
おむつサブスクの会社が上場を目指した理由。
BABY JOB株式会社の代表、上野です。
私たちBABY JOBは、2024年12月19日に東京プロマーケットに上場することができました。
上場に至ることができたのは、社員はもちろん、サービスを利用してくださっている保護者さん・保育園さん、自治体の皆さん、投資家の方々、家族など...日頃から応援してくださる皆さまのおかげです。本当にいつもありがとうございます。
上場はあくまでも通過点だと思っているのですが、
今回は一つの節目として、なぜ上場を目指したのか、そして今後どのような会社にしていきたいのか、noteにまとめてみようと思います。
なぜおむつサブスクを始めたのか
私たちBABY JOBは「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」というビジョンの実現に向けて、保育園向けの紙おむつとおしりふきのサブスク「手ぶら登園」、保育園探しポータルサイト「えんさがそっ♪」のような、子育て支援サービスを運営している会社です。
もともと私は起業する前、会社員として大手紙おむつメーカーで10年ほど働いていました。会社員時代の私はあまり成果が出せない時期もあり、来る日も来る日も「何をやっているんだろう」とモヤモヤした気持ちで働いていたことを覚えています。
私の学生時代〜会社員時代に関してはこちらの記事でわかりやすく紹介いただいています。
そんなある日、ベビー用品店にておむつの販売を手伝ってくれたお母さんが活躍する姿を見て「お母さんの力って無限の可能性がありそう。これを事業にしてみたい」と思い、気付けば会社に退職届を出していました。
そこから起業し「世のお母さん達がカッコよく活躍する社会を作る」という想いで、お母さん専門の人材派遣業をしようと思っていたのですが、当時は待機児童問題がとても深刻でした。
「子どもを預けるところもないのに、私たちが働けるわけないやん!」
と、お母さん方からごもっともなご意見をいただきました。そこでまずは保育園を作ろうと、保育事業をスタートしました。

そこで保育園の現場で働いてみて驚いたのが、送り迎えに来られるお母さんたちがとにかくしんどそうだったことです。
どうにか負担を軽減できないかということで、運営していた保育園で始めたのが、紙おむつとおしりふきのサブスク「手ぶら登園」です。

紙おむつに名前を書いて持参しなくて良い、急なおむつの買い物に行かなくて良いなど、保護者のメリットは大きいサービスなのに、始めた当時は全く浸透しませんでした。
サービス開始直後にコロナ禍になってしまったり、保育園さんや保護者さんに良いサービスだと思ってもらえるまで時間がかかったりと大変なことの連続でした。
いまでは、皆さまのおかげで10万人の保護者さんにご利用いただけるほど広がっています。
詳しくはこちらのnoteにまとめていますのでぜひご覧ください。
上場を目指した理由
ここからは私たちがなぜ上場を目指すことにしたのかをお話しします。
上場を決意した最も大きな理由は、「おむつサブスクを安定的に供給するため」です。
おむつサブスクはすでに6,500以上もの保育園に導入いただいており、水道・電気・ガスと同様、社会のインフラになっていると思っています。
仮に明日からおむつサブスクが使えない、という状況になれば、子ども・保護者さん・保育園さんなど数十万人以上に多大な迷惑をかけることになります。
そんなこと起こりうるはずないと思う方もいるかもしれませんが、おむつサブスクを運営している事業者で撤退した企業は少なくとも2社あります。
そのような事態を防ぐためにも、おむつサブスクを安定して供給をする必要があり、そのためには安定した経営基盤を作っていく必要があります。
上場というのは、承認を得るために経営体制を整え、いくつもの厳しいチェックを乗り越え、東京証券取引所からこの会社は大丈夫とお墨付きをもらうことです。
未上場の時よりも事業が傾きにくく、安定した経営基盤を作っていけるということになります。
また、上場するとすべての数字を公開する必要があり、より透明性の高い企業になるためみなさまの安心感にもつながると思います。
他にも上場することで、金融機関や公的な機関からの信頼も厚くなるなどのメリットはいくつかあります。
ですが、やっぱり一番は「これからもおむつサブスクを安定的に供給していきたい」という想いで上場を決意しました。
上場を経験してみて
上場というのはなかなか体験できないことだと思っているので、素直にどのような気持ちになったのかを書いてみようと思います。
上場はあくまでも会社にとって通過点のため、あまり喜びすぎないで、すぐに次の目標に向かって行こうと決めていました。
ですが、上場してから毎日のようにお祝いのメッセージが届いたり、家族からお祝いのサプライズ手紙&ビデオメッセージをもらったりしたことで、やはりとても嬉しい気持ちになり、ほっとしていました。
ただ、良いタイミングで年末年始やお正月もあり、改めてお祝いの言葉を噛み締め、未来のことを考え、気を引き締め直しました。


特に父から「よくやった!」と言われたのは素直にうれしかったです。
父が定年退職した後、私は起業をしたのですが、保育園を作るときにたまに工事の手伝いをしてくれて、起業当時からずっと応援してくれていました。
父には上場セレモニーにも同席してもらいました。昔から応援してくれた父に(ちょっとだけですが)恩返しできたのかなと思いました。
これから会社としてやっていきたい5つのこと
上場した後、会社としてやっていきたいことは大きく5つあります。上場前とやることは変わりませんが、改めて意気込みを伝えさせてください。
①おむつサブスクの導入施設数の拡大
すでに6,500園以上の保育園に導入されていますが、保育園は全国に40,000園あります。ということはおむつサブスクの浸透率はわずか16%ほどです。
ということは約8割の保育園に通う保護者さんはおむつサブスクが使えない状況です。
実際、おむつサブスクを使っていた保護者さんから「転園先でおむつサブスクがないのでとても不便。転園先にも導入してほしいです!」というお声を毎月のようにいただいています。
どの保育園でもおむつサブスクが使える状態を目指し、保護者さん・保育園さん双方の負担軽減につなげたいです。
②おむつサブスク”以外”の商材追加
おむつサブスク以外にも、食事用の紙エプロンや手口ふき、洗濯物や布団などさまざまな登園準備に関わる負担を減らしていきたいと思っています。
おむつサブスクだけで、毎日15分ほどの時間削減はできていると思います。ですが、私たちが目指すのは子育て世帯の毎日1時間の時間削減です。
完全なる手ぶら登園を目指して、おむつサブスク以外の商材も広げていきたいと思っています。
③保活をWebだけで完結できる世界を作る
私たちはおむつサブスクだけではなく、保育園探しポータルサイト「えんさがそっ♪」も運営しています。このサイトでは、自宅や職場近くの保育園を、地図上で簡単に見つけることができます。
これまで、複雑かつアナログな保活をDXすることで保護者さん・保育園さん、双方の負担を軽減してきましたが、それでもまだまだアナログな部分が残っています。
将来的には保活をWebだけで完結できる世界を作っていきたいと考えています。そのために自治体との連携を図っていきたいと思います。
④園内で発生する「現金の支払い」の負担軽減
教材費、遠足の費用、一時保育の費用など、園内で発生する「現金の支払い」ってありますよね。
保護者さんも現金の用意が大変ですし、保育園さんも集金作業やおつりの準備が大変です。
この負担を軽減するために2024年9月から、保育園で使えるキャッシュレス決済サービス「誰でも決済」を始めました。
このサービスを通じて、園内での「現金の支払い」をなくし、保護者と保育園の双方の手間を減らしたいと考えています。
さらに、保育園を子ども食堂などとして活用する「多機能化」の動きが広がる中で、このサービスがその支援にもつながると期待しています。
2026年に始まる異次元の少子化対策の一つ「こども誰でも通園制度」も見据え、利用可能な保育園をさらに増やし、子育てを支える仕組みを強化していきたいと思っています。
⑤保育園向けサポートビジネスの開始
①~④は主に保護者さん向けのサービスでしたが、今後は保育園さん向けのサービスも開始していきます。
私たちは保育園を通して子育て世帯の負担を軽減したいと思っています。負担軽減のために、上記のような保護者さん向けのサービスで解決できるところもあれば、解決できないものもあります。
保育園側をサポートすることで、保護者さん・保育園さんの負担軽減ができる領域もあると気付いたため、私たちができることは何でも取り組もうと考えています。
「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」を目指して
上場は、あくまでも通過点です。
我々は変わらず、ビジョンである「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」を実現するために活動していきます。
私たちが提供しているおむつサブスクは、すでに子育て世帯のインフラの一部となっております。ですが、上記に記載した通りやりたいことがたくさんあります。だからこそ、一緒に走り続けてくれる仲間が必要です。
もしこの記事を読んでくれているあなたが、「子育て支援」という社会的意義の高い分野で、自分自身も成長しながら社会に貢献したいと思ってくれているなら、ぜひ私たちと一緒に未来を創りましょう!
・保育園向けの紙おむつとおしりふきのサブスク「手ぶら登園」
・保育園探しポータルサイト「えんさがそっ♪」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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