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『ミステリと言う勿れ』の映画感想まとめ

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『ミステリと言う勿れ』についてのすてきな映画感想をまとめるマガジンです。 #ミステリと言う勿れ
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#エッセイ

「幸せになれるよ」って言われたかった(映画『ミステリと言う勿れ』)

幸せになってね。 幼い頃、母は私によくそう言った。 私が育った家庭は「幸せ」とは言い切れないものだった。 有り体に言えば「機能不全家族」。 結婚したことで不幸になった、と母はよく嘆いていた。 だからせめて娘には幸せになってもらいたいと思ったのだろう。 「今は幸せじゃないかもしれないけれど、いつかは幸せになってね。」と何度声をかけられたことか。 幸せになってね。 おまじないのように繰り返されるその言葉は、いつしか私の心に刻まれた。 いつだって幸せになるために努力した

命に付く名前を『心』と呼ぶ💖

尊い命が失われていくニュースを聞くたびに、胸が痛くなる。 命のひとつひとつは、身体を造る組織でできていて、その細胞の無限のミクロの世界にまで、目に見えない『心』が宿っていて、それはきっと親や周囲の人に愛されて、育まれてきたものだと思う。  命の別名 中島みゆき 中学生の男の子が始業式の日に自ら命を絶った。その報を受け、いつものように同じ台詞を発信して、頭を下げる責任ある立場の大人たち。 <いくら頭を下げても、男の子の命はかえってこない。そして、その頭の中には、保身以外

人のために≠

私の弟は、れっきとしたネット依存者である。 どこに行くにもスマホ、シャワーを浴びる時もスマホ、トイレに行く時もスマホ、コードの絡みを解く時ですら、スマホをいじっていないと気が済まない。要は、自分の頭に情報を入れない時間が耐えられないわけだ。 どうしてか。 私はこの主たる原因は、母にあるのではないかと思っている。母は一方で、私たち兄弟がスマホ依存になるという状況が許せない。昔からそうだった。 スマホに限らずとも、我が家では、アイドルであったり、YouTuberであったり、釣

たとえ穴が埋まらなくても

漫画をほとんど読まない私が読み続けていた作品の映画化。そのうち観に行こう〜と思っていたけど、予告を見ていたらこの台詞にハッとした。 人の記憶って、曖昧だね。ちゃんと読んだのに、どうして覚えていなかったんだろう。当時の私はこの台詞にどきっとしなかったのかな。まるで自分に言われているみたいだった。誰かにそう言ってもらいたかったかのような言葉だった。 整くんがぽつぽつと誰かに向けてそこに置く言葉たちは、綺麗事ばかりではなくて、物語として綺麗にまとめるためだけの言葉でもない。私た

劇場版『ミステリと言う勿れ』は、ミステリというよりも感動的なヒューマンドラマでした

『ミステリと言う勿れ』は月9ドラマを観てあまりにも面白かったので、Kindleで全巻(ドラマON AIR当時は10巻まで)思わず大人買いしてしまった私です。 マンガを読んでいたら整くんのセリフが菅田将暉の声でそのまま耳元に聴こえてくるような錯覚を起こすほどで、あの独特のしゃべり方は相当研究され尽くしたものだったんだろうなーと感心しました。 あのしゃべり方に到達するまでに菅田くんの中でどんな葛藤があったんだろう?と本人に聞いてみたくなりました。 劇場版で描かれている【広島

映画『ミステリと言う勿れ』 真実は人の数だけある。

今日は 映画『ミステリと言う勿れ』を観てきました。 菅田将暉さんが演じている久能整くん 好きなんです。 漫画は読んでいないのですが。 それに おかしな話なのですが、 整くんの、人の癖をすぐ真似てしまうところ、わたしも 少しあるんです。 見つけた時、『はっ!いっしょ!』と びっくりしました。 髪の毛を触ってる人を ぼんやり見ていると いつの間にか 自分も触っているし、指で 机をコンコン鳴らしてる人見ていると 音は鳴らさなくても 似たような行動を つい無意識にしてる時が