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2025大阪関西万博日本館基本構想発表

この数ヶ月、進化思考の執筆と並行しながら、日本館基本構想クリエイターとして仲間と探求してきた2025大阪関西万博日本館の基本構想がついに発表されました。
(経済産業省「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)日本館のミッションやコンセプトといった基本的な方針(基本構想)を策定しました。」)

テーマは「いのちと、いのちの、あいだに」
文章は文章下部の添付画像をご覧ください。

大きな注目を浴びる国家プロジェクトだけに、この行政ワードからかけ離れた文章を纏め上げるのも、官僚のみなさんは特に大変な気遣いが必要なプロセスだったと思います。

僕もデザイナーだし、基本構想クリエイターはアーティストやエンジニア、建築家、編集者、キュレーターなどの集まり。
僕も含めてわがままで言いたいことばかりな人たちですが笑、不思議なほどにみんなのビジョンは一致した素晴らしいチームでした。
会議の場ではもっと具体的なことがたくさん話されていました。けれども現段階で示せる問いかけとして、これから万博に関わるたくさんの人たちのコンパスとなる基本構想がまとめられました。
子供たちの世代に文明をつなげるのかどうか、その瀬戸際に立たされている私たちが、どうやって万博チルドレンに希望ある未来を見せるのか。
こんな時代だからこそ、大人たちが子供達のために頑張らなければいかんですよね。

『進化思考』から、この基本構想と志を共にする箇所を少し引用します。
子供達のために創造的な未来を。

【以下「進化思考(太刀川英輔著)」より抜粋】
“すべてのものは繋がっている。人の営みに関係ないものは、もはや地球には存在しない。その意味で、私たちは人間中心の世界を達成したのかもしれない。たしかに人は、創造によって周辺の生態系を劇的に変えられるようになった。だが、テクノロジーが発展した現在でも、生態系との因果関係の把握や、持続可能な共生は苦手なままだ。理解がとどかない無知をいいことに、人の活動は自然とは無関係だという幻想のなかで生きながら、人は数世紀にわたって生態系を搾取しつづけてきた。(中略)
こうして人間中心の世界を作り上げていった結果、数億年かけて築かれてきた生物の生態系と、人間社会の生態系とのあいだには強烈な断絶が生まれてしまった。
 そして悲劇が起こった。私たちが自覚的か無自覚的かはともかく、現在の地球は二・五億年前のペルム紀に起こった寒冷化や、“白亜紀の巨大隕石の襲来に匹敵する、地球史上で六回目の大量絶滅時代を経験している。最も控えめに試算しても、人類登場以前と現在を比較すると、絶滅率は最低でも一〇〇倍高く、この数値は今後一〇〇〇倍以上にまで増大すると予測されている。現在を象徴するのは、未来の世代が今後も生存可能かどうかを予測できないほどの生態系サービスの喪失や汚染、さらには毎年のように歴史的災害を生み出している気候変動だ。”

 ”今こそ人間中心の観念を卒業して、生物の生態系から学ぼう。
 私たち自身の創造性を進化させよう。
 自然のバランスを取り戻すための創造を、私たちで始めよう。”

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NOSIGNER代表 / 太刀川英輔

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