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雑草魂

世の中は混沌としています。
皆、これからの食い扶持をどう確保していこうかと思案しています。
しかしそんな中でもタカオとクミコは前向きでした。
むしろこんな混沌とする状況を、これぞチャンスと燃え上がる気持ちさえありました。

二人は最近になって職を失いました。
しかし二人は一体となって、この状況を切り抜けます。
何はともあれ稼がなくてはなりません。

まず二人はアダルトライブチャットをすることにしました。
出演はクミコ一人。
カメラの前で自慰行為をする事で、視聴者に課金をしてもらうのです。
個人で自由にやることも考えましたが、それは摘発リスクがあって危ない。
それであればと大手の業者に登録して始めることも考えましたが、マージンのこともあり、またどうせやるならと、二人は地元の公安委員会に自分たちで事業開始をする為の届け出をしようと考えました。
届出に際しては、配信する物件の大家さんからの物件使用承諾が必要です。
しかし今住んでいるところでそれはどう考えても無理だと考えた二人は、使用承諾が得られる物件を専門に扱うサイトで引越し先を見つけました。
引越し費用は何とか捻出できそうでしたので、二人は早速その物件を契約し、その物件にて公安委員会に届出をしました。
そして晴れて営業開始となりました。
あくまで届出制であって許可ではないので、いつ何時、警察のお世話になるかはわかりませんが、しかし無届出でやるよりは明らかに摘発のリスクも少ないと考えた末の策でした。

クミコは早速、カメラの前で服を脱ぎ、客を待ちます。
もちろん隠部を露出することはありません。
こんな不況下にもかかわらず、男性客には恵まれ、おかげで日に数万円は稼げるようになりました。
二人は生きる糧を見つけられたと喜びました。

次に二人は卑猥な写真をネットで販売することを思いつきました。
今やサイトを作ることは簡単です。
早速、専用のサイトをオープンさせ、そこから写真の注文を受け付ける仕組みを作りました。
サイトにはもちろん公安委員会の届出番号を記載し、きちんとした営業をアピールしました。
それは顧客の安心と信頼を得るため。
準備ができればあとは簡単。
早速、写真を撮ってアップし、客を募るだけです。
これも大当たりでした。
エロの需要は大きい。
二人は身を持ってそれを感じたのでした。

そしてタカオはクミコをサポートする一方、自身はデリバリーの仕事を始めました。
男ではライブチャットでの需要は難しい。
そう考えたタカオは、簡単に登録して始められるデリバリーの仕事を始めたのです。
また、タカオにこれといった特技はありませんでしたが、雑用の請負ならできると思ったタカオは、パソコンでささっと自分の携帯電話番号を記載したチラシを作り、近隣の家のポストに投函しました。
会社名はそれらしい適当な名前にしました。
投函した家は古い家。
古い家ならばお年寄りの方が住んでいて、色々な雑用の需要があるだろうとタカオは考えたのです。
それも大当たりでした。
普段の買い物から電球の取り替え、庭の雑草の刈り取りなど、多種多様な依頼が舞い込みました。

二人の行動意欲は旺盛です。
そして二人の絆はとても強いものでした。
何とかしてこの現状を打破する。
その根性は見上げたものでした。

二人はアダルトなことで稼ぐことに抵抗はありません。
世間体だとかそんな仕事に堕ちてまでなどという意識は毛頭ないのです。
そんなことを言っている場合ではない。
そんなことを言えるのは金に余裕のある者だけだ。
二人はそう思っていました。

とにかく今は生き抜かなければいけない。
その思いが二人を突き動かしたのです。
二人は笑顔でした。
楽しくて楽しくしょうがない。
だって自分たちで考えて行動した結果が、こうしてお金という結果で返ってきているのだから。
それは自分たちが認められているということ、そして必要とされているということ。
二人はそこに大きな喜びと感謝を抱いていました。
二人で乗り越えるそれらの経験はとても大きい。
それは人様から見たら褒められたことではないかもしれない。
でも二人の中には一生を共にする覚悟があったから、そんなことは些細なことでしかなかったのです。

これからも二人は手を携えて生きていきます。
それだけ根性のある二人なら、早々離れることはないでしょう。
今、求められるのは雑草のようなしぶとさだ。
二人は共に笑顔でそう思っていたのでした。
二人のその爽やかさは、どこにでもいる青年たちそのものでした。

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ごめんなさいね〜サポートなんかしていただいちゃって〜。恐縮だわぁ〜。