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大竹伸朗展

 大竹伸朗さんを知ったのはもう大分昔。大学の頃に研究室の実習で北海道に行く旨を父に話したら、遠い親戚に北海道で牧場をしている人がいると初めて知らされ、北海道も実習後に一回りしたいと思っていたこともあり、その牧場、別海町のウルリー牧場を訪ねてみたのが始まりだった。遠縁の叔母は、身内が酪農家というわけではなく、インテリの叔父と仲間らとで別海に行き、ウルリー牧場を始めたそうだ。その時に、美大を休学中の大竹伸朗さんが、ウルリー牧場で働いていたとかで、当時は流れ者というか、色々と事情がある人も何人も働いたそうで、大竹伸朗さんもその中のひとりだったそう。大竹伸朗さんは牧場の仕事が終わり時間がある時にはずっと、絵を描いていたという。ウルリー牧場のトイレの壁に大竹伸朗さんの壁画があった。

 そうして北海道から戻った時に、東京の埠頭かどこかの大きな会場で、大竹伸朗さんの巨大なオブジェの展示があり、見に行った。大きかった展示物の印象だけが強く残っている。また、大竹伸朗さんの文章も好き、大好き。大竹伸朗さんの本も何冊もよく読んだ。画集やポストカードはキラー通りのオンサンデーズ(ワタリウム)で買ったり、直島の直島銭湯、I ❤️湯にも行った。

 東京国立近代美術館での大竹伸朗展は本日、2023年2月5日まで。私は昨年12月に行って来ました、見てきました。圧倒的多数の作品群、スクラップブックの開かれていないページから漂う、唯ならぬエネルギーの噴出を浴びてクラクラしながらも、やはり大竹伸朗さんの作品を実際の目で見て感じた喜び。加えて、ライブハウスのような展示物、「ダブ平 & ニューシャネル」では、遠隔操作をするDJボックス風のコントロールボックスに、何とラッキーなことに、生の大竹伸朗さんが操作をしていたではありませんか!雑誌やチラシの切り抜きなどで埋め尽くされた「タブ平&ニューシャネル」のステージの、左右のギターアンプからは大響音が響き渡っていたのでした。

 大竹伸朗さん自身の、大竹伸朗さんの作品からの過剰なエネルギーに触れられ、何とも言えない胸踊る感覚を味わい、これからも更にその表現にさらされたいと思った。

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