“開戦”も覚悟?したカナダ-アメリカパイプライン闘争の顛末
バイデン大統領は、1月20日の就任のわずか数時間後、15件もの大統領令に署名した。その中には「パリ協定への復帰」など大きく報じられたものもあるが、カナダから米国をつなぐ石油パイプラインプロジェクト「キーストーンXL」の建設許可を取り消す大統領令も含まれていた。
キーストーンXLとは、2005年にTCエナジー社(当時はトランスカナダ社)によって提案されたもので、カナダのアルバータ州を起点に、同国のサスカチュワン州、米国のモンタナ州、サウスダコタ州、ネブラスカ州までをつなぐ、約1900kmの石油パイプラインの建設計画。アルバータ州で生産されるオイルサンド(重質油)を、メキシコ湾等にある米国の製油所まで日量83万バレル運ぶ。建設費用は約80億ドルと言われている。
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