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なぜ書く気にならないのか

めちゃいい小説を書ける自信がある。書ける気がする。でも書く気にならない。なぜなのか。

このどうでもいいことは140文字のツイートでは説明不可能なので、ほとんどの人間が興味ないと思うが、あえて書いてみる。

まず、文章の書き方が全然違うんです!!

文章の書き方イメージ(非小説の場合)

結婚式の打ち合わせで妻のドレスを選んだ時の話なんですが。
なんだろうな。僕の場合はすごく面白かったです。ドレスによって印象が全然違うわけですね。例えば、キラキラしていたりとかするものもあれば、レースがひらひらして可愛いやつもあるわけです。「さっきのドレスはプリンセス!って感じだけど、こっちはクイーンだな」みたいに、着替えるたびにコメントしてたらすぐに決まりました。
ドレスってこだわりある人は何日もかけて調べて選んで、式場に持ち込む人も珍しくないじゃないですか。元々僕らはそこまでのこだわりはなかったし、身の丈に合ったことができればよかったので一日で決めましたね。

文章の書き方イメージ(小説の場合)

結婚式の打ち合わせで妻のドレスを選ぶ段の出来事である。
花嫁にとってウェディングドレスといえば、挙式の構成物の中でも殊更に重要なアイテムである。衣装室には豊富なヴァリエーションのドレスがあり、それを試着して選択をする作業がある。
いかにも可愛らしいレースで花の装飾などが施されたものは、さながらプリンセスが纏うドレスだ。そして上品な厚手の絹に宝石を縫い込まれたドレスは荘厳な空気を漂わせるものであり、豪奢なティアラを身につけるとクイーンの気品を感じさせてくれる。
この違いは式の格調を決するほどの違いであるのは明らかだ。

小説の文章は疲れる

たとえばビジネス書とかエッセイは、細部はどうでもいいわけです。ビジネススキルのノウハウを書くときに、上司の服とか性格を細かく描写しないじゃないですか。
でも小説なら、それを書かないとイメージが伝わらないし、書かないとダメなんです。だから、延々と描写が続くんです。

大御所の小説とかだと、具体的には島田荘司のミステリなんかだと屋敷の描写だけで2ページくらいかかるわけです。主人公が登場するまでに本が半分終わってたりします。延々と描写するんですよ。

この違いを知ってると、小説って書くの大変だなぁってなるわけです。しかも、面白いストーリーを考えて組み立てて仕上げなきゃいけない。
破綻しないように創作するのって大変だし、最後まで書ききるのって大変なんです。
さっきの例文は適当にさらっと書いたわけですが、小説風に書くとテキスト量も増えるわけです。ちゃんと書かないと、読み手がイメージできずに混乱しますから。

島田荘司だったら、そのドレスが何時代のどの宮殿で誰がどういうシーンで着ていたもので、さらにその時代の貴族のことについて延々と描写してって感じに書くと思います。もうイメージが伝わるんだかわからないですが、筆力がパネェすよ。くどいとも言うけど。

前はどんなの書いてたか

ちなみに、学生時代に書いてたのは会話とか少なくて、いわゆる「地の文」が多い小説を書いてました。傑作を仕上げて応募して、どうにもならなかったので諦めました。恋愛もの書いて応募してました。もう絶対書かないです。いや、ほんと創作って労力がすごいの。

新作書きたいなら、こんなもの書いてないで真剣に原稿書けよって話ですよね。僕もそう思います。

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