

この時僕が使っていたのがパッドだった。何故コントローラーのせいにしたかと言うと、エクストリームクラスもハイクラスもみんな使っているのがアケコンだからだ。

このゲームをやり始めた当初から、プロがみんなアケコン使っているならアケコンの方が有利なのでは?という疑問を持ち続けていた。いろいろな人にコントローラーどっちを使うべき?と聞いてみたが、どちらを使っても変わらない、慣れだと言われてきた。

それならパッドでいいかとパッドを使い続けてきた。だがあまりにも上達が見えないためアケコンにしたら何か変わるんじゃないかと、どうしても試したい気持ちになった。

アケコン買おうかな?
いきなり変更するのもなぁ、、、
どうしよう、、、、、

とりあえずウメハラさんに相談してみた。
するとアケコンを貸してくれるとの事。

早速ウメハラさんの家までアケコンを取りに行った。受け取った僕は、大事なぬいぐるみを抱く子供のようにアケコンを両腕で抱え、嬉々として帰路についた。

よし!これで強くなれる!
そんな期待感を込めながらアケコンに触れた。

しかしまったく上手くできなかった。
何時間か触ったが全然うまく扱えない、、

結局みんなが言った通りどちらが有利とかはなく慣れているかだった。
慣れていないアケコンはとても使いづらいと感じた。逆に今まで使っていたパッドを触ってみたら〝遥かに使いやすい〟と感じた。
そりゃそうだ。長く使っていたパッドの方が使いやすいに決まってる。

結局パッドの方が良かった。一見振り出しに戻ったかのように思える。
しかし驚くべきなのはこの時点で**パッドへのイメージが180度変化している事だ。 **

アケコンを使う前は〝コントローラーが悪い〟とまで思っていた。しかしアケコン使用後の感想は〝パッドが遥かに使いやすい〟と感じている。

小さな気持ちの変化だが、この気づきがめちゃくちゃ大きかった。悪いとさえ思っていた物がむしろ良いと思えた。

そう思い始めたら取り組みに差が出てきた。コントローラーが悪いかも?という雑念が無くなり練習も集中出来るようになったからだ。

これは〝変化を与えた〟からこそ出来た気づきなのだ。更に言うと変化を与える事に意識を置いていたから、その気づきを見すごさなかった。

この変化を与えると言う事の大切さもウメハラさんに教えられた。

ウメハラさんは会話の中で〝試す〟〝挑戦する〟事について明らかに肯定してくれる事が多い。
お笑いで新たな挑戦をしようと伝えた時も
「新しい事をやってみるのはいい事ですね」と背中を押してくれた。
そしてウメハラさんの著書「勝ち続ける意志力」にも変化を与える事の大切さが多く語られている。

【以下、勝ち続ける意志力から引用】

・小さくてもいいから何かを変えてみる。
・自分の体験を増やしておけば視野が広がる。
・自分を変えるとき、変化するためのコツは、「そうすることで良くなるかどうかまで考えない」ということだ。もし悪くなったとしたら、それに気づいたときにまた変えればいい。とにかく大事なのは変わり続けることだ。良くなるか悪くなるか、そこは誰にもわからない。
しかし経験から言うと、ただ変え続けるだけで、最終的にいまより必ず高みに登ることができる。もちろん変えたことで初めて変える前の良さに気づくこともある。そんなときは、両方のいいところを合わせた形でさらに変化すればいい。

こう書いてある。

これを見たとき物凄く響いた。変化を求められる芸人の世界でこの考え方は絶対必要だと思った。さらに言うと芸人や仕事だけではなく日常的なところから小さな変化を与えて、物事を新たな目線で考えるのは大切だと感じた。
実際このnoteを書こうと行動出来たのも変化を与える意識があったからだ。

話を戻そう。変化をする事への意識があったからこそ、アケコンを試してダメだった時に

「あーアケコン難しかった」
という感想では終わらなかった。
「借りたの無駄だったな」
という後に何も残らない感想で終わらなかった。

〝パッド使いやすいじゃん〟
という小さな発見を、とても大きな発見なんだと感じる事が出来た。

実際に技術は全く進歩していないし、現状は何も変わっていない。だがパッドでの操作を伸ばそうと集中できるようになった。

〝変化を与える〟

〝その変化で何を感じたかを意識する〟

それをする事で現状を違う角度で見る事ができるし、新たな気づきを得る事もできる。

違うコントローラーを試すという小さな変化だったが、とても大きな気づきを得られた。

コントローラーが悪いと思わなくなり集中力を取り戻した僕は再びパッドでの練習に励んだ。
練習に励む中で僕は、ウメハラさんが第4節前に言っていたある言葉を思い出していた。

「これが出来るようになると今のレベルで最強の行動なんですけど」

ウメハラさんはある技についてそう語った。僕はそれを身につけるべく練習に励んだ

そして第5節を迎える。

『第5節』

第5節がやってきた。この日の相手はネモさん率いるネモオーロラ。ビギナーの相手は紅一点、浅井企画ゲーム部の奥村さん。

奥村さんとの戦いは危なげなく勝てた。何故なら奥村さんはキャラを変えたばかりで、まだ不慣れな様子だったからだ。助かったと胸を撫で下ろした。

続くオニキくんは敗北。
ウメハラさんは勝利。

ネモオーロラ戦は4-1のポイントで勝利する事が出来た。

これで全チームとの試合が終わった。
次の節から二周目の総当たり戦となる。

『第6節』

二周目の最初の相手はマゴさん率いるマゴスカーレットだ。再び最強国定との試合。

さすがに2度目の勝利は厳しいだろうとウメハラゴールド全員が思っていた。

国定戦。試合開始。

一進一退の攻防が続く。徐々に実力差が現れ始める。コンボという連続攻撃が上手い国定。対してこっちは単発攻撃しか当てられない。体力ゲージの減り方に差がついてきた。

苦し紛れに僕はある技を繰り出す。
それは特別な必殺技でもなければ誰でもやっている基本的な攻撃だ。意識していなければ見過ごしかねない〝その普通の技〟に対してウメハラさんは、すかさず言葉を発する。
「いいよぉ!!それ!」

そう。これこそがウメハラさんの言っていた今のレベルで最強の〝ある技〟なのだ。
それを習得している事にウメハラさんも気付いた様子だ。

1ラウンド目を落とす。国定の勝利。

続く2ラウンド目からだった。
第4節前にウメハラさんが言っていた最強の行動というやつが効果を発揮し始めたのは—

『ROUND2 FIGHT』

つづく

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