おいしいバゲットがあったなら
Bonjour! 東京から陸サーファー的にフランスを語るわたくし、新行内です。(この挨拶ひさしぶりだな。)
noteへの投稿を始めてから、今まで以上にフランスという言葉に敏感になり、フランス的モノやコトを家で手軽に体験できる方法がないものか常に考えるようになった。
しかしながら、フランス人作家の書籍を探したり、ネトフリでフランス映画やドラマを観たりする以外にはなかなか見つけることが難しい現状。
どうにかこの熱き魂をフランスに飛ばすことはできないだろうか。私はため息をつく。
考えても浮かんでこないので、近所のショッピングセンターに買い物に出る。
いつものスーパーに入店する前に、その斜向かいにあるパン屋に並ぶ細長くて小金色をしたものに気づく。
「バゲットや。」(謎の関西弁)
私は閃きを得た喜びを隠しきれずに歓喜の表情でパン屋に入り、バゲットを1本買う。
ちなみにこのパン屋の店名はルイ15世の寵愛を受けたあの婦人の名前と同じである。えへ。
その後何かに取りつかれたように、踵を返し、これまたショッピングセンター内にある輸入食材店に駆け込み、チーズコーナーを見る。あった、あった。
「ここのエメンタールチーズ、ほんまに安いねんな。」
エメンタールチーズとは「チーズの王様」と呼ばれることもあるチーズで木の実に似た香ばしい独特の芳香がある。チーズフォンデュには欠かせないチーズである。
Wikipediaより引用
ちなみにエメンタールは本来スイスのチーズだが他の国のさまざまな地域でも作られている。
私はもちろんフランス産を購入。
その後またスーパーに戻り、夕飯の親子丼の材料とともにピンク色のアレを買い物かごに入れる。
「ロースハムちゃうで、腿ハムやで。」
腿ハムは完全に私のこだわり。ロースハムでも生ハムでも問題なしだ。
あともうひとつのアイテムをゲットすれば私のおうちフランス体験の準備は完了する。逸る心を抑えて乳製品コーナーへ。
「こんなにぎょうさんバターがあるのに、なんで日本には無塩バターが少ないのやろ。」
フランスでは一般的にはバターは無塩。日本は加塩がデフォルトだ。
ぶつぶつ言いながら無塩バターもかごに入れると会計を済ませ、家まで早歩きで帰る。
手洗いうがいを済ませ、親子丼の材料を冷蔵庫に押し込んだら、買ってきたオールスターズを広げよう。
じゃーん
バゲットをパン切り包丁で4分の1の長さに切ったあと、パンの腹にきりこみを入れる。そこに無塩バターをたっぷりめに塗る。エメンタールチーズと腿ハムを挟み込んだら…。
でけたでけた♪ Sandwich jambon-fromage
チーズ厚っ!!
がぶっと噛みしめると、ほわっとした小麦の香りが鼻孔を満たす。盛大に顎を使って咀嚼するとバターのまったりとした油分に包まれたエメンタールチーズのコクとハムの塩気が口いっぱいに広がる。咀嚼を止めることはできない、なにせこの味わいは長く持続するのだ。ひと口めを飲み込んで、ふた口めに挑むとき、その心は完全に向こう側に行っている。向こう側とはどこだって?
「フランスだよ。」
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