never young beach

家々に明かりがともる大禍時に退社をしていつもと同じ京浜東北線(磯子行)の揺れの中にLee_codyさんがライブ配信を開始しました。リアルタイムで視聴しよう！の文面の通知が飛び込んできた 満員電車の揺れの中、その通知から目が離せなくなっていた 彼は「私がかつて誰よりも好きになってしまった」その人だった。-- “尾崎 春樹” -- 久しぶりに思い出した言葉の響きはとても甘く磯の香がした 

＊＊＊

満員電車はいつもと同じ時間に桜木町に滑り込み ドアが開き殺伐とした雰囲気の中吐き出され 私は電車から降りれずにその流れをかわしながら 彼が歌っている歌に聞き入った 少しだけ甲高く その癖似合わない声に似合わない曲調の『never young beach』を聴きながら ドアが閉まり少しだけ減った乗客を乗せ 京浜東北線は石川町に向かう ---「私がかつて誰よりも好きになってしまった存在」だった彼との出会いは17歳の夏の夜 8月半ばに当たる頃によく通っていた 石川町駅から 徒歩9分 インディーズが好きなファンの巷では老舗と呼ばれ スタンディングで390人ほど入る横浜FADと呼ばれるライブハウスのQ.A.としてライブをしたバンドのボーカルが彼だった 

＊＊＊

オオバコのQ.A.としてライブをしていた彼は『戦争がどうだ 選挙はどうだ 政治はどうだ そんなこと俺にはちょっとわからない だらしない大人ですけど 今日ここに立ってロックバンドができること』なんて当時は誰も聞かなかった 熱く語りすぎて曲より語りが長くなってしまう癖もあの頃と変わってないのかな なんて思いながら磯の匂いががする浜辺によくふたりで足を運んだことを思い出した 

＊＊＊

Instagramのライブ配信が終わり 彼のバンドの公式ページをクリックした -4th full album- なんてドカドカと宣伝されてるトップページをスクロールして 唯一 売り切れていなかった 2020.03.17 [Tue] 【サバイブホームランツアー】横浜FAD の前売りチケットを先行予約した