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ラスボス感溢れ出る「ティール組織」とかいうバズワードについて語ってみる

日本中のイケてるビジネスマン&ビジネスウーマンが、「ティール組織」なる謎ワードに熱狂しまくっている(と勝手に感じている)今日この頃です。

初めに断っておきますが、私は決して否定論者ではなく、今現在における企業組織の究極的な進化形態として限りない可能性を感じております。と同時に、一過性のブームで終わりゃしないか、使用方法を誤って自爆する組織が多発しやしないか(もう既に多発しまくっている気がしないでもない)という危惧も感じております。

危惧する理由は主に三つありまして、まず一つ目に「あの書籍一冊を読むだけではとてもじゃないけど全貌を理解できない」。つまり筆者が唱える理論の根底にある本質を掴むのはかなり難しい。じゃあその本質なるものを掴むにはどうすればいいかというと、今のところ私なりの稚拙な理解ですが、「源流を辿るしかないな」と。例えば明らかにティールの元ネタになっているものの一つはケン・ウィルバーの「インテグラル理論」です。

そのインテグラル理論は、更に元ネタとしてクレア・グレイプスのスパイラル・ダイナミクスとかカート・フィッシャーとかロバート・キーガンとか、要は「いい歳した大人がどうやって心の器や能力を成長させていくのか」を考察した現在進行形の発達心理学を多く引用しており、更にその源流としてピアジェとかボールドウィンまで遡らないとたぶん本質の砂浜の砂一粒すら摘むことができない。この辺りは加藤洋平氏という素晴らしい研究者&実践者が我々の同世代に運良くいらっしゃるので、とりあえずはこの御方の書籍やら教材やらをインプットしまくればいいかと思うのですが、何しろ膨大な量なので結構な時間と労力を要します。

これら膨大なものをインプットしまくって、かつ実践しまくって、それから満を持してようやくティール、という流れが自然だと思うんです。これは非常に大変なことです。

二つ目に、上記の一つ目にも関連することなんですが、そもそも組織のトップ(経営者)が卓越した器でないと無理だよね、という身も蓋もない話です。これは私が先に書いた「自己肯定感をぶち壊せ」で本音として伝えたかったことなのですが、

世の経営者は「自己肯定感の強化」というちっぽけな意識状態から脱皮し、「仏(ほとけ)」を目指す必要があると私は思うんです。

最近私は事あるごとに「経営者は仏を目指すべきなんですよ!」と力説しております。ほぼ99%の人たちは腹を抱えて爆笑するか、あるいは「なんかヤベーよコイツ」みたいな目で私を見るんですが、要するに「卓越した器を目指しましょうよ」と言いたいわけです。つい先日「その域に達していないあなたが言っても説得力ありません」と切り返されてグウの音も出なかったこともあるんですが、とにかく経営者の卓越した器なしにティール化を推し進めたところで自爆するだけだと思うんです。

「じゃあ経営者自身も、ティール化を目指すプロセスの中で、皆と一緒に成長していけばいいじゃない」とお思いの経営者さんもいらっしゃると思いますが、それは一つの現実的な選択肢だとは思いますし、そもそもそういう思考を持っている時点で、それなりに熟成された器のレベルに達しているのだろうと思います。

最後三つ目ですが、卓越した(あるいは卓越しつつある)経営者のもと、会社組織のエンゲージメントが極めて高い状態にある必要性が前提としてある、と思うのです。従業員エンゲージメントの低い組織が「ティール組織化に挑む」なんて骨董無形にも程があります。物事には順序というものがあります。まずは自社内のエンゲージメント調査を実施し、低い結果であればそこを改善してから、でしょう。米国ギャラップ社が定期的に行っている調査で、エンゲージメント率の高い日本人従業員はわずか6%です。この問題を先に解決しなければなりません。

ともかく、猫も杓子も「ティール組織!ティール組織!」と連呼する現状は、「そういう時代の流れなんだなぁ、健全だなぁ」と心地よく感じる一方で、「そんな甘いもんじゃなかろうなぁ、不退転の決意を持って臨む気がこの人らにはあるんだろうか」という老婆心的な危惧も同時にあるわけです。

でも、かく言う私も経営者の端くれとしてティールなるものを目指したいし、目指す経営者を支援したいと心から思っている次第です。

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非上場企業のマネジメントをお手伝いする社外パートナーCFO、たまにコーチング、極まれに税理士。専門分野はアカウンティングとファイナンス、アンチMBA的なアプローチの組織論&人材育成(ストレングスファインダーとか発達心理学とかインテグラル理論とか)。投稿記事は中二病炸裂してます。

コメント5件

そうそう、じつはなんちゃってMBAホルダーだったりします。私は結局、学問を究めるのが好きなようで、自分の学んだことに腹落ちしたら、それを否定するものに興味を持ち追求する、ということの繰り返しを人生かけてずっとやってるんだな、と最近気が付きました。めんどくさい。。
誰かと思いきやH澤さん(ですよね?)
我々(私含む)が今真っ先にやるべきことって、大きく二つあると思うんです。
まずインテグラルの四象限モデルをマネジメントに落とし込むこと、そしてグリーンの価値観(私の周りにいる人たちの多くはグリーンないしグリーン寄りのオレンジだと思います、私自身は…わからん(;^_^A)に違和感を感じることだと思うんです。

私は正直、昨今のダイバーシティ崇拝一辺倒な空気に違和感満載だったのですが、インテグラル理論を何度も読み返してようやく腹に落ちました。ヒエラルキーは在って然るべきで、要はその在り方が健全か否かが問題なんですよね。でもこんなこと大声で言っちゃうと叩かれるんだろうなぁ(;^_^A
ちなみにストレングスファインダーは、四象限の左上(自己理解)と左下(他者理解)を高めるために役立つツールの一つである、というのが今の私の見解です。

ツールの一つに過ぎないとはいえ、旅費含めて百万円超支払った価値はあると思ってます。
H澤です(笑)
私の今の主な関心は、WEBの発達・東洋の興隆による断絶の意味を理解しつつ、これからの人・組織・社会がどう進んでいくか(進めていくか)というところです。

ある程度、見通しがついたら、どこかを深堀りしていくのかと思いますが、なにせ、目標志向も規律性も低いので、気持ちの赴くがままです(^^;
私のアンカーは、たぶん親密性くらいしかなく、親しい人が進みたいところに進むことをサポートする、ということでようやく、どこかに留まるのかな、と感じています。

ダイバーシティ関連では、ダイバーシティが高まることは経済的にはメリットがあると思いますが、社会的には軋轢が高まざるを得ないので、どこかでバランスをとらないと仕方ないんだろうな、と私は考えています。存在理由を共有できている組織内で多様性が高まるのは問題ないと思っていますが、存在理由を共有できない組織(社会かな?)では、なかなか悩ましいなと思っています。このレベル感では、まだまだインテグラル理論を理解できていないと思っています。(ざっと斜め読みしたぐらいです。。)
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