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長期休暇のあとの仕事は5倍疲れる

私は、ここ何年かは土日が休みのシフトで仕事をしている。なので、金曜の夜は花金だし、日曜の夜は憂鬱になるサザエさん症候群でもある。サザエさんは今も放送してるのか知らないくらい長いこと見てないけど。私の場合、どっちかというと、東芝日曜劇場症候群だ。
先週は土曜〜次の日曜まで9連休を取って山ごもり旅をしていたので、月曜からの仕事が嫌すぎた。長期の海外旅のあとも嫌なんだけど、また次の旅のために頑張るしかないな、と思うから仕事にはなんとか行ける、行かざるを得ない。
今回の9連休は、海外に行けない世界情勢をみんなが知っている中で取った夏休みなので、職場の人たちは、私の休み前も休み明けもざわついていた。
「まさか、のりまきさん、この状況で海外?」「どうやって?」「亡命した?」とまで噂されていて、面白かった。
私は、ただゆっくり寝たいという理由や、そろそろ疲れてきそうだから、という理由など、もともと大した意味もなく休みを取ることもする人なのに、海外旅の長期休暇のイメージが強くて、どこにも行かずに家でのんびりするイメージや国内を旅するイメージが職場の人の「のりまき像」にないらしい。
私には、「有休を連続して4日以上取って旅に出る時は職場の人への迷惑料としてつまらないチョコとかのお土産を買って帰るようにする」という私が決めたルールがある。お土産を渡した時だけ、どこへ行ったの?とか旅行良かった?とかの職場の質問に答えて、食べ終わったら一切の休暇の情報を話さない、という方針を立てたおかげで、長期休暇後の仕事に集中できる。そもそもそんなに私に皆さん興味はないし、お互いにとってちょうどいい。

今回の9連休は、3日しか休みを取ってなくても9連休になるミラクルな並びだったので、私の作ったルールに基づいてお土産を買わなかった。バックパックを自分以外の人のもののために重くしたくないという思いもあった。
この時期はいつもフジロック休暇にしているが、新潟のお土産も買って帰らないから、フジロックに毎年行っていることも職場では誰も知らない。
お土産のない私の連休明けは、お土産のある長期の休暇明けよりも余計に職場がざわつく。
「あの人、何してたの?」「こんなコロナが増えてる時期に…。」
ざわざわ。
ぐいぐい質問する苦手なタイプの人だけが普通に私に聞いてきた、「9連休、何してたんですか?」と。
他のメンバーはただ黙ってじっと仕事をしたフリをしている。おそらく耳はこっちに向けている。
「ちょっとゆっくりしてた。」以上、解散!

嘘つけよ、35kg背負って雷雨に耐えてた夜もあっただろうよ、と自分で思うが、トータルでゆっくりはできた、嘘ではない。
それ以上何も聞いてこないみんなは優しいと思う。

いや9日間に起こった私の出来事よりも、職場での出来事や勃発した問題などをそれぞれから報告を聞かないといけないし、記録も読まないといけないし、大量の「電話ください」メモに対処しないといけない。そして自分の仕事ももちろんしないといけない。雷鳥の話なんかしてる暇は私にはないのだ。

長期休暇を取ることに慣れているので、休む前の段取りはいつもほぼ完璧だが、休み明けの山積み仕事を片付けるのが大変だ。
これまでと違うのは、働き方改革や業務のスリム化、効率化を目指すために職場で今年頭からグループウェアを導入し始めて、業務用の連絡や申し送り、相談事などは全部そのツールを使って行うことになった。
だからみんなは私用の携帯にそのアプリを入れて、休みの日でもそれをチェックしてやりとりをしている。私は「それは働き方改革になっていない。私の休み方改革とそぐわないからスマホにアプリを入れません。職場のPCでだけ見ます。」と拒否をした。「通知をオフにしたらいい」と上司に言われたが、「私用の携帯のギガを使いたくない」と屁理屈を言った。
そんな訳で、職場でスマホを持っている人間の中で、グループウェアのアプリのインストールを拒否する唯一の人になってしまった。「アプリの通知を休日はオフにしていいと言われても、アプリがあったらチェックしてしまう、休みの日でも気になる」と同僚たちは言っていた。私の休み方改革の方針に反する事態だ。同僚たちに私の改革案について伝えても、「でも、やっぱり自分のスマホで見れるのは便利だから」と言う。

休み明けに出勤して、職場の私のPCでグループウェアを開くと未読メッセージ129件だった。OMG。
文章量としては私の書くnote2本分より長いと思う。読むのが大変だ。1週間前の「あの件どうなりました?」は本当に見当もつかない。ミステリーだ。

私の休み方改革だと、やはり休み明けの仕事の処理が恐ろしいことになるから、私の改革案の練り直しが必要かも知れない。だけど利便性度外視で推し進めている私の休み方改革は、かなりの重要案件だから慎重に考えていきたい。

「そんなに休み明けが大変なら、休みを取らなかった方が体が楽なのでは?」
と上司に言われたことがあるが、「そういう問題じゃない、私は仕事を楽にするために生きてるわけじゃないから」とその時もまた生意気に答えた記憶が蘇る。いつだって私は生意気で小賢しくて反体制派だ。
それでも年々、休み明けの仕事が体に堪えるようになってきた。長く休んだあとの反動がでかい。
インドで買ったポーチ(ポーチはあちこちで買うから大量にある)につけた雷鳥のピンバッジを見て、「またあの山に行くまで、乗り切ろう。いや、次の土日まで乗り切ろう」と密やかに気合いをもらう。
そして土日がやってきた。
ふぅ。乗り切った。
東芝日曜劇場の半沢直樹まで、ただただ横になってごろごろしてやろうと思う。

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