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ad:tech tokyo主催・古市優子さん流SNSのつづけ方。キャラクター統一を意識する。

noteプロデューサーの徳力基彦さんをモデレーターとして毎月開催しているトークイベント「ビジネスに役立つnoteやSNSのつづけ方」シリーズ。このイベントでは、SNSをフル活用している企業の方にご登場いただき、そのノウハウと心構えをお話しいただいています。

このスピンオフ企画「インタビューシリーズ」では、スタートアップの代表や先鋭的な企業で活躍しているビジネスパーソンに、SNSとの出合いや自身がビジネスでSNSをつかいこなすようになったきっかけ、現在の活用法などをおうかがいしています。

5月13日(木)に開催されたシリーズ第3回目では、ad:tech tokyoを主催されているComexposiumの古市優子さんが登場。コロナをきっかけにビジネスで本格的にSNSを使用するようになったという古市さんに、各種SNSのつかいわけや、これからはじめるひとへのアドバイスなどをお聞きしました。

ゲスト紹介

古市 優子(ふるいち ゆうこ)さん

古市さんプロフィール写真

慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、サイバーエージェントを経て2013年よりdmg::events(現Comexposium)に入社。2019年に同社代表取締役社長に就任、欧州大手イベントオーガナイザーComexposium Groupにおける日本代表となる。国内では主にad:tech tokyoをはじめとした、マーケティング・広告・コマース・デジタル領域のカンファレンスを企画運営。2020年より米国Advance Women at Workアドバイザーも兼務する。国内外での幅広いイベント主催および参加経験を活かし、理想のイベントとコミュニティのかたちを日々模索中。
note https://note.com/yukofuruichi
Twitte https://twitter.com/yuko_furuichi

コロナがきっかけで本格的にビジネスSNSをスタート

──古市さんがSNSをつかいはじめたのはいつごろからですか。

私は1988年生まれなので、高校生時代からたとえばmixiがあって、プライベートのコミュニケーションツールとして当然のようにつかっていました。Facebookも学生時代からつかっていましたね。当時は、まさかSNSを仕事でつかうことになるとは思っていなかったので、公にはふさわしくない投稿もたくさんありました(笑)。

──最近の学生は、内定が出たらSNSのアカウントを1回消して、社会人になってからまた新たにはじめるそうですけど、以前はそうじゃなかったですものね。

そうなんです。プライベートのアカウントにだんだん仕事が割り込んでくるみたいな。これはまずいと思い、2年くらい前にアカウントを整理しました。ですから、ビジネスでSNSを本格的につかいはじめたのはごく最近なんです。

SNS上でまめにビジネスコミュニケーションをとるようになったのは、コロナがきっかけでした。ad:tech tokyoのイベントがコロナで延期になってしまって。当時はイベント業界がパニックになっていて、各方面からの問い合わせなどがすごく多かったんです。

このとき起こったことを備忘録として全部noteに書いてみよう、という案が社内で出て。会社アカウントにするとちょっと堅い感じになってしまうので、私個人のアカウントをつくりました。これはあくまで古市個人の見解ですということで。初めて書いたnote記事が『新型コロナウイルスの影響でイベントを延期した主催者の備忘録』でした。

noteをはじめたことで日経COMEMOさんやNewsPicksさんからも声をかけていただいて。いろいろなつながりもできたし、まさによい相乗効果が生まれました。

複数のSNSアカウント運用のコツはキャラクターを統一させること

──noteをはじめたのと同じぐらいのタイミングでTwitterもはじめられたんですか。

はい。Twitterは10年ぶりくらいに再開しました。Facebookもビジネス用に整理して、いまはTwitter、Facebook、LinkedInの3本柱でやっています。

──LinkedInも入ってくるんですね。

そうです。とくに外資企業の方はたいていやっているのではないでしょうか。LinkedInは社内のひとともつながりやすいので、「こんなイベントを主催しました」などの報告も、たとえば海外の株主にも受け取ってもらいやすくなります。逆に、TwitterやFacebookでの発信は、海外勢には見てもらえないことが多いですね。

──Facebookは基本はプライベートSNSだから、上司にフレンド申請していいのかとか、上司からフレンド申請がきたら断りづらいとかありますけど、LinkedInはもっとカジュアルな感じで会社のひとたちとつながれるんですね。

そうですね、基本つながっています。また、社外のひとにアポイントをとりたいときにも活用できます。会ったことのないひとでもお互いにLinkedInのプロフィールを見られるので、どのような相手か想像がつきやすくスムーズにコミュニケーションがとれるんです。

LinkedIn Newsイベント

LinkedIn Newsのオンラインイベントにゲスト登壇する古市さん

──複数のSNSアカウントを運用する上で、気をつけていることはありますか。

TwitterとFacebookとLinkedInで、投稿内容や文章の書き方などは変えていますが、自分のキャラクターは統一しています。私自身も仕事でお付き合いする方のSNSはチェックしますし、実名でやっている以上はやはり「見られている」ことを前提として発信することが大事だなと。見られたくない場合は、名前を伏せて完全にクローズドでやったほうがいいと思います。

──過去にプライベートで匿名でやっていたアカウントをそのままビジネス用の実名アカウントに変えてしまうのは危険ですよね。過去の投稿が自分のブランディングに役立たないなら、アカウントをつくり直したほうがいい。

そう思います。いまはコロナでリアルにひとと会えなくて、オンライン上の接触時間がふえていますよね。オンラインはやっぱり便利だから、コロナが収まってもオンライン中心の感覚って消えないと思うんです。だったらむしろいまのうちにアカウントを整理しておいたほうがいいかもしれないですね。

イベント登壇の古市さん

ad:tech tokyoに登壇する古市さん

履歴書を整えるような感覚でSNSアカウントを整える

──Twitterなどに力を入れる前にnoteをはじめられたというのが少し意外でした。

コロナ下での想いというものをきちんと文章に残したいと思ったんです。以前はFacebookに長文を投稿したりもしていましたが、FacebookはTLがすぐ流れてしまうし、Facebookのなかでしかシェアされないので、あまり広くは読んでもらえないんですよね。noteで書いた記事はリンクを送れば読んでもらえるので、お客様にもお知らせしたりしています。SNSのプロフィールには自分の細かい主張などは載せきれないので、自分のスタンスを示す上でもnoteは役立っています。

また、noteの記事を何本か書いていると、エゴサーチをしたときに上位にnote記事がヒットするのもいいですね。自分の意思ではない内容が上位にくるよりも、自分がつくった記事が上がってきたほうがいいなと。

──ビジネスをされている方はエゴサーチも気にしたほうがいいですよね。

そうですね。ビジネスでつかう場合はやはり全アカウントを実名にしたほうがいいと思います。検索でヒットするし、見つけてもらいやすくなりますから。

とはいえ、ビジネスのために新しくSNSをはじめるのはハードルが高いと思うので、まずは自分がいま持っているアカウントを整えることをおすすめします。最初にそのアカウントを表に出すかどうかの選択をして、表に出さないと決めたらクローズドにしてしまう。表に出すのなら、実名や会社での肩書きもきちんと出して、アイコンもビジネスで使用しているプロフィール写真と同じものに合わせるといいでしょう。履歴書を整えるような感覚で、SNSアカウントも整えていくといいのではと思います。

──やっぱりそういうパーソナルブランディングは大事ですよね。古市さん、ありがとうございました。

次回は、アル代表のけんすうさんが登場する予定です。

interviewed by 徳力基彦 text by 渡邊敏恵

*この連載は、ダイヤモンドシグナルにも寄稿しています


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