人生がときめく片づけの魔法 (近藤 麻理恵)
(注:本稿は、2013年に初投稿したものの再録です)
かなりよく売れた本で、最近「続編」が出版されたようですね。家族から強く勧められたので、しぶしぶながら読んでみました。私自身、どちらかというと物をため込む方で片づけは大の苦手なのです。
さて本書ですが、個別具体的な「収納技」をこまごまと紹介したものではありません。それらしい部分も少しはありますが、むしろ勘所をザクッとシンプルに指摘するというスタイルです。
著者流の「片づけ」のポイントは2つ。
ただ、誰でも多かれ少なかれそうでしょうが、この「捨てる」ということがなかなかできないのです。
著者は、この「捨てる」決断のための具体的方法として、対象になるものをひとつひとつ手に取って選別することを勧めています。
この「感謝して手放す」という発想は、私にとっては新たな気づきでした。私の場合は、単に「捨てる」のが煩わしいから結果的にモノが積み上がっていくという情けないほど単純なあり様なのですが、「捨てない」ことにより、そのモノに纏わる過去の想いをそのままだらだらと引きずっていたという面も確かに思い当たるところです。
著者が絶対視する方法は、残すものは、これからも間違いなく必要になるモノであると同時に、自分自身がそれを持っておくことに「ときめき」を感じるモノに限るというものです。
モノを捨てたからといって、これまで自分が蓄積してきた経験が消えてなくなるわけではありません。自分自身大切にすべきものを明確に選別・自覚することこそが、今後の生きていくうえでのスタートになり、またエネルギーになると著者は説いているのです。
このあたり、単純な「片づけ」のためのTips集・ノウハウ本とはちょっと違いますね。
「片づけ」によって“ときめくような人生”をおくりましょう・・・。自分自身の過去に感謝しつつも、それをきちんと整理して、これからの将来に対して前向きに歩み始めることが大事。これが著者のメッセージです。
本書は、「片づけ」を切り口にした一種の“自己啓発書”でもあります。
(注:さて、今は2022年の年の暮れ、私の机のまわりは10年前とほとんど変わりはありません・・・。モノが大幅に増えていないだけでもよしとしましょう。)
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