当った予言、外れた予言 (ジョン・マローン)
今(注:2009年当時)、村上春樹氏の「1Q84」が驚異的なベストセラーになっていますが、もうひとつの「1984」、ジョージ・オーウェルの作品は近未来の管理世界を描いた一種の「予言」の物語です。
本書は、1858年から1996年までの約140年間になされた科学・技術の分野を中心とした発明や発見のエピソードと、その将来への影響を語った言葉を集めたものです。
先見の明もあれば、見事な外れもあります。「結果論」として合否を云々するのではなく、「その当時」の世情がそういう「将来予測」をなさしめたと思うと興味深い話題が数多くありました。
たとえば、当時、日の出の勢いのアメリカを象徴するヘンリー・フォードの言葉です。
もうひとつ、第一次大戦を前にして「平和の希求」が表れた飛行家たちの思いです。
当時は、まだ航空機は主力兵器ではありませんでした。
ライト兄弟の思いも虚しく、第二次大戦は航空機の戦いでもありました。人類史上初の原子爆弾は、広島市の上空に飛来した航空機(長距離爆撃機)から投下されました。
飛行家たちの想いは、無残にも裏切られてしまいました。
最後に、もうひとつ、実現方法は異なっていますが、最近の話題でもある「図書館の蔵書のアーカイブ」についての話題です。
電子化された本は「キャビネット」ではなく、今やネットはネットでも「インターネット」という雲(クラウド)の中に納められつつあるのです。
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