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戦争映画でカタルシスは絶対に描かない。

大林亘彦さんのこの言葉を聞いて、
戦争映画なるものの怖さとはこれかと思った
(先月の『BS1スペシャル 映画で未来を変えようよ
~大林宣彦から4人の監督へのメッセージ』)。

大林さんが、その対極に置いたのは、
“やむにやまれぬ気持ち”を原点につくる戦争映画だ。
「精神の浄化作用」と言い換えられる
このカタルシスを念頭に置いた映画と、
やむにやまれぬ思いのある作品との
具体的な線引きは語られなかったが、
それについての意見は、個人個人で異なるのが当然だ。

それでも私は思う。
たとえば平和の式典で「平和は大切」と訴えるのと同じ人間が、
世界の、中国の、そして日本の理不尽な現実に目を向けないとしたら、
私は大林さんの憂えるカタルシスのみの映画に、
似た恐ろしさをそこに感じると。


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