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映画 記事まとめ

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映画の感想文や、おすすめ映画について書かれた記事をまとめていく公式マガジンです!主にハッシュタグ「#映画」「#映画感想文」が付けられている記事を自動で追加し、紹介していきます。
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2024年6月の記事一覧

矛盾した世の中 / ロバート・デ・ニーロ、ジョディ・フォスター出演『タクシードライバー』(1976)

高一の時、ケーブルテレビの映画専門チャンネルを視聴できた時期があった。せっかくなので映画を一日一本観ようと決めて挑戦した。 三ヶ月弱で挫折したが、それでも60本以上は観賞できた。その中の一本が、ロバート・デ・ニーロの出世作である『タクシードライバー』だ。 キッカケは具鷲逸品集 私はブルート通信というメディアを持っている。その中で具鷲逸品集というコーナーがある。 ブランドに関わらず、思い入れのある品を毎月紹介している。最新号では、タクシードライバー役のロバート・デ・ニー

【忘れられない一期一会】映画『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』感想

最初に「みじめさ」が印象的な映画だと思った。 序盤の手袋を投げる少年もそうだが、1人置いてけぼりをくらった時のアンガスや良い雰囲気になった女性を見送るハナムなど、観てて胸を締め付けられる表情のアップが多い。 「ああ、今の自分とてもみじめだな」と思うことは生きてれば少なからず経験するだろうし自分も経験がある。 だからこうした場面にまずグッときた。 物語は、孤独を抱えた立場の異なる3人が同じ時を過ごす内に互いの抱えてるものに触れ親しくなっていく…という話。 メアリーとの3人

“見られているという恐怖”予想のつかない怒涛の展開!さすがはシャマラン親子「ザ•ウォッチャーズ」現在上映中【ホラー映画を毎日観るナレーター】(568日目)

「ザ•ウォッチャーズ」(2024) イシャナ•ナイト・シャマラン監督 ◆あらすじ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 28歳の孤独なアーティストのミナは、鳥籠に入った鳥を指定の場所へ届けに行く途中で、地図にない不気味な森に迷い込む。スマホやラジオが突然壊れ、車も動かなくなったため助けを求めようと車外に出るが、乗ってきた車が消えてしまう。森の中にこつ然と現れたガラス張りの部屋に避難したミナは、そこにいた60代のマデリンと20代のシアラ、19歳のダニエルと出会う。彼ら

<本と映画>アイミタガイ

故佐々部清監督から 2020年1月にご紹介いただきました。 人と人のちょっとした出会いやすれ違いが 知らず知らずに誰かに影響している、という 心温まるとても素敵なお話でした。 その時に、3年がかりで映画化に向けて 動いていると言われていました。 映画会社によると、「地味」だそうで なかなか難しい、とも。 監督はその年の3月末に急逝されましたので この作品の映画化を見ることは 無いだろうと思っていました。 コロナ禍でこの本をブログでご紹介しました。 ところが 監督の想

【映画】限界ゆえになぜか『首』を見る深夜2時の記録

帰って来るやいなやベッドに倒れ込み、気づけば深夜2時になっていた。 (ああ、今日もnoteを更新できなかった……) ……そうだ。自分がかつてエナジードリンクを飲まないようにしようと決めたのも、こんなふうに突然電源が切れたように限界がくるからだった気がする。 もうエナジードリンクに頼るのはやめねば……いや、在庫がなくなるまでは飲むか。(もったいないし) さて、なにはともあれ早起きしたことで多少の余裕があるので動画でも見ようか。 というか、ただでさえ少ない睡眠時間をさら

🇮🇳【きっと、うまくいく】心はいつだって臆病だ。だから騙してやらないと。

私は毎週のようにインド料理を食べ、インド映画を観て、図書館に行ってはインド関連本を借りているのだが、そこまでインドにハマったきっかけが何だったのかと聞かれれば一つのインド映画を答える。 そう、この『きっと、うまくいく』である。 インド映画の登竜門インドにハマるきっかけとして、私より前の世代だと『ムトゥ 踊るマハラジャ』という映画だという人は多い。1998年の南インド・タミル語映画だ。 日本で最初にインド映画ブームを作ってくれたレジェンド的存在の映画である。内容まで話すと

無駄に悲しくなってしまわないように『PERFECT DAYS』を観る

U-NEXT映画部・林です。唐突ですが、人間って油断すると、どこまででも悲しくなれる生き物です。その気になれば、自分の人生のすべてを、いくらでも悲観し絶望することができる。その悲しみをもって内に向き続ければどんどん危うい精神状態になるし、悲しみの刃がひとたび外に向けばどんどん他罰的になってしまう。悲しくなる方向に突き進むのはいいことではないので、どこかでブレーキをかける必要があります。 例えば僕の場合、ひとりの夕食時、しょーもない番組やら動画やらを眺めてニヤつきながら、白飯

これはまさしく『キラー•ドローン』!良い作品に巡り会えました。「DRONE/ドローン」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(565日目)

「DRONE/ドローン」(2019) ジョーダン•ルビン監督 ◆あらすじ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 新居で幸せな新婚生活を送るレイチェルとクリス。ある日、クリスが1機のドローンを拾ってきたことをきっかけに、自宅で不可解なことが起こり始める。レイチェルはクリスのパソコンに隣人女性を盗撮した画像を発見し、身に覚えのないクリスと険悪な状態に。実はこのドローンには、レイチェルと別れた後に連続殺人鬼へと変貌した元恋人ラムゼーの魂が乗り移っていた。(映画.comより

今秋公開!映画『シサㇺ』の舞台裏:白糠町の人々が語る制作秘話

2024年9月13日に公開される映画『シサㇺ』は、アイヌと和人の歴史を壮大に描いた歴史スペクタクルです。この映画の多くは白糠町で撮影され、町民の皆さんがさまざまな形で関わっています。公開を前に、映画を陰から支えた白糠町の人々にお話を伺いました。町全体が一丸となって作り上げた映画『シサㇺ』の制作秘話や、現場の雰囲気、アイヌ文化にまつわる興味深いエピソードなどをたっぷりとお届けします。 今観るべき映画『シサㇺ』のストーリー江⼾時代前期。北海道の南⻄部に位置する松前藩は、アイヌと

「6月にずれ込んだエンタメ祭り最終回/帰ってきたあぶない刑事」

待ってた! 待ってたよ〜〜! 本当は5月に、エンタメ祭りは完結する予定だったのに、思いがけず肺炎になってしまったので、最後のエンタメは6月になってしまった。 ステロイドパルス療法のおかげで、毎日体調は良く、ようやく『帰ってきたあぶない刑事』を観に行って来た。 ちょうど去年の今頃、EC療法の真っ只中。 どうやって一人暮らしで自宅療養生活を過ごしていこうかと途方に暮れる中、関西ローカル局で『もっとあぶない刑事』の再放送が15時から放送されていて、毎日アイスコーヒーを飲みなが

「幻の光」(1995) 〈映画Vol.3〉

2024年1月1日、 お正月気分を吹き飛ばすように能登半島で最大震度7の大地震が発生したのは皆さんも記憶に新しいかと思います。 そして半年が経ち、この記事を書いている今もまだ石川県輪島市では1000人以上の方が避難所や二次避難先での生活を余儀なくされています。  今から29年前の1995年、奇しくも阪神・淡路大震災が起きたこの年に石川県輪島を舞台にした一作の映画が公開されました。 それが今回ご紹介する「幻の光」です。  この映画を通して、輪島市に少しでも恩返しをしたいとの思

映画「ハケンアニメ!」感想…至るところに本気を感じるお仕事ムービー

本日、雨の中ではありましたが友人と集まり、映画「ハケンアニメ!」鑑賞会を執り行いました。興味はあったけど観る機会がなかった、というメンツです。 この記事の中で買った、と綴ったレンタル落ちDVDです。 私自身も初見で観たかったので、二ヶ月寝かせておきました。 Filmarks感想 公開当時から気になっていたが、ようやく鑑賞。 テレビアニメ制作現場を舞台に、新人監督とカリスマ監督が「覇権」をかけて激突する職業もの。 アニメ「SHIROBAKO」を彷彿とさせるアニメ制作現場

【幸福の在り方を問う】映画『オールド・フォックス 11歳の選択』感想

舞台は1899年から1900年、バブル期の到来を迎えた台湾。 父と2人で暮らす少年のリャオジエは、自分たちの店と家を持つことを夢見てコツコツと節約生活をしていた。 そんなリャオジエの前に"古狐=老獪なキツネ"と呼ばれる地主のシャが現れる。 ひょんなことからリャオジエを気に入ったシャは、この世を生き抜くための方法を教え込む。 その方法は非情なものだったが、権力を持つシャにリャオジエは次第に感化されていき… リャオジエの父親とシャ、2人はあらゆる点で対照的だ。 金銭、生き方

2024年上半期ベスト映画 トップ10

映画館に見に行く本数は減ってしまったけれども、配信などで食らいつくことができたと思う。結論をすぐ出さない、"揺らぎ"のある映画たちを10本。 10位 アメリカン・フィクション 本年のアカデミー賞作品賞ノミネート作。海外の作品を見始めたのはここ数年だけど、“真っ当”なものとして見てきた傑作にもこのコメディが刺そうしている目線があるのでは?と思わせるような毒と説得力があった。戯画化された正しげな配慮の行く末に待つ皮肉と悲哀。お前の視点はどこに?と問われる。 9位 もっと遠く