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最高のマネージャーとは?Googleが提案する「8つの習慣」

良い指導者を考える

「良い指導者」とは、どんな人を指すのでしょうか。
例えば、超大国アメリカの指導者を見てみましょう。2016年、アメリカの大統領は、オバマからトランプへと引き継がれました。
民主的なオバマと、現実主義的でともすれば差別的とも捉えられるトランプ。彼らの政策と性質は大きく異なっています。しかし、オバマを支持する人もいればトランプを支持する人もいるように、両者、一国のリーダーとしての機能を果たしています。どちらも評価される点や非難される点があり、そんな彼らを観ていると「良い指導者」を定義することは難しいのだと考えさせられます。

しかしながら、Googleの調査プロジェクト「Project Oregon」では、最高のマネージャーになるための8つの習慣が示されました。今回は、この8つの習慣について考えていきます。

Project Oregonとは

Project Oregonでは「優秀なマネジャーはどういう人か?」を、グーグルの従業員を対象にリサーチしました。
人事考課、フィードバックサーベイ、表彰、その他のリポートなどからマネジャーに関する1万件に及ぶデータを集め、そこから100の変数を抽出。そのデータの中からパターンを見出して仮説を構築し、仮説を踏まえて、マネジャーとのインタビューを実施。仮説の検証とバージョンアップを繰り返し、およそ1年をかけてのプロジェクトの研究結果をまとめたものです。引用: https://style.nikkei.com/article/DGXMZO48146440S9A800C1000000/

1万件に及ぶ膨大なデータから引き出された、Googleの結論。
私は大学で心理学を専攻していますが、心理学の調査では150〜程度のリサーチ数があれば、量的なクオリティが確保されると言われています。
今回は、1万件のデータを集計しその上でインタビューを実施しているとのことで、いかにそのデータが大きいかがわかりますね!

最高のマネージャーの8つの習慣

では早速、Googleが提案する「最高のマネージャーになるための8つの習慣」を見ていきましょう。

習慣1 よいコーチであれ。
習慣2 部下に権限を委譲せよ。マイクロマネジメントはするな。
習慣3 部下の成功と幸せに関心を持て。
習慣4 くよくよするな。生産的で結果志向であれ。
習慣5 よいコミュニケーターであれ。そしてチームの声を聞け。
習慣6 部下のキャリアについてサポートせよ。
習慣7 明確なチームのビジョンと戦略を持て。
習慣8 チームにアドバイスができるように技術的なスキルを磨け。

以上の8つは全て横並びで重要というわけではなく、1〜8の順に重要であるとされています。
つまり、より重要なのは部下との関わり方や雰囲気づくりであり、技術的なスキルではないと示しているのです。

8つの習慣を行うために必要なこと

以上の8つの習慣を実行するためには、具体的にどのように行動したらよいのでしょうか。
習慣の具体例は、以下のように纏められています。

習慣1  よいコーチであるためには?

・具体的で、建設的なフィードバックを
する。
・ネガティブフィードバックとポジティブフィードバックをバランスよく行う。
・定期的に1対1の対話をし、部下の強みに合わせた問題の解決方法を示す。

習慣2 部下に権限を委譲し、マイクロマネジメントをしないとは?

・部下に自由を与える。同時に、よき相談相手になる。
・チャレンジできるようにストレッチした課題を与える。

習慣3 部下の成功と幸せに関心を持つとは?

・仕事以外も含めて部下を人間として知るようにする。
・新人を温かく迎え入れて変化のストレスを減らす。

習慣4 くよくよせず、生産的で結果志向であるためには?

・チームに達成して欲しいこと、及び、どうすれば部下が達成できるかに集中する。
・チームが優先順位を付けて働けるようにし、障害を取り除く意思決定をする。

習慣5 よいコミュニケーターであり、そしてチームの声を聞くためには?

・コミュニケーションは双方向。聞くことと共有すること。
・全員参加の会議と具体的なチームのゴール。
・オープンな対話を督励し、部下の質問と関心に耳を傾ける。

習慣6 部下のキャリアについてサポートする。

習慣7 明確なチームのビジョンと戦略を持つためには?

・不安と動揺の中でもチームのゴールと戦略にフォーカスする。
・ビジョン、ゴール、進め方の策定にチームを巻き込む。

習慣8 チームにアドバイスができるように技術的なスキルを磨くためには?

・必要なときはチームと一緒になって働く。
・仕事に関わる具体的なチャレンジを理解する。

考えたこと

この8つの習慣を受けて、私はリーダーシップのPM類型という考え方と似ていると感じました。
リーダーシップのPM類型とは、リーダーシップ機能をP機能(目標達成機能)とM機能(集団維持機能)に分け、その強弱によりリーダーシップを類型する考え方です。
PM類型では、P機能もM機能も強いリーダーが最も望ましいとされています。

今回Googleが示した8つの習慣も、目標を達成するためにチームに働きかけながら、部下との信頼関係を築くための習慣だと感じました。
つまり、この8つの習慣はGoogleやIT企業だけではなく、多くの組織で普遍的に望ましいとされるマネージャー像なのではないでしょうか。
スキルが優れている=マネジメントも優れているというわけではないことや、マネジメントに必要な考え方を改めて認識することができました。






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