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YouTuberはなぜあんなに喋りまくるのか?

【YouTuberはよく喋る。ついていけない.…】
YouTubeや様々なショート動画では短い時間にとにかく詰め込んで喋りまくる、というスタイルが非常に多い。見る人の気をそらさない、という意図もあるだろう。真面目に見ていると、とにかく疲れる。(←真面目に見てるのかよ、という声が)しかもそれらのほとんどは「中身が無い(あるいは薄い)」。自分としては、他の人と接してなにかを伝えるとき「中身があること」「聞いている人に役に立つこと」をいかに要約して、短い時間で伝えるか?シンプルに伝えるか?が重要、と思ってきたので、こういう喋り方のスタイルはとらない。ビジネスで言えば、聞いている相手だって忙しいだろうし、と思う。そういう事にも気を使う。結果、自分ではこの喋り方のスタイルそのものが「できない」。

【「喋りまくる」のルーツ?】
このスタイルは何なんだろう?と思って見ているのだが、もともとは法律(放送法)で、ラジオ、テレビなどのマスコミでは「X秒以上の空白を作ってはいけない」というのがあるので、そういうスタイルに聞くほうも慣れて来ていて、放送するほうも「そういうものだ」として、やっているところがあるんじゃないか?などと思ってみたりする。日本には「放送法」という法律があって「放送法施行規則」などもある。その中に「良い放送をすること」が義務付けられており、特に放送が途切れる、などは「視聴者に不安を持たせる」効果があるから「事故」として扱われることもあり、事故があれば対処義務があり、総務省への書面での報告義務もある。そういうわけで、放送をする業者は「間を持たせる」ことがけっこう重要だ。そういう「間断なく、なにかが見られる、聞こえる」放送に、ぼくらは子供の頃から慣らされている、ということ。そういうことがあるんじゃないか?ということだ。

【自分の場合は静かなのが好きかも】
自分の場合はここ20年、自室にはテレビがない。その前からテレビをつけっぱなしにする、ということはあまりない。むしろ静かな環境で集中できるのがいい、と、思ってきた。こんな身としては、むしろ生理的な嫌悪が、この「喋りまくる」というスタイルにどうしてもあるんだな。

【延々と喋ることができる人は尊敬に値する】
自分ではこのスタイルはやらない、以上に「できない」わけで、だから自分がライブや講演をするときってのは、同じスタイルでは「間が持たない」ってのがあるんだな。むしろ、意味の無いことや、薄いことを延々と喋りまくる、という事ができる人は尊敬さえしてしまう。半分は羨ましいな、と本気で思い、半分はやはり気持ち悪いな、と思う。

【延々と喋ることができる、ってのは「(昭和の)気持ち悪い」?】
この気持ち悪い側面というのは、要するに詐欺師に口上を並べ立てられているような感じ、というのかな?太古の昔にあった「押し売りのゴム紐売り」の口上を聞いているような、あるいは「バナナのたたき売り」を聞いているような、(どちらも昭和だよなぁ)そんな感じがする。(令和になるずっと前から商売は、必要ないものを欲しがらせて買わせる、というものになっていたにせよ、それにぼくらが慣れてきているにせよ)いや、そこまでギラギラした雰囲気のものではなくても、その昔の「主婦の井戸端会議(これも昭和だよ)」を聞いているような感じがある。ただ、喋っている内容に価値を見出すのではなく、喋っていることそのものに快感・カタルシスを感じ、そこに価値を置く、という、そういうものも、否定するものではない。

【喋ることそのものが「快感」】
人間は、「インプット」ばかりがたまると正常な判断・行動ができなくなる生き物なので、どこかで頭に溜まったものを「アウトプット」する場がどうしても必要、ということがある、と、私は思っている。「心の排便」のような感じなんだな。

【中身のない喋りにも「意味」がある?】
つまり、中身の無い、あるいは薄い「喋り」にも「(他人の気を引かせて離さないというような)意図されているもの」と「話さないではいられない」という生理的なものがあるんだな。この「(心理的に、という意味で)生理的なもの」は聞いていて穏やかに聞けるものがないとは言わない。少し離れて見るとそれは人間性の発露のようなところがあって、むしろ「好ましく感じる」ことだってある。その人の人となりを親しく感じる、という効果もあるだろう。

【「内容」と「スタイル」を混同しない】
人間の脳は時々、この両者を勘違いして聞いていることがあるんだろうな。だから、YouTubeで喋りまくるその「人」を無批判に「好ましく」思う、ってことがおそらくあるんだろう。そして、どこまでもこの両者をおなじものとして混同しない訓練をした人、それで苦い経験などがある人は、自分のように、いつまでたってもYouTubeで見られるあの「間断のない喋り」に不快感を持つのだろうな。

【YouTubeを、マスコミを「切ろう」】
少しは涼しく、良い季節になった。自分の「心の健康」のために、ときどき、外に出て風の音を聞こう。マスコミもスマホもみんな電源を切ってからね。

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