新社会人ブチ切れ短歌

日記代わりに短歌をしたためていたなんとも雅な時期があった。
きっかけは金欠が著しかった大学時代

まじでお金がない……でもバイト増やすのは絶対嫌だ……苦しみなくお金がほしい……

と毎日毎日考えていた折

そうだ!短歌賞に応募しよう

と唐突に思いついたのだ。
たったの三十一文字で賞金5万円が手に入るなんてこんな素晴らしいことはない。これしかありえない!!!
(金欠は栄養不足に直結し、判断力を鈍らせます)

元々短歌はぼんやり好きだったこともあり、それ以来日記代わりに短歌を書くという習慣が20代半ば頃まで続いた。

大学時代はふわふわしたものが多かったのだが、社会人になった途端ブチ切れ短歌に変わっていてなんかおもろかったので恥を忍んで供養させてください

3月のやわらかい風の匂いして もうすぐ春だ ああもうだめだ

月曜の朝のカラスに飛び立たれ ただ揺れている枝になりたい

来年の私はあれかもしれないな ホームに1枚落ちてる名刺

この私を23まで押しやった月日もろとも四季よ壊れろ

今日やっと今週初めて飲み会がないからひとりで飲みにきました

横の横の横で1人で飲むおっさんだけが救いの花金の夜

先輩の日付印くるくる回すのは鬱病じゃない私の仕事

打合せ問合せ打合せ問合せ あわせてしあわせにはなりません

立てそして幾千幾万幾億の勇気集めろ会社を休め

送信済みフォルダが重くなるごとに私の辞書は軽くなってく

エンジンも靴音も聞こえない街で風向き調査の仕事がしたい

いつまでも似合わないスーツ もう1年ツッコミ待ちをしてんだけどな

「やりがいはなんですか」って私の方が聞きたいですよ 退勤時です

もう誰にもやさしくしない 手始めに優先席でチャミスルを飲む


このあとメンタルをやられたりもしたけどまあ辛うじて社会人を続け、今は育休中です(妊娠中に一度note書いたのだけど、夫への呪詛に満ちすぎていたので消しました)
育休には育休の地獄があるが、新社会人の地獄には比べるべくもなし。
新社会人が辛かったのかあの部署がつらすぎたのかは謎だが……


大学時代応募した短歌賞(ライトなやつです)は、本当にありがたいことに佳作に選んでもらえたのだけど
応募にお金が要る賞だったので手に入れたマネーは実質1000円か2000円だった。

飲み会かなにかで秒で消えたことと思う。
みんなも邪な考えは捨てようね……


おわり📒

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