それを仕事と呼ぶだけで

お疲れ様です。

「コロナの影響で仕事のほうはどうなりましたか？」って4月の最初のほうにTwitterで聞いたときは２割ほどが厳しそうな状況でしたが、きっと今はもう少し悪化してたりするのかなと推測できます。みんなで踏ん張りたいですね。いやほんと。

僕はこの過渡期にたまたま？縁あって新規の仕事を3件やりました。今回はその中で出会った1人の方と1件の取引先の話しをします。読んでくれた皆さんにも参考になると嬉しいです。

長くお付き合いしている会社の仕事って、良くも悪くも仲良くなりすぎてたりしませんか？
また、仕事の質の部分でOKラインが把握できちゃっていることがお互いにあるじゃないですか？
例をあげれば、挨拶が「どもー」とか「おつかれっすー」とかだったり「まぁこれくらいで大丈夫しょ」ってOKライン越えたら仕事を終わりにしたり。これにはこれで良い面もあるけど、新規の仕事でこのノリが出ちゃうと場面によっては空気読めないヤツになりかねません。

新規の仕事をするときは、やはり初対面ですし緊張感もあれば手探りの環境をどうにかコントロールし、その上で仕事の質やスピードを見せなければなりません。
本当に出し切ったか？ベターじゃなくベストを尽くしたか？相手のリアクションはどうか？
そうした手応えに対する結果を両方見ることで、自分の現在地や実力を知れる機会にもなります。

先日、とある1人の営業さんにお会いしました。その方は仕事とは無関係な出会いで、多趣味でセンス溢れる語彙力があり頭の回転が早いのに、たまにおふざけが過ぎて少し隙がある。そんな魅力的な方で友人になるには最高の方でした。ひょんな事からその方から仕事を依頼されることになりました。

フランクにお付き合いしていた背景があったのですが、仕事となったときは話の進め方に細かな気配りが伺えて見送る相手が見えなくなるまで頭を下げ見送る姿に驚きました。そこまでが「当たり前」なんだなと。

僕たち職人はモノづくりにおける実力社会な側面もあるため、技術や経験を得ることに重きを置きがちです。
故に対人関係の構築だったり営業という概念が、もしかしたら他の業界より希薄なのかもしれません。ぶっちゃけ職人の営業上手さんみたいな人は周りにいますが、営業で食う集団で生きてきた営業さんはやっぱり違うなと体感しました。初対面が多い営業さんの振る舞いから学べることはとても意義のあるものだったと思います。

そんな出会いがあってから、新規の仕事が来ました。中規模な工事が多い会社からの仕事でした。事前に交渉して値段を上げてもらったので悪くない条件。
肝心の仕事はまぁ上々、だけど僕らは身だしなみの他、最初の挨拶から帰りの挨拶、現場の清掃だったり荷運びや材料の移動、KY用紙の記入なども「肝心の仕事以外の細かな部分」も意識してやりました。もちろん今までもやってたけど、その意識レベルをあげました。先方はエラく喜んでくれていたので甲斐があったなと思います。

コロナウィルスの影響で目まぐるしく変化する日々に僕も頭を悩ませてました。1人だったらどうにでもなるけど見習いくんもいますからね。
1カ月半くらい先までの仕事はあるけど見通しが悪そうなので、人付き合いが苦手なりにアンテナを張りつつお付き合いのある取引先に様子伺いの連絡を。その中で1番反応が良かったのが先ほど書いた、細かな部分も意識レベルを上げて仕事をした会社でした。

「ウチ、仕事は今後もありそうです。現場も対策しながらですがどこかしら動かします。元いた大工さんたちもいるんだけど、普通さん(僕)さえよければその方たちにごめんなさいしてでもガッツリ仕事投げます。ウチは普通さんと仕事やりたいな」

実際、このやり取りに何の保証もないけどホッとしました。見通し悪い中でこんなに言ってくれるお客さんがいるのは素直に嬉しい。

仕事という表現しかできないから、その言葉しか僕らは持ち合わせていないから言うだけで、その中身は千差万別であり自分自身でいくらでも良いものに昇華できる。ただ皆、それを仕事と言うだけで。
人それぞれだけじゃなく自分自身でも仕事は別物になるわけだ。

営業さんに出会っていなくても、意識レベルを上げて仕事に臨まなくてもこの場面に出会えたかもしれないけど、「営業さんに出会って学び、意識レベルを上げて仕事に臨めた」この過程は紛れもなく僕の成長の成果。もしも今この瞬間に結果がついてこなかったとしても、自身の成長という成果は確かにあった。

コロナウィルスで大変になった今だからこそ、僕らがやるべきことは足元にある日々の仕事だったり新規の顧客へのアピールであったり、それぞれの「現場」で襟を正し、意識を高く保ち仕事をすることだと再認識しました。後悔のないベストを。

以上、今日もご安全に！