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建設現場でがんばる若いゼネコンマンへ 〜その2〜

【"建築を学ぶ"ってことを全く意識しないまま建築学科へ】

改めて僕のことについて、ご紹介したいと思います。

僕は"ゼネコンの現場監督出身の一級建築士で現在プロジェクトマネジャー"です。

僕は最初の仕事場として、就職先として、ゼネコンの現場(工事係)を目指しました。
そうなんです。
"現場を目指したんです。志したんです。"

何故か?

実は、僕の父親も建築関係の仕事をしています。
一級建築士の資格を持っているんだけど、建築積算事務所として、今も仕事をしている。
僕が高校生の時には、もう既に開業していて、長男の僕は特に何の疑問も持たずに『がんばってやっている事務所を潰してしまうのは可哀想だな。僕が継ぐべきなんだろうな。』と、当たり前のように、大学の建築学科を志望しました。
今思えば、何とも無知で上から目線な発想だろう。

運も大幅に味方して、晴れて建築学科に入ることが出来たはいいけど、実は既に"ヘタレ丸出しボウズ"は始まっていました。

何しろ『親の跡を継いであげなくちゃ』が根拠だから、建築に対する興味や知識を身につける努力に力が入らない。
大学では友人も沢山出来て、それなりに楽しい学生生活だったけど、勉強になれば話は別でした。
一緒にバカやってた奴がしっかり成績取った時は『あれ?』と思ったけど、実はその時点ですっかり差がついていました。(そんなことにも気が付かなかったんですね)

それでも進級出来るだけの単位は何とか確保して、4年になりました。
4年からゼミが始まり、"構造系"のゼミを選択しました。
"何故、構造だったのか?"
これは理由が2つあります。
一つは、「建築は構造が大事だから、構造を専門的に学んでおくのは、後々役に立つ。」という父親のアドバイスがあったこと。
(『へえ、そうなんだ。そういうなら、そうしておくかな?』くらいの低い意識。)
もう一つは、僕が"致命的に絵が下手"なことです。
よく「絵を描くのと設計は違う」と言いますが、僕に言わせれば、レベルが高い話であって、そうじゃ無いとしたら一般的にはそうなんですか、という話。
僕のように度が過ぎると、どうにもならない。
努力すれば少しはましになったかもだけど、下手なのを見るのは自分でも切ないので、向き合わない。
従って、上手くならない。
『自分で自分の絵を見るのも嫌なのに、こんなんで設計は出来ないだろう』
僕が意匠設計を諦めた瞬間でした。

だけど、実は設計の授業で「発想がいいね」と褒められることは度々ありました。
もしかしたら、センスはあるのかも(苦笑)?
しかし、絵心無く設計スキルも無いまま進んだ結果、「どうしてこうなった?」と逆に先生から聞かれる有様。
今でも、恥ずかしながら簡単なスケッチも描けません(涙)。

そして、ゼミの中でもヘタレ丸出しボウズは健在です。
当時、構造は「難しい」、「成績優秀じゃないとついて行くのが厳しい」と言われていました。
そんなところに入っちゃった訳です。
特に、ゼミに入るための試験も無く、上のような理由で人気もある方では無かったので、希望したら入れました。
全くラッキーでした。

ゼミの主たる活動は、卒業論文のための研究(実験)でした。
先に言ってしまいますが、この後、僕、大学院に行きます。
大学院でも、修士論文のための研究(実験)をやったんですが、正直言って、当時は何を何のためにやってるのか?、さっぱりわかりませんでした。
この研究の意味と理由がわかったのは、会社に入り、現場やって3年目でした。
『社会経験してから大学で学んだ方が活きた学問になるな』なんて、偉そうにもそう思ったりしました。

話を戻して、卒業研究です。
これは、ゼミの中でいくつか班を作って、班ごとにテーマを決めて行われました。

"テーマに基づいて実験を行なって、データをまとめて考察を行う"ざっくりこんな感じです。

研究環境が大きく2つに分かれていました。
ひとつは"大学の中の実験機材を使って実験を行う"こと、もう一方は先生に依頼があった"企業(建設会社)との共同研究を行う"ことです。

僕は迷わず"共同研究"の班を希望しました。
理由は単純で『社会に出る前に会社というものを見たり体験してみたい』というもので、全く研究・実験の内容とは関係ない理由でした(苦笑)。
この時点で、メンバーとの意識は少しズレていたと思います。#大丈夫か?

某建設会社の技術研究所で、日々、供試体の製作から実験まで行われました。
今はわかりますが、当時はやってることの本質はわかって無かったですね。
ただ、技術研究所という整った環境で、社員さんは仕事として行っていることを一緒にやらせて頂いているある一定の緊張感があって、僕の『会社を体験したい』という望みは叶っていました(笑)。
なので、大変でしたが、楽しかった記憶があります。
ただ、やはり、本来意識しなければならないこととは違いますよね(苦笑)。

こんな感じで、なんだかんだで大学4年は終わりました。(卒論は優秀な仲間と一緒だったので、無事にクリアしました。)

4月から大学院に進むのですが、こんな調子なので、この大学院進学についても、一筋縄ではいきませんでした。

これは、また次回。

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