#小説 記事まとめ

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記事

俺島太郎

むかしむかし、ヴェネツィアという街に、心のやさしい俺島太郎という若者がいました。 俺島さんが純金のセグウェイで海辺を通りかかると、子どもたちが...

夜明けの猫より大切なもの

今夜もあやつは帰ってこないのだろう。取引先との飲み会だの何だので、二軒三軒ハシゴして、始発ならまだ良い方だ。最近は飲みに出るともっぱら外泊で、...

生い優るあなたへ

親族控え室に入ったとたん、父や親戚たちから 「まさか、姪に先を越されるとはな」 「研究ばっかいしちょっからだぞ」 とからかわれる。 無理言って...

イケメン漁師|第3話 「みゅるるで検索」

「高齢化社会のニーズに合わせた新しいサービス、ってとこかな。」 スマホで店の外観を撮りながら片山が言った。適正な価格であるならば、と続きそうな...

鴻ノ池舞 折檻される(天久鷹央の日常カルテ)

(本作は『幻影の手術室』の販促用掌編として書かれたものです。 『天久鷹央の推理カルテⅣ 悲恋のシンドローム』のラストシーンからの続きとなります...

夏に男子が〈いちゃいちゃ!?〉、いや、〈わちゃわちゃ!!〉する青春小説 3章分試し読み

14歳、中学2年の男子が5人も集まれば、当然いちゃいちゃするもの――いえ、わちゃわちゃするものですよね。助け合い、励まし合い、ふざけ合い、語り合...

奇偉な人

「なっちゃん、すっかり立派になって」 今年90歳になる曾祖母は、そう言いながら西瓜を出してくれた。 「……ぜんぜん立派じゃないよ」 謙遜じゃなく...

ある男|12−1|平野啓一郎

横浜地裁の吹き抜けのロビーで、城戸は終わったばかりの五回目の口頭弁論期日のことで、依頼者の両親と立ち話をしていた。この二年近く取り組んできた過...

ある男|12−2|平野啓一郎

愛されている、という手懸かりを見出すことは容易ではなく、では、自分は愛しているのかと問われれば、言葉に詰まった。しかし、愛していないとは、決し...