直感的には同意できない「勝つ以外にも楽しみを見つけろ」話

 それ言ったら囲碁も将棋もこんなに長期間流行ってないんですよ。囲碁にはストーリーモードやキャラクターも居ないし、ファンアートや二次創作も基本的にはないんですわ。

だから囲碁将棋に倣って、友達とか師匠とかを見つけるとか、ハンデを決めるとかする方が先だと思っている

「勝利のみでモチベーションを保てるのは勝者のみ」というのは間違ってて、だったら永遠に弱いCPU戦だとか初心者狩り行為をすればモチベーションが保たれる理論になりますけど、そんなの絶対長続きしないというか、もっと星の数ほど初心者狩りが流行ってると思いますよ。

 ゲームでの一番強力なモチベーションというのは「次はもっとうまくできる」とか「次やったら今度こそ勝てる」と言うところで、(ハンデキャップを付けるという文化のある)囲碁将棋と違って、(ハンデキャップを付けるという文化が存在しない)格ゲーでは実力が本当に近い相手ではないとワンチャンがないので、なのでモチベーションの維持が難しくなってるだけです。

 個人的には「ゲームシステムだけでなく、ゲームを彩る設定やら環境にもモチベーションを持て」と言うのはあんまり同意できないというか、それは単にそういうのに興味のある人がそれを楽しめばいいのであって、ゲームをやりたい人はゲームへの成長がもっと促されるような環境作りこそが大事だと思うんですね。

 つまり、ゲームそのものに全く興味がなくて、単にゲームのキャラの設定やら舞台に興味があってそれだけ見て楽しむ人が居るのは当然だと思うけど、ゲームをやりたい人はそちらにも目を向けるべきだ(目を向けた方がモチベーションが途切れにくい)というのは微妙に感じます。

 だって、東方Projectって思いっきりそんな感じでしょ。本編の縦シューティングゲームに興味のない人はキャラとか世界設定だけ楽しんでいるし、スコアラーだからってそんなゲーム外の所にも強くハマってるとは限らないというか。(ただ、これは対戦ゲームじゃないのでもうちょっと別のモチベーション管理かもですけど……)

勝ち負けにこだわるのは当然のこと、必要なのはPDCAというかワンチャン感が続くこと

「これ以上頑張ってももう勝てる気がしない」と言うのが折れる一番の要因であって、それに対して適切なアドバイスやら考え方を提供してくれる先生やら友達が一番必要なことだと思います。

 少なくとも私がスト6を辞めたのは「これ以上頑張っても現状を打破できない」と思ったからなので、そこでそんなスト6のキャラとか世界に興味を持ったところで何の助けにもならないんですよ。目を逸らせない。

 勝つことは大事であり、ただ、それに向かって適切な環境、先生、友達、コミュニティを得ることこそがその真っ当な解決策です。

 まぁ、それは万人が得られるものでもないので、このあたりをいい感じに引き寄せることができる人生のことは「才能」って呼んでもいいのかな、とか思ったりもしますけど。

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