川中紀行/コピーライター

広告の文章を書く仕事をしています。仕事も趣味も書くことですが、Jリーグは3チーム(清水…

川中紀行/コピーライター

広告の文章を書く仕事をしています。仕事も趣味も書くことですが、Jリーグは3チーム(清水エスパルス・ガンバ大阪・湘南ベルマーレ)を応援し、いずれのチームでもゴール裏に立ちます。 仕事の強みと実績はWEBサイトで→https://kawanaka-copywriter.com/

マガジン

  • ソウ感ジタ。

    生活しながら感じたこと、考えたこと、体験したこと、について書きます。

  • いいコトバ

    あらゆるメディアで(インターネットを除く)、巷の会話で、私が「いいな」と思ったコトバについて書きます。

  • noteコメントの善と悪

    noteのコメントから得られるポジティブな力と、 一方でマナー違犯とも言えるネガティブな コメントの側面について、 シリーズ化して語っていきます。

  • テレビドラマの社会学

    テレビドラマの台詞をもとに、社会に表れている変化を,公開データと結び付けた独断と、私の関心が導く勝手な推論で考察します。

  • 再現批評

    古今の映画を中心に、対象となる作品のトーンや雰囲気を 「再現」するようなリズムの文体で、あるいはその他の 手法でトライします。 映画をよく観ていたころ「キネマ旬報」の「読書 の映画評」で 年間掲載回数1位(自主統計)に。

最近の記事

まぐろが美味しい町は、徒歩3分圏内に本屋が2軒もある町だった。

日本有数のまぐろ水揚げ港として知られる 神奈川県三浦市の三浦三崎港。 北原白秋の詩で知られる城ヶ島で 荒波から守られるなど、 大自然が相模湾をデザインした 理想的な漁港だ 京浜急行の 「みさき まぐろきっぷ」でさらに人気が増した まぐろ料理で知られるこの町に、 潮風で錆びたラックが店構えに味わいを与える「三崎堂書店」 と、 《人間だもの 話し

    • 思い出すことによって、相手を殺さずにいられる。

      ■余命5年のラッパーの言葉医師から「何にもしなかったら、 あと5年で亡くなりますよ」と 余命5年の宣告を受けて、いま6年、 日本のフリースタイルバトル、MCバトルの世界を切り拓き、 いま国立民族学博物館の人類文明誌研究部・特別客員教員 (特別客員教授)としても活動する ラッパーのダースレイダーさんが 言った言葉だ (先々週の『MOTIVE!!』)。 ■曖昧な生と死の境界線ダースレイダーさんは、 15歳のときに母を、 24歳で久米宏さんのニュースステーションで コメンテーター

      • 0歳からが第1幕。その後は25歳から、50歳から、75歳から、と四半世紀ごとに区切りをつけて、「人生4幕」と考えているの。

        そう言ったのは、80歳になられた 加藤登紀子さんだ (先日の『読売新聞』朝刊)。 「春夏秋冬とも重なるの」と言いながら、 「人生は秋(50歳からの第3幕) からがいいのよ」と、 “お登紀さん”は言う。 そして、 「冬(75歳からの第4幕)は木々が立ち枯れて 見晴らしがいいのよ。 自分の歩みがクリアに見えてくる」とも。 そんな風に達観できる 「人生の冬」には 実績的にも年齢的にも遠い私だが、 だから まだまだ「夏」の夢を捨てたくない。

        • ちょっとのズレなら、ぐっとこらえて寛容になりましょう♪ 大目にみましょ♪

          クドカン、ありがとう!それこそ、この令和の時代に訴えたい メッセージだ!              * 「片っぽがアップデートできてないとしても、 もう片っぽが寛容になれば、 まだまだつきあえるでしょう」。 この「寛容になりましょう」を歌い出す前に、 サカエ(吉田羊)が、こう言っていた (『不適切にもほどがある!』最終回)。 これは、 私が言いたかったことと、同じじゃないか! ちょっとのズレなら、ぐっとこらえて寛容になりましょう♪ 大目にみましょ♪ 特にSNSはそ

        まぐろが美味しい町は、徒歩3分圏内に本屋が2軒もある町だった。

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        • 古今亭志ん朝の口調で読む名作文学
          6本

        記事

          いまは思う。誰かの幸せを願うとき、私もまた幸せなんだということを。

          朝陽が昇るのを見るのが 趣味だと言う 千崎(岡山天音)の横顔を見ながら、 ともに朝陽が昇る水平線を、 見たカナコ(宮﨑あおい)は、 帰りの車中で、 もう一度、 彼の横顔を見ながら、 そう心のなかで呟いていた (【夜ドラ】ユーミンストーリーズ 「春よ、来い」第4話)。 私はnoteで、 「幸せだと思ったときが幸せ」 と書いてきた。 であるなら、 誰かの幸せを願おうと、 自分だけの幸せを見つけようと、 何に幸せを感じようと、 関係ない。 ただ、 自分ではない誰かの 幸せを願

          いまは思う。誰かの幸せを願うとき、私もまた幸せなんだということを。

          20代の73%が「仕事における将来の夢やビジョンはない」。

          ■仕事に夢は必要ない?株式会社スタジオテイルによる 20代~50代の社会人男女対象の 「仕事における将来の夢やビジョン」 アンケートの回答だ (今週の『ARROWS』)。 回答者全体でも 60%が「ない」と回答した。 男女全体では、 男性の61%、女性の66%が「ない」と回答した。 ■夢はいらない、今のままでいい?株式会社スタジオテイルの アンケートページを見ると 2017年時点では53%だった 「ない」が、 23年に一気に76%に上がっている。 しかもその背景をみると、

          20代の73%が「仕事における将来の夢やビジョンはない」。

          ダメな自分にやさしくなる。

          ■ryuchellのやさしさryuchell(りゅうちぇる)さんの著書 「こんな世の中で生きていくしかないなら」 の中の 「自分にやさしくなることから始めてみる」 という言葉を、 簡潔に冒頭のようにまとめたのは、 生前、彼と対談した平野啓一郎さんだ (先日の『スイッチインタビュー peco×平野啓一郎」EP1』) とも、ryuchellさんは述べている。 ■「自分」を励ます「ダメな自分」を感じることは、 誰にだってある。 でもそんなとき、 受け入れて、 その「自分」を励ま

          ダメな自分にやさしくなる。

          仏教では、自分への執着を「我執(がしゅう)」と呼ぶらしいが、話はそれで終わらない。

          ■よくないことだとは分かるが「仏教では、自分への執着を 『我執(がしゅう)』」と呼ぶ」 と、先日の「日本経済新聞」朝刊/春秋。 「我執」とは、 江藤智昭さんが、 著書「お寺の掲示板 諸法無我」で 紹介した言葉だそうだ。 「執着」とは、 その事ばかり心に思い、 忘れられないこと (『新明解国語辞典』〈第三版〉)。 よくないことであるとは分かるが、 この話はそれでは終わらないのだ。 ■「我」か「他」か本来の「自分」を貫く生き方を基本に置く 中国の「陰陽五行」思想を持ち出す

          仏教では、自分への執着を「我執(がしゅう)」と呼ぶらしいが、話はそれで終わらない。

          とりとめのない愚痴は、相手をゴミ箱にしているのと一緒。

          ■愚痴は大嫌いこれは、 相手の愚痴に悩む相談者に 美村里江さんが紹介した言葉だ (先日の『日本経済新聞』朝刊/なやみのとびら)。 よくぞ言ってくれた。 *私は新卒入社した花王(当時、花王石鹸)の 社員食堂で愚痴を聞くのが大嫌いだった。 「そんなに嫌ならなぜ辞めないんだろう」 恐らくそれが私の社会人初日の感想だ。 私はこの会社を2.5年勤務で辞めた。 東京・五反田に夫婦で

          とりとめのない愚痴は、相手をゴミ箱にしているのと一緒。

          あらゆる悩みや失望が、所詮は取るに足らないものだと思わせてしまう、ある一人の男の清廉な日々、映画「PERFECT DAYS」。

          ■愛おしき「平山」の日々住処がある朽ちかけたアパートを出るとき 平山は、常に変わることなく空を見上げて そして、微笑む。出勤時に例外なく微笑む ことができる者が果たして現世に存在する のだろうか。道端を掃く箒の音で目覚めて 身を起こし布団をたたみ、苗木に霧を吹き 日々清掃する現場である公共トイレの鍵を The TokyoToiletと書かれたユニフォームの ポケットに一つひとつ掴み押し込んでゆく 車を出す前に必ず缶コーヒーをひと口飲み 走り出せば気分に合わせカセットテープを

          あらゆる悩みや失望が、所詮は取るに足らないものだと思わせてしまう、ある一人の男の清廉な日々、映画「PERFECT DAYS」。

          「おばさん構文」「おじさん構文」というエイジハラスメント。

          ■エイジハラスメントの軽視 先日の「堀潤モーニングFLAG」で、 いわゆる「おばさん構文」「おじさん構文」の 特長を取り上げていたが、 総じて“おじさん・おばさん”世代の LINEの書き方の癖を茶化すような内容だった。 「若い世代は、そんな書き方しないよ」的に 同じレベルでコミュニケーションしたかったら直せ と言わんばかりの10代の声を興味本位で 取り上げていた印象があった。          *もちろん出席者にそのような発言はなかったが

          「おばさん構文」「おじさん構文」というエイジハラスメント。

          「(私)なんて」? 気が向いたら、その言葉「なんて」を辞書で引いてみてください。

          ■「なんて」の考察 “柔軟性”を評価していた 岸辺みどり(池田エライザ)から 「そんなっ、私なんて全然」と、 自らを否定する言葉が返ってきたとき、 松本先生(柴田恭兵)は、 冒頭の言葉を投げかけたのです (『舟を編む 〜私、辞書つくります~』第1回)。       *「新明解国語辞典」(第三版)によれば、 「なんて」は、 「その真偽について意外に思う気持ちを表わす」 とある。 「意外」は「以前に考えていたことと実際が ひどく違う様子」(同辞典)とある

          「(私)なんて」? 気が向いたら、その言葉「なんて」を辞書で引いてみてください。

          ちゃんとしたレズビアンじゃないのかなって。レズビアンって名乗っていいのかなって思ってた。

          ■女性なのに女性が好きという自分自身に戸惑う 野本さん(比嘉愛未)は、 同僚に「レズビアンの私が」と、 あっけらかんと言うのに、 SNSで知り合ったyako(ともさかりえ)には、 レズビアンとしての 自分が抱える冒頭のような 悩みを打ち明けてしまう (先週の『作りたい女と食べたい女』)。 野本さんは、性別を抜きにして 恋愛に対して慎重で、しかも 性的欲求に欠ける。 冒頭の言葉は、 それを気にして発せられたのだ。 この「作りたい女と食べたい女」 というドラマが面白いのは、

          ちゃんとしたレズビアンじゃないのかなって。レズビアンって名乗っていいのかなって思ってた。

          「ご迷惑、ご心配をおかけしておりますことを」という常套句に逃げる謝罪。

          ■「迷惑」と「心配」という血の通わない言い方「お客様をはじめステークホルダーの皆様に ご迷惑、ご心配をおかけしておりますことを、 深くお詫び申し上げます」。 日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機と、 グループ内での相次ぐ不正発覚を受けて、 トヨタ自動車株式会社の豊田章男会長が謝罪会見で述べた言葉だ。 これは政治家の謝罪会見にも全く同じことが言えるのだが、 通り一遍の慣用句でおざなりに伝えた誠意のない言い回しだった。          

          「ご迷惑、ご心配をおかけしておりますことを」という常套句に逃げる謝罪。

          田中みな実。“言いたいことしか言わない”主義がもたらす、アンバランスなエキセントリック。

          ■反“ぶりっこ”キャラ田中みな実は、 TBSアナウンサー時代に “ぶりっこ”キャラで頭角を 表したが、 漫画家の江口寿史によって 生み出されたこの“ぶりっこ”という言葉が、 「女性が男性の前で無知で か弱いふりをして甘える様子」 を指すのであれば、 ほぼ反対のキャラクターだと言える。 「with digital」のインタビュー(2023.2.8)でも、 「私、隠すことがないんですよ」と答えているが、 「あざとくて何が悪いの?」出演当時も 言いたいことははっきりと言う 姿勢を

          田中みな実。“言いたいことしか言わない”主義がもたらす、アンバランスなエキセントリック。

          個性っていうのは、好きなことを集めることからスタートするから、あなたの好きなものを探してみなさい。

          「進撃の巨人」のエンディングテーマ 「悪魔の子」がヒット中の ヒグチアイさんが22歳の時、 ボイストレーニングの先生から言われた言葉です (今週の『ACROSS THE SKY』)。 彼女は、先生に 「私、個性がないんです」と アーティストとしては 致命的とも言える告白をする。 冒頭の言葉はそれに対する答えなのだが、 「好きなこと」がもつ力を 改めて教えてくれる。  実際にヒグチさんは、この言葉で 「気持ちがラクになった」と述懐している。           

          個性っていうのは、好きなことを集めることからスタートするから、あなたの好きなものを探してみなさい。