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世界一周について、人から色々と聞かれて考えること【世界多分一周旅会議⑫】

今週もやってきた、毎週日曜恒例の世界多分一周旅会議。勝手に設定して既に12回目。
案の定、今週も何も手をつけていない。


同時期に世界一周の出発を予定されているでんでんさんが同じような状況をつぶやいておられてホッとした。シルバーウィークはまだ25日までとのことなので、私も、航空券を押さえるのは次の三連休に期待することにした。


疎遠になりかけてた友達と2年ぶりに会って、めちゃくちゃ楽しかったのだが、「12月から世界多分一周旅に行くねん」と報告したら、「そうなんやー」という反応の次にいくつか質問された。
彼女とは特別な仲で、かなり深く分かり合えているのだが、旅に関することにおいてはいつも少し価値観がズレている。
だから、昔から旅の話はあまり詳しく話さないようにしていた。
彼女はいいホテルに泊まりたいタイプだし、1人でどこかへ行くということがほぼない人だったので、私が安い宿に1人で泊まってスペインを800km歩き続けるとか、全く理解できないようであり(まあ、大体の人が理解していない)、「そういうの、どこが楽しいん?」と昔からよく聞かれていた。はっきり聞くところが好きである。
久しぶりに会ったし、色々話す中で、次の旅の話に触れないわけにもいかず話したのだが、いくつか質問されて、何となく相手に分かってもらえてない感じが残った。
それは気まずいものでもなく、ただ事実として分かってないな、分かるわけないわなという線を引いただけなんだけど。
そして、彼女の疑問や質問は、おそらく大多数の旅に興味のない人からの反応だろうなと思っているから、それはそれで面白い反応でもあったけど。
たとえば、彼女から聞かれた質問を挙げてみる。

①「1年間も何すんの?」

「何するって別に決めてないけど。何もしなくてもいいし」と私が言うと、「え、そうなん?何もすることないのに、わざわざ行くの?」と言われた。
なるほどね。
物事を行うのに目的がないと人は納得しないのだろう。私は人を納得させるつもりはないから別に気にしない。
「何もしない」をしに行くのだし、今と違う生活ができればそれだけで今は満足だから。そして何か見つかればラッキーだし、そのまま何もなくてもいいし。
最近は、目的とか意義とかを重視しすぎる世の中だなあと私はちょっと思っているから、アンチテーゼとして意義のないことをしたいなと思う自分もいるんだけど、分かってもらいにくい気がして口にはしなかった。

②「あんた、体弱いのに、1年間も旅行ってハードやろ?」「家でごろごろする休日を挟まなしんどいタイプやのに大丈夫なん?」

「確かに体は弱いが、1年間毎日どこかを観光したり動き回るわけちゃうしな」「多分1年の3分の1くらいは旅先でもごろごろするだけやと思うけどな」と答えると、「えっそうなん?旅行でごろごろすんの?もったいなくない?」と言われた。「うーん、1〜2週間の旅でごろごろしてたらもったいないと思うかも知らんけど、1年もあるしもったいないことないけどな」と返した。
旅行は期間限定の短い期間の非日常と捉えていれば、何もしないのはもちろんもったいないと感じる気持ちは理解できる。そういう意味では旅行じゃないんよね。
非日常な世界で日常を送る感じ。
うまく言えないから、旅立つまでに言語化できるように言葉を探したい。

③「帰ってきてすぐ就職活動すんの?しばらく無職でゆっくりしたくない?」

彼女は若い頃、バリバリ仕事して、辞めてからは貯めたお金でしばらくプータローをする、そして飽きたらまた働くというローテーションを楽しんでいたタイプだから、気持ちはよくわかる。
「いや、私、無職で旅に出て旅先でゆっくりすんのよ」と言ったらピンときていないようで、「いや、旅行して疲れたら、ちょっとゆっくりしたくない?その分お金置いとこうとかない?」と言われたが、旅で疲れたら旅で休むし、いやいやお金残せるなら旅に回すし、お金は残らんのよ。多分帰国してすぐにハローワークに走る予定。
そこは分かったような分からんような反応だった。

④「1年間、日本語で誰とも喋らん生活、大丈夫?」


いや、LINE電話とかあるし、他の日本人も旅してるから知り合ったら喋るし、ブロークンイングリッシュもあるし。それにコロナ禍のこの2年強の生活って、医療従事者のはしくれとして、仕事現場以外の実りあるお喋りってほぼヤサグレ会くらいしかしてこなかったからなぁ。そこに不安は別にないし、これは意外と知られてないけど、1人旅ってなかなか1人にさせてもらえない。
2人で旅している時よりも1人旅の時の方が圧倒的に人と知り合うし交流も増える、私の場合。
「旅先で知らん人と喋ったりしてる社交的なのりまき、想像できひんわ。」といつも彼女に言われるが、それについては私もそう思う。今の日常の私と旅での私とのギャップは感じている。

⑤荷物、どうすんの?リュックだけで足りるん?

足りると思うよ。そんなに要らんし。半年間も3週間も1年間も、そんなに必要なものは変わらないと思うし。まあ荷造りしたわけちゃうから知らんけど、と答えたら、ふーん、と言われた。白髪染めは大量に持ってくけどと言ったら、「旅人ってナチュラルに生きるもんちゃうの?白髪もそのままにして自然に任せる生き方とかしないの?」って言われた。
いや、白髪はまだ染めさせておくれ。
私のナチュラルとは今の姿のことを意味していて、それはほぼ作られた人工的なナチュラルであってもいいのである。


(↑体中痛い40代の旅人の必需品)

⑥「コロナ、怖くないの?病院にすぐ行けないとか、不安じゃないの?」

正直コロナの病自体は、今はもう、外国に行くからと言って怖いとは全く思っていなかった。それより狂犬病とかマラリアとかデング熱とかの方が怖い。テロも怖いし戦争も怖いし、レイプとかも怖いけど、普通に大阪に生きてても見えない生命の危険はある。だから健康面以外は自分の警戒心と運を信じるしかない。
私は自分の健康面での異変に関してかなりセンシティブなタイプなので、ちょっとの異変でも大げさに騒いで、えらいこっちゃー!とすぐに薬なり休養なりとるタイプだから、多分、気づいた時には手遅れになっている可能性は低いと思う。すぐ病院に行くし、移動したら病院の場所はGoogleでチェックするタイプだし。
それよりも怪我の方が心配。
そう伝えると、「そやな、1年の間に骨折2回くらいしそうやな、保険入っときや」と言われた。
私は30代後半から、平均して2年に1回は体のどこかを骨折している。ちょっと多すぎる。そして今年はまだ骨折をしていないから、来年骨折する可能性はかなり高い。覚悟しておかなければいけない。
でも彼女は、「死にさえしなければまた会えるし生きて帰ってきてくれたら、足の1本くらいなくなってても喋れるし別に問題ないな」とよく分からない着陸をして、質問タイムは終わった。

私からは、「46歳で世界一周とかして、47歳で再就職とかキツいし、何考えてんねんって思うよな?」となんとなくそう聞いたら、「そこは全然思わんわー」と即答された。「別にのりまきの人生やし全然いいと思うし、再就職もなんなとあるやろし。」とそこは全肯定されたが、「それよりその年で貯金がない方が、世間的にはやばいんちゃうか。どうせ貯金してへんのやろ?あんたのことやからまた、貯金せんと退職金を旅費にする魂胆やろ。絶対家族や他人に言わん方がいいで。30歳で仕事辞めて退職金でインド行った時と年齢が違うんやから。」という忠告を受けた。
なんで分かったんや。図星すぎて苦笑した。

分かってもらえている部分と、分かってもらえていない部分が、かなり付き合いの深い彼女と私との間にも存在している。
私は私で、彼女のママ友とのトラブルの話の方が全く理解できなかった。
すべてを分かってもらうことを目指すのはナンセンスではある。分かってもらえない人とはさっさと離れる私ではあるが、彼女のように、分かってもらえている部分が多い人との関係は大事にしていきたいから、このズレや違いと適度に距離をもつことは大事だなと思った。

世界一周について話すと(進んで話はしないが聞かれてつい言ってしまった場合)、いろんな質問をされる。
旅先で恋に落ちたらそこで暮らすとかもあるんちゃう?とか、円安大丈夫か?とか、英語勉強してんの?とか、飛行機怖くないの?とか、結婚諦めたんか?とか、冬服と夏服と両方持って行くの?デート用の服は?とか、親には言ったん?とか。
ちなみに、円安には震えてるし、英語は難しいし、日本の今の結婚制度に納得してないだけだし、ちょっといいワンピースは持っていくし、親には言ってないし言うつもりもないけど。
私自身の関心ごとに見事にビンゴで質問してくる人はおらず、人それぞれ関心ごとが違うから、それに伴って質問内容も変わるのが興味深い。そこが気になるのか、そういう発想ね、など。

「世界一周」って言っちゃうとそれが目的みたいになるし、型にはめられるのが嫌だし、気ままに放浪する意味合いで「世界多分一周」という言い方をしたいし、そこはこだわりたいところやねんけど、という話をしても、そこに強くシンパシーを持つ人は今のところ私の周りには一人もいない。どうでもいい点らしい。

世界一周というコンテンツに対する、人が私にぶつけてくる質問を通して、私の方が相手を知るきっかけになっている。

いや、そんなこと考えずに早く旅の準備をしようよ。
そういう声をちらほら聞きます。
ご心配ありがとうございます。
私は私の気分最優先で生きている。気分が私の行動を左右するなんて私は愚かな存在だと思うが、もっと普通に生きれていれば、もっと貯金もできているし、苦労も少なかっただろうし、生きやすかったと思う。
でも、こういう現実逃避や紆余曲折を本筋のように時間をかける生き方こそが私で、そんな点を気に入っている時もあるし、この生きづらさをどうにかしたいと少しは思う。
そんな訳で、何のこっちゃな世界多分一周旅会議。
疎遠になりかけてた友達との楽しい時間のことはまた、いつかnoteに書こうと思う。
いやその前に旅の準備を。
本日はこの辺で。


世界多分一周旅に向けての、全く参考にならないあれやこれやの構想をまとめています↓







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