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癒しの波及

前回このnoteを書いてから不思議なことが起きました。

まさに癒しの波及です。


小さい時の傷ついた心を癒すことは自分だけを癒すことだとは限らないのです。実は周りをも癒すことに繋がっている…そんな出来事があったので、記しておきたいと思います。

前回のnoteは一気に書きあげたものではなく、下書き保存を繰り返しながら来る日も来る日も丁寧に自分の気持ちを文字に起こしていました。

そんな中、私は息子が宮崎から茨城に帰省してることもあり、彼を連れて実家を訪ねました。その前に「今から行きます」の電話をかけた際…母が

「あら~、ノリコさん。あのね…私、今…ほとんどご飯が食べられないのよ。今も横になってて…」

まず、私に対してノリコさん。”さん”付けです。普段は呼び捨てなのに…そして、とても弱々しい声。この時点で、相当身体が参っているんだろうなとは思ったのですが…

「えっ?お母さん、大丈夫なの?何か買っていく?何か食べられるものある?」 私がそう聞くと少し嬉しそうに

「大丈夫よ…そうね、メロンが食べたいわ」

「わかったよ、あとは何か喉ごしの良いものを見つけて買っていくから」

「あら~ありがとう。安いものでいいからね」

実家のドアを開けた途端、もわっとした空気と異臭。ドキドキしながら中に入るとやせ細った母とアルツハイマーの父がテレビを観ていました。

「あら~いらっしゃい」母は気丈に振舞っているようにも見えました。

とにかく部屋が暑いこと、部屋が臭いことを伝えると、エアコンが壊れてしまったらしく困り果てていたとのこと。息子はどうにかこうにか直そうとエアコンをいじり始めました。

異臭は母です。もともと便秘症ですが、最近お腹にガスが溜まり胃まで圧迫している様子。物が食べられないのはそのせいでした。来月には精密検査を受けるらしく、この時私が実家を訪ねていなければ、多分…誰にも言わなかったでしょう。

異臭は溜まりに溜まった老廃物が毛穴を通して臭いを放っているのだと…

しかし、本人は気が付かないし臭いに慣れてしまっているようです。

父はただ黙ってテレビを観ている…こんな毎日では母が保たないのも納得。

「ちょっと、あんた私をマツキヨまで乗せてってくれない?帰りはひとりで帰ってくるから」私は母と2人で話せるな…と思い、

「ひとりで帰ってくるなんて言わないで手伝うし、トシキがお父さんを看てるから大丈夫よ」

そう息子にも伝えて母を車に乗せてマツキヨに

車中でのやり取りは

「お母さん…このままじゃいけないと思うの。お父さんをデイサービスに預けるとかしないと、お母さんがおかしくなっちゃうよ」

「でも…お父さんは家が一番いいって言ってるし、強くは言えなくてね」

普段、ホントに弱音なんて吐かない母ですが…参っていたんだと思います。今までの父との生活を見てきた限り、デイサービス=父を手放す=自分だけ楽をするというような図式に仕上がってるようです。

年齢も80を超えている世代、彼らの親たちが「我慢を美徳」だと信じてやまなかった世代。

「お母さん…もういいんじゃないの?今までも十分頑張って来たじゃないのよ、これからは自分を一番大切にすることを始めてみたらよ…自分が犠牲になっている以上、目の前の人を大切にはできないと思うんだ、私」

そう告げると、何も言わずに鼻をすする音だけが車の中に響いていました。

歳をとったから涙もろくなったのかな?とも思いましたが、彼女の泣く姿を見たのはこれが初めてです。

こんなやり取りがあった数日後、病院の精密検査の日取りが決まったようで、母から電話がありました。

「精密検査、9月20日に決まったんだけど、送って行ってもらえる?」母は素直に私に頼ってきてくれたんです。嬉しかった。  そして母は続けて…

「お父さんをデイサービスにお願いしようと思うの。その方がお互いのためだものね」と明るい声でした。

長年連れ添った夫婦であるからこそ、相手の気持ちがわかりすぎでしまい…言えなくなってしまうこともあるのかもしれません。彼女自身が気が付いたことがあったのでしょう…

ちょうど私が自分の幼い頃の傷ついた思い出を癒している途中に起こった出来事だったので、もしかしたら…私の癒しが母にも届いたのかなとも思える出来事でした。

言えるは癒える。

このnoteで更に自分が癒えていく♡そんな感覚です。

必要な方に届きますように…

たくさんの愛をこめて

Share the love♡Nori







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