趣味は暮らし うるわしき内に棲まう モリスのアールヌーボーの家 Maurice et sa maison Art Nouveau
趣味は暮らし うるわしき内に棲まう
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モリスのアールヌーボーの家
Maurice et sa maison Art Nouveau
モリスの半生
いわゆる団塊世代の終わりに生まれた私は写真作家を志していました
70年代初頭ある有名カメラマンのスタジオで知り合ったフランス人の
友達を頼って1977年にフランスへ
パリ郊外にある彼のアパートに3ヶ月居候を決め込み連日パリの街を歩きました
帰国後翌年にその時撮影したパリの写真をまとめ
ニコンサロンの審査をめでたく合格し
新宿Nikon Salon で初めての個展を開催
1979年には再度フランスに渡りロアール地方のオルレアンに移り住み
そのフランス人を保証人として滞在許可を得て今度は1年間を過ごし
その時に学んだ「フランス人の暮らし」が今の「私の暮らし」の根底にあります
帰国した後は毎年フランスに行く仕事を得て通っていましたが、
85年のフランス車を輸入する仕事に巡り会い今度はベルギーへ
この時はこれまでの虚業とも言える写真の仕事ではなく実業です
ベルギー大使館に行き、日赤病院の証明も取ってベルギーに渡り
ブリュッセルでは弁護士に労働許可証取得を依頼しての移住でした
移り住んだブリュッセルのイクセルにあるアパルトマンは
あの建築家ヴィクトル オルタ邸のすぐ近くで
彼の手になるアールヌーヴォー建築が周りのいくつかあり
また私の大好きなアールデコ建築も数多く
さらにアールデコ専門のアンティークショップが何件もあり入り浸りました
現在の自分の日常はその時購入した家具、照明器具、小物などに囲まれています
ブリュッセル移住の時に写真を捨て車の世界に入った私は
小学6年の時雑誌 Car Graphic創刊号を買ったほどの車好きでしたが
子供の頃から料理にも興味がありパリやブリュッセルで
食に関わる小物も好きで買っていました
ベルギーから帰国後は都心にある「街並み保存地区」に
現在住んでいる事務所と住まいを兼ねた家を建てまし
イクセルで過ごした日々を忘れられず友人の建築家に教えてもらいながら
2年かけ自分でアールデコの家を再現しました
ブリュッセルにいた時購入したアンティーク家具のみならず、窓や扉の建具、床材、照明器具、水栓金具に至るまで全てベルギー国内で調達し輸入しました
普通の人には困難な作業ですが
そこは車の輸入が本業の私ですからなんとでもなります
50歳の時出来上がったその建物は大袈裟に言えば自分のそれまでの50年間の人生全てを形にしたような物でした
車や料理だけでなく洋服も好きで中学生の時にご多分に漏れず
VANの洗礼を受けて以来まっしぐら
自分の服を買うときだけはプライスタグを一切見ようとしなかった
親父の影響も少なくありません
最近ではとうとう自分が乗る為のフランス製中古車よりも高価な洋服に手を出し
その桁ハズレに高いジャケットの価格にも慣れてしまいました
と、そんなこんなでいわゆる世間の人たちが好む
野球、相撲、サッカーなどをテレビで観戦することはなく
ゴルフ場や夜の街へ繰り出す事も一切ありませんし
旅行も行きたくありません
興味があるのは
『衣食住』
これだけ、自分らしく暮らす事です。
Maurice
norisとMauriceのフォトエッセイ
趣味は暮らし うるわしき内に棲まう
第一章はこれにて終了です
ありがとうございました
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