最近スゴイ極まったファンジンを読んだから皆も読まなければならない。

やあ、よく来たね。
このサルーンはいつも通りさ。
ホットなベイブもいないし、便利な情報屋もいない。
代わりと言っちゃなんだけど、表通りの喧騒とも縁がない。まあ、あるのはCoronaとバーボン。あとはちょっとした料理。
それでも俺が食っていく位は客が来る。俺の話を聞きたいなんてやつもいる。
世の中は変わり者が多いと思うよ。

料理かい?
ああ、今日の料理はいくつかあるよ。そでんも作ったけど揚げ物があるよ。
アジフライっていうフィッシュアンドチップス。あとはチャーハンが作れるよ。
珍しいって。そうだね。少し面白い本を読んで影響されたんだ。

どんな本かって?
今日読んでいた本はファンジンさ。
世の中にはファンジンは沢山あるけど、すべてのファンジンは素晴らしいさ。あんたもパルプスリンガーの一人だったら分かるだろ?
全てのファンジンには作品への愛が溢れている。どんな形で表現されているかはさておき、ファンジンの基本は愛さ。今回、入手したのはRAW=サンって方の作品だ。


加賀の物語。赤城不在の泊地での、たったひとりの長い道のりも、
提督たちとの出会いによって変わり始める。
静かに赤城を捜し続ける加賀を待つのは、おしまいの絶望か、希望の物語か


この本は3冊目だったかな?ほかの本は手に入らなかった。
ファンジンは目の前を流れる川のようなものだから仕方ない。
この本だけでは語られていない部分の基礎知識だけ話すと

瀬戸川=サン
提督。しかし彼は前任の提督の伴侶であり、前任の提督は既に鬼籍に入っている。折れてしまった彼の心を前に向かせたのは艦娘であるが、彼もまた自分の所作と存在に悩んでいる。

加賀
艦娘。口から出る言葉は少ないが、それは胸の内を言葉が少ないことを意味するわけではない。
常時黒のインナーを着用している。

金剛
秘書艦。今作においてはさほど重要な出番はないけど、鎮守府における要石。

提督が前任提督の伴侶であること。まだまだ艦娘と万全の関係ではないことを知っておけば楽しめる。
本作品において、素晴らしい演出がいくつかある。
ゲームにおいて加賀というキャラクタが言に訥であること。


この設定を生かし切り、なおかつ話を一気に加速させるシーンを1コマで描き切った。これは本当に勇気のある1コマだと思ったし、読者の想像力を最大限に信用したスゴイ=ワザマエだったね。

もちろん、話が加速した後も素晴らしかった。
目的と葛藤を2ページで描き切り、すべてをひっくり返して素晴らしい結末があったのさ。
もちろんこの話はハッピーエンドさ。
このMEXICOだってハッピーは話はいくつかあるけど、素敵なことはいくつあったっていいだろ?
あんただって落ち着くサルーンがいくつあってもこまらないだろ?

よし、チャーハンもアジフライも上手にできた。
Coronaで英気を養ったら行くんだろ。

その前にCoronaをもう一本どうだい?
MexicoじゃCoronaはうまいものさ。
ここは何もないからね。
ベイブもなければ情報もない。だけど喧騒もないショボくれたサルーンだ。
よかったらまた来てくれよ

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