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キャリアコンサルタント理論を勉強していて心に響いたこと

 キャリアコンサルタントの理論を勉強していると、なるほどねと心に染みたり、自然に納得できる内容に出会うことが出来たものです。時には驚きもありました。そんな理論を示してみたいと思います。ですので、学科試験対策として重要な項目を挙げたものではありません。キャリア理論はなかなか深いものです。
 でも結構身近で、納得できるものが多いものです。時には勇気づけられたりする言葉だったりします。

1.カール・ロジャーズ:傾聴 来談者中心療法

 なんといっても、1番手は”傾聴”です。
 コミュニケーションにおいて”傾聴”が最も大切だし基本姿勢だ。と社内の研修で語ってきましたし、ペアワークなどで、皆に理解してもらいたいと傾聴のスキル演習を実践してきました。しかしながら、恥ずかしいことにカウンセリングの大家「米国の臨床心理学者カール・ロジャーズ大先生」が言っていたことだとは全く知りませんでした。無知とは、恥ずかしいものだと思い知ったものです。
 1957年に発表された論文が代表的なものですから、今から60年以上も前に提唱されていたのです。全く驚きというか、基本的な人間関係というのは今も昔も変わっていないのだと改めて気づかされました。人間関係において大切なものというのは変わらないものなのだろうと思った次第です。 
 オンラインで人と人が接する社会になってきていますが、益々大切なのが人間関係構築力だと思っています。そのベースになっている考え方だと思っています。
 そして傾聴する上で大切な共感ですが、「共感と同感は違う」ということは押さえておきたいポイントです。

2.エドガー・シャイン:謙虚な問いかけ  

 超有名なシャイン先生ですが、私の場合は数ある教えの中でも「謙虚な問いかけ」にはまってしまいました。実体験からもまさしくこれ! といったくらいの感動ものでした。

①謙虚な問いかけ
 「傾聴」と共に、私が大切にしてきたのが「問いかける」ということ。しかしながらこれも組織心理学者として世界的に高名なエドガー・シャイン教授が唱えていたことでした。本当に恥ずかしいことです。ロジャースさんもそうなんですが、シャインさんという名前すら知りませんでした。
 良好な人間関係を築くカギは「謙虚に問いかけること」であるとのこと。
 あえて自らを弱い立場におき、相手を立てる態度をとり、「謙虚に問いかける」ことで、相手との関係は大きく変わると説いています。
 「質問」を「謙虚な問いかけ」に変えてみる努力が、職場で良い人間関係を築く基となり、組織に大きな変化をもたらします
 対等な対話を組織内で行えるようにし、何でも自由に言える環境作りが目標の一つです。

②8つのキャリアアンカー
 長期的な仕事生活において個人が拠り所としてとしているものがある。職業人にとって自分のキャリアアンカーを理解することが、キャリア選択を明確にし、生涯キャリア発達を促す手がかりになると提唱しています。
 そうだろうなという感想でした。最も放棄したがらない欲求や価値観を8つに分類したものです。

3.シュロスバーグ:転機

 まずそもそも「トランジション(転機)」という言葉を使っていませんでした。たまたま自分自身が”転機”のど真ん中のタイミングにいたこともあり、強烈に共感できました。
 転機は、その人がある出来事を転機と考えることによってはじめて転機となる。 
 ①転機を3つにタイプに分けています。
  ・予想していた転機
  ・予想していなかった転機
  ・期待していたものが起こらなかった転機
  まさしくそうだと思いました。
  そして、3つめに当たるとキツイです。まさしくその状況にあったので 響きました。

 ②転機への対処法
  転機に対処するための資源4Sを確認することです。
  ・状況 Situation
  ・自己 Self
  ・支援 Support
  ・戦略 Situation
  転機のタイプに関係なく、4つのSが個人の転機を乗り越える能力に  影響を及ぼして いるということ。
  資源(4つのS)を強化していくことは新しい戦略をつくること。たと え、ある転機がコントロールできないものであっても、転機をどう扱った らよいか、その方法はコントロール出来るものである。   
  自分の資源(4つのS)を強化していくことは可能です。

4.ブリッジス:ニュートラルゾーン

 ブリッジスがいう「終焉」何かが終わるときが転機の始まりであって、「ニュートラルゾーン」には時間がかかる。という説には、すぐ共感しました。まさしくこれを経験していたからです。
 1.トランジション理論:人生はトランジションの連続である
 2.トランジション・プロセス
  ①終焉 何かが終わる 転機の始まりは、何かが終わるとき
  ②ニュートラルゾーン(中立圏)自己変容という重要な内的活動に取り                 組むことが出来る
  ③何かが始まる


5.バンデューラ:自己効力感 

 バンデューラのいう「自己効力感」という言葉。この言葉にも初めて出会いました。
 私のなかでは、この「自己効力感」が、水面下まで下がる状態が
長い期間継続しています。「小さな成功を」と言われますが、そんなものを実感できるわけもなく、これを向上させることが私の最大の課題であります。そう自己分析しています。
  ・自己効力感とは:課題に必要な行動を成功裡に行う能力の自己評価
  ・自分がそれを出来ると思えるか、本人の捉え方次第で自己概念を始    め、行動、環境のあり方まで変化する
なんとかして、これは高めたいものです。

6.クランボルツ:プランドハップンスタンス理論

 この考え方は前向きで好きですし、学びになっています。
「学習し続ける存在」が人間である。人間は新しい行動を獲得したり、これまでの行動を変容していくことが可能です。現代の変化の激しい時代であるからこそ、偶然にもたらされた機会を、自らの主体性や努力によってキャリアに生かしていくという姿勢が必要ではないかと説いておられます。この考え方が今の私自身の原動力を支えるものです。

   ・「未決定」は望ましいもの
   ・「偶然の出来事」をチャンスや好機に変える5つの要素
    ①好奇心
    ②持続性
    ③柔軟性
    ④楽観性
    ⑤リスクテイキング

 楽観性を保ちながら、リスクテイキングをしないといけないというところに勇気づけられました。リスクを取らないと何にも挑戦できないし、前には進めない。
 そうだ「思い切ってやってみよう」ということ。そしてその結果は自分自身で責任をもつこと。
 転機は、突然来るもの。そして「未決定」であることは望ましいという発想です。
 無計画、行き当たりばったりに過ごしてきた私には都合のいい教えです。


7.エリクソン:アイデンティティ

  「アイデンティティ」という言葉はよく聞くものでしたが、エリクソンが提唱していた概念でした。「アイデンティティ」という概念は、自我同一性とも言われ、「自分は一体何者なのか?」という問いへの明確な答えとしています。
  アイデンティティとは:自分らしさや、その個性など自分がどういう性 格でどんな人間かを理解していること。
  ・自分自身を表現できるもの、
  ・自分が自分に対して持っている考え方そのもの
 がアイデンティティということになります。
これは、誰が言い出したのか分かった ということなのですが、無知とは悲しいことです。
 
でも、もしかしたら、無知とは素晴らしいものなのかもしれないと思えた瞬間でした。


8.ジェラット:「夢見ることを忘れずに」

  クランボルツ先生の「ハップンドハップンスタンス理論」に通ずる理論ですが、「未決定」であることを肯定してくれる考え方で、少しほっとしたものです。いい加減な私を許してくれる言葉でした。
  ・不確実な事象に対してもありのまま受容することが重要で、
  「夢見ることを忘れずに」という言葉が印象的です。
 理論理論にとらわれずに、自由に不確実を良しとした
「夢見ることを大切にする意志決定」の大切さを説いています。
「積極的不確実性」の理論です。


9.まとめ そして キャリアコンサルタントとして

 いろいろな研究がすでになされていて、私が何気なく研修でやっていたことが、こんな大先生方の理論であったことには素直に驚かされました。全くの無知であったわけですが、何の迷いもなく進めてきた活動に意味づけが出来ていたこと。には感激しました。ただし、恥ずかしいことです。無知は恥でもあります。私の場合には、偶然にも、キャリアコンサルタントの勉強を始めることで気づけました。
 この分野についてはよく理解している気になっていただけで、全くの無知であったということです。
 そして、
 これからも、この考え方で行動していけばいいな。そしてこれからは、理論に基づいたものであるとして、自信を持って行動変革のご紹介が出来ます。 早めに気づけてよかった。

 そして、転機は誰にでもあること。転機を肯定的に捉えて、自分を成長させるきっかけにすること。その大切さについてキャリアコンサルタントの理論を学ぶ過程で気づかされました。
 この基本姿勢でキャリアコンサルタントとして対人支援に携わっていきたいと考えています。


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