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【未公開ネームを一部公開!】発案・ネーム・完成原稿まで 作品が出来上がる過程を担当編集に聞いた!【君の進路と僕の針路】

GANMA!では、本日9月21日より『自由な読切』と称し、20作の読切作品を公開している。
本記事では、プロの『物語づくり』について、その思考プロセスと完成に至るまでの過程を担当編集に聞いてみた。

作家紹介:有吉史織
Twitterアカウント:@ari444ori
担当編集:ダイドー
IQ2,000,000
Twitterアカウント:@dydo_gagaga 

今回紹介する作品はこちら。

君の進路と僕の針路 

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「オレ…過去に戻ってる…?」
中学3年生、受験に失敗した夏木はひょんなことから過去にタイムスリップすることになる。
思い浮かぶのは、受験に失敗した要因である内申点の悪さ、幼馴染の自殺…。
(「あれ」も なかったことにできる…?)
過去に戻った夏木は自分の運命を変えることができるのか?

誰もが1度は思い浮かぶ、「あの時もっとこうすればよかった」という想い。
そんな気持ちを等身大で描いたメッセージ性ある作品。

『君の進路と僕の針路』を作るにあたり、どういったところからこの物語の着想に至ったのでしょうか?

ダイドー氏:
もともと連載企画を作っていて、その企画案のうちの一つです。
読切でも連載でも楽しめるものになりそうな企画になってきたので、今回の読切用にシフトしました。

有吉さんの強みとして、「逆境を克服する」「ネガティブなものをポジティブに変える」といった表現が得意なので、そこを活かすことができればというところもあり、主人公の感情が好転換するような方針で制作をすすめました。

当初出てきた連載用企画は、内容は面白いのですが「切り口」や「取っ掛かり」に欠けており、物語を広げていく「キー」的なものが少し弱かったんですよね。
設定や大枠で作品の良さを伝えきれない、という弱みがあった。
その弱点をなくすために、話し合って今回の「タイムリープ」といったテーマに行き着きました。

そうして、今回の読切である『君の進路と僕の針路』の原型がきまっていきました。

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↑初期段階で出てきていた企画案
(今後連載の可能性があるため、詳細は秘密)

ダイドー氏:
他にも、目的の分かりやすさにもこだわりました。初期段階で送っていただいた企画書はとても有吉さんらしくて良いのですが、「この人は最終的に何をするの?」といった物語の指針が分かりづらい、といった部分があったため、そこはちゃんと明確に置こう、という話はさせていただきましたね。

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↑『君の進路と僕の針路』のネーム
友人の死を止めたい、といった目的がはっきりと提示されている

企画が決まった後はどのような流れて作品を作っていったのでしょうか?

ダイドー氏:
ざっくりと上記で話したような方向性を決めて、あとはすぐにネームにはいっていただきました。1度目のネームで物語のストーリーは非常に良いものが完成したのですが、それから「わかりやすさ」「見せ方」にこだわり全体を修正していただきました。
そもそも、今回の『君の進路と僕の針路』というお話がかなり複雑な物語なんですよね。
受験、クラスのいじめ、DV、毒親といったリアルな問題にプラスしてタイムリープというファンタジー要素が加わる。
そうなったときに「読みにくい」要素は作品の良さを損なってしまう。なのでとにかく読みやすくしたい、というところを伝えた上でそのためにはどうしたらいいんだろう、ということを一緒に考えて2回目のネームを進めていきました。
特に初版は「タイムリープ」というテーマがわかりやすくなるように大幅に修正しましたね。

↓ネーム修正で、大きく変更されたという冒頭シーン(1回目のネーム)

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初版は主人公が受験に失敗し、タイムリープするという重要な場面だ

↓こちらは修正版の冒頭シーン

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階段で転ぶ、という行為をきっかけにすることによって、よりタイムリープしたということがわかりやすくなっている。

ネームを修正するにあたって、どのような部分を重点的に修正したのでしょうか?

ダイドー氏:
このお話の良さは主人公の考えが徐々に変わっていき、最終的にはポジティブな感情に変換され、それが行動に繋がっていく、というところにあります。
なので、重要な主人公の心の動きが一番にわかるようにしたほうがいいだろうと。
そうなったときに、タイムリープ後の行動の原因とそれに対する主人公の考え、考えから来る主人公の行動を追えるようにそういったことが表現されているコマは大きく強調させる、などの手法をとりました。

↓主人公が自分の感情を伝えるシーン

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↑主人公の心の動きがわかりやすく表現されている

作品を作るにあたり、編集の役割とはどのような仕事だと思いますか?

ダイドー氏:
僕個人で言うと、編集の作家に対する役割は「思考の整理」だとおもっています。作品を作っていく上で、何が描きたかったのか、何が伝えたかったのか、そういうのって完成後に見えにくくなったり、制作途中で消えてしまったりするんですよね。
なので対話の中で、本当に作家が描きたいものを明確にしていき、それを読者に伝える方法を一緒に考える、そしてそれを全力で描ききるためのサポートをするのが編集だと思っています。やはり、作家さんには描きたいものを描いてほしいですし、その方が結果的にいい作品ができると思うので。

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↑冒頭との主人公の感情の変化がよく分かるシーン
冒頭の利己的な動機が友達を助けたい、という動機に変化していることがわかる

最後に、『君の進路と僕の針路』 の読者への感想をいただけますでしょうか

ダイドー氏:
主人公の心情の変化にこだわった作品となります。細やかな感情の動きに注目してご覧いただけますと幸いです!

君の進路と僕の針路』はこちらからご覧いただけます

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