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不登校さんへ「オンライン朝の会」の取り組み(2023年)

昨年度からの新たな活動報告

一般社団法人トークアカデミー協会は昨年より不登校児さんへの「オンライン朝の会」を始めました。

背景には、増加し続ける不登校の児童・生徒たちへの強い思いがありました。「誰もがして安心して参加できる場所を提供したい」という願いから、この活動をスタートしました。

この取り組みは、子どもたちの「社会とのつながり」を再認識し、自分の存在が周囲にとって大切だと感じてもらうことを目指しています。また、外の世界に触れることで「楽しそう」 「挑戦してみたい」と思いついたきっかけを提供したいと考え、海外で活躍する日本人や、地域で活躍するゲストを招いたセッションも行っています。協会は、「社会は面白くて、多様性に溢れている」というメッセージを届けたいという思いで、このオンライン朝の会を続けています。
2024年度もおこなっていますが、まずは昨年度の活動をご覧ください。

2023年度報告
■実施内容
1.自己紹介と近況報告:参加者がリラックスして自己表現できるように、自己紹介や近況報告の時間を設けます。
2.成功体験の共有:前週に経験した小さな成功体験や嬉しかったことを共有することで、相互理解を深めます。
3.ゲームやクイズ:楽しみながらコミュニケーションの取り方を学ぶための簡単なゲームやクイズを実施します。
4.フリートーク:会の最後には、自由に話し合う時間を持ち、親密な関係性の構築を促します。
5.ゲストセッション:英語圏に住む方、手話ができる方など社会で活躍するゲストを招き、実践的な学びを提供します
■期待効果
この取り組みにより、不登校の児童・生徒たちが他者とのつながりを感じ、世界・社会につながる選択肢が増える体感から開かれていく、自己開示・自己受容できることが期待できると思います。また、定期的な実施により、彼らの日常に一定のリズムをもたらし、生活の質の向上につながることも考えられ、学校への投稿へとつながることも願っています。
最後に、本提案が現実の形となり、児童・生徒たちの心のサポートになれることを願っております。
■対象■
・あま市適応指導教室ビリーブに登録する小学2年生〜中学3年生 
・参加のべ人数:40名
■実施期間
6月:出前授業
7月〜翌3月まで:毎週1回オンライン朝の会 15分~20分(計22回)

■先生から頂いた感想■ 
・Zoomを通して、いろいろな方と接する機会はとても大切だと感じます。 そういう機会を捉えて、その方からの情報ももっと知ることができるとzoomを活用する効果が高まると感じました。
・口を大きな開けてお話をすることが大事であることがわかり良かったです。
・言われたことをよく聞き言葉は少ないですが楽しく参加していたと思います。
・Zoomを通して、いろいろな方と接する機会はとても大切だと感じます。
・子どもから質問、疑問が言えるようになれば良いかと思います。
・今日は二人とも素直で一生懸命行動できる二人だったため、もう少し活動内容が増えてもいい気がしました。話を聴き、自分が思ったことを画面につぶやいていました。早口言葉も恥ずかしそうに手を挙げていましたが楽しく活動していました。指導員も隣で一緒に参加できました。
・〇〇くんのテンションが下がってしまいました。ハッピートークが始まっていたため、通室後すぐ、本
人の意思をしっかり確認せずに参加させてしまったので、私の配慮が足りませんでした。
・終わってから本人が、行ったことのない県や国の話(特産品や、食べ物、地元の人しか知らないような場所)など聞きたいと言っていました。 


■私池崎の思い
昨年、私は週に一度、不登校の児童生徒たちとオンラインで対話する機会を持ちました。この取り組みの背景には、彼らに社会とのつながりを感じてもらい、さらに社会が楽しい場であることを伝えたいという思いがあります。この目的を達成するため、私たちは海外に住む日本人にも話をしてもらい、様々な視点から社会への理解を深めてもらいました。

今後このオンラインでの交流を通じて、児童生徒たちには将来的に地域活動やボランティアに参加し、他人の役に立つ経験をしてほしいと考えています。例えば、プロギング(ウォーキングをしながらのゴミ拾い)やシルバーカレッジでの新聞作成など、地域とつないでまいります。
他者への貢献は幸福感を高め、ストレスや不安を軽減することが科学的に
も証明されています。

私の願いは、このオンライン対話とボランティア活動を経験した児童生徒たち、一人ひとりが社会と繋がり、それぞれの場所で橋渡しの役割を果たせるようになることです。1年間という時間を通して、たとえ小さなステップであっても、彼らが社会とのつながりを再び築き、社会の一員として前向きな一歩を踏み出すことを深く願っています。

そして2024年度はさらにバージョンアップしてスタートしています。

今後も「オンライン朝の会」が、安心できる場所、世界を広げられる場所と感じられるオンラインの機会を増やしていきます。

さらに、ただ楽しいだけでなく、他者と関わり、自分の意見を表現する力やコミュニケーション力を育む機会を提供することも重要視しています。そのために、今後はさまざまな分野のゲストを招き、社会での役割や多様な生き方について知ってもらえる場を増やしていきます。

この活動を通じて、少しずつでも子どもたちの「自分にできることがある」「人の役に立つ経験ができた」と感じられる瞬間を増やし、彼らにも未来が明るく進むことを心から願っています。

代表理事 池崎晴美