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高校生2名が津坂 美樹 様(日本マイクロソフト 代表取締役社長)にインタビュー!!

こんにちは。認定NPO法人キッズドアです。

キッズドアはすべての子どもが夢や希望を持てる社会の実現を目指し、経済的な困難を抱える家庭の子どもたちへ生活や学習の支援を行う認定NPO法人です。

中学生・高校生が企業の経営者などにインタビューする企画「Dialogue of the future」の第16弾として、津坂 美樹 様(日本マイクロソフト 代表取締役社長)にお話を伺いました!

応募者多数の中、抽選で選ばれた2名の高校生が、若者ならではの視点で素朴な質問をぶつけました。
※この記事は2024年7月時点のものです。


様々な企業とお仕事をする中で、テクノロジーの重要性を強く感じていました

——どのようなきっかけで日本マイクロソフトの代表取締役社長になったのでしょうか?(16歳女子)

もともとBoston Consulting Group(BCG)というコンサルティングファームに長い間在籍をしていました。

様々な日本の企業とお仕事をする中で、テクノロジーの重要性を強く感じ「テクノロジーがないとビジネスも日本という国も成長していかない」と思っていました。

そんな中でオファーをいただいて、代表取締役に就任することとなりました。

——ご縁があったということでしょうか?

そうですね。今までのキャリアで様々な企業とお付き合いさせていただきましたが、実はマイクロソフトとは全く関わったことがありませんでした。

本当にたくさんの候補者の方々の中から見つけていただいた、というのが正直なところですね。

——以前はどのような仕事をなさっていたのでしょうか?(17歳女子)

大学を卒業後、Boston Consulting Group(BCG)に入社します。BCGでは経営コンサルティングを行っていました。

経営コンサルティングというと馴染みがないかもしれませんが、「ビジネスドクター」と考えると分かりやすいかもしれません。

企業の業績が悪くて困っているときや、海外でのビジネス戦略に悩んでいるときなどに呼んでいただいて、アドバイスやお手伝いをするお仕事になります。

私は日本とアメリカの2か国で仕事をしていましたが、ビジネスは世界中で行われているので、それぞれの戦略に合わせて世界中を飛び回っていました。

——そういった経験が今のお仕事に繋がっているのでしょうか?

そうですね。
マイクロソフトとBCGに共通していることとして、日本の大企業や政府、地方自治体をお客様としていることです。

マイクロソフトはテクノロジーで、BCGは経営戦略コンサルティングという形でお客様とパートナーシップを結んでいました。

そういった経験を評価していただいた部分もあると思っています。

「目指すべきロールモデルを作るしかない」と考えていました

——経営コンサルティングのお仕事はどんなところが大変だったのでしょうか?(16歳女子)

会社が「ビジネスドクター」を呼ぶときは、問題や課題がある緊急時ばかりです。
必然的にハードに働く機会は多かったですね。

一方で3か月や6か月のプロジェクトが終了すると、まとまったお休みが取れるので、そのサイクルを繰り返していました。

ただ、子どもが3人も生まれると働くばかりではなく、バランスを取ることも考えるようになりましたね。

——お子様がいながら働くことはとても大変だと思います。どのようなワークライフバランスを取っていたのでしょうか?

私は「ライフワークブレンド」という言葉を好きで使っています。
私の人生観として「ライフ」が「ワーク」よりも先にあり、バランスを取るというより、ブレンドさせるイメージです。

ライフワークブレンドを大切にするなかで、子どもとの時間を作り出すことは簡単な問題ではありませんでした。

もちろん朝昼晩ずっと一緒にいることはできないので、朝学校に行く前は必ず会話をするなど工夫をしていました。

学校のイベントなどは夫と分担して参加したり、家事をアウトソーシングすることなども行っていました。

特に、それぞれの子どもの性格に合わせた対応をすることを大切にしていましたね。

寝る前に宿題を一緒に見て欲しい子どももいれば、週末の習い事についてきて欲しいと思う子どももいましたので。

今思えば、もっと子どもたちに時間を使えばよかったなと思うこともありますが、現職に就いたときに「お母さん、カッコイイ!」と一番喜んでくれたのは子どもたちでした。

——どうすれば良いロールモデルを見つけることができるのでしょうか?(16歳女子)

私が大学院で修士号を取ったときには、女性比率が30%もありませんでした。
そして、コンサルティング業界に入ったときも、男性がマジョリティーで女性はあまり見かけませんでした。

確かに当時は自分の目指すべきロールモデルを見つけるのは難しかったように思えます。

そういった状況で私は「目指すべきロールモデルを作るしかない」と考えていました。

男性、女性にこだわらずに良い所をピックアップするのが良いのではないでしょうか。

女性比率が低い業界で働くときには、自分でロールモデルを作るということがポイントかもしれません。

「Me」よりも「We」のほうが人生も仕事もずっと楽しい

——人生で仕事で大切にしていることはありますか?(17歳女子)

「察しと思いやり」を大切にして、周りの人を幸せにすることを大切にしています。

自分の人生は、自分だけではなく家族や友達や同僚が関わってきます。

相手の立場に立って思いやりを持って接すると、同じように返ってくるのではないでしょうか。

「やると決めたことはやりとげる」ということも大切にしています。

とにかくベストを尽くすことはプライベートでも、仕事でも大切にしていますね。

そして自分ひとりで抱え込まない。
「Me」よりも「We」のほうが人生も仕事もずっと楽しいですし、辛いときに共有できて乗り越えることができると思います。

——仕事などでコミュニケーションが上手くいかないときは、どのように対処していますか?(16歳女子)

もちろん仕事をしていると、全て順風満帆なわけではありません。
社内、社外ともにコミュニケーションが上手くいかず、フラストレーションがたまるときもあります。

そんな時には「すぐに反応をしない」ということをマイルールとしています。

物事は多面的で、自分の見方と相手の見方が食い違うことは多々あります。
そんなときは、相手の立場を考えてからリアクションをすることが良いと思っています。

テキストなどですぐに返信をしないで、一呼吸を置いて一歩引いた立場で冷静に考える時間は重要だと思っています。

そうして考えても納得ができない場合は、ハッキリと伝えるようにはしていますね。

また、嫌なことがあったときには自分へのご褒美を用意しておくことや、スポーツなどでストレスを発散することも大切かもしれません。

——将来、国際的に活躍するために大切なことは何ですか?(16歳女子)

まずは、自分を定義しすぎないことでしょうか。
自分の可能性や将来性を自分で狭めずに、「自分にはどんなことでもできる!」と思っていろんなことにチャレンジしてください。

また、学びの姿勢を持ち続けることも大切ですね。
とくに、若いうちは得意なことだけではなく、苦手な分野にこそ時間をかけて取り組んで欲しいと思います。

さらに、毎日世界中のニュースに触れてほしいと思います。今は、スマートフォンがあれば無料で色んな国のニュースを知ることができます。
日本だけではなく海外の情報の記事を読むことは、とても重要だと思います。

生徒感想

今回はこのような貴重な機会をいただきありがとうございました。
work-life balanceではなく、life-work blendを大切にしているという言葉が一番心に残りました。
お忙しい中でもご家族との時間を大切にされていることを感じました。
また、何事も一人で取り組むのではなくweでやるというチームワークの大切さも教えていただきました。私も津坂さんのような素敵な大人になりたいです。(16歳 女子)

この度は貴重なお話の機会をいただき、ありがとうございました。
今回お話を聞いた中で、私は津坂さんの「No Me Yes We」(1人ではなくて、みんなで)と「ライフワークブレンド」という言葉が印象的でした。
私も津坂さんのように、様々な分野で活動している人を参考に、視野を広げ、目指すべき人を自分の中で作り上げて追いかけていきたいと思います。
(17歳 女子)