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変わる。

32歳になって「今更かよ」と言われるかもしれないが、「自分のことを表現して生きたい」と思えるようになったのは事件以来初めてかもしれない。今日で2017年度、認定NPO法人D×Pの6期目が終わるから最近考えていたことを長文だけど書く。

転機は今年の1月だった。「のりさん、我慢して生きていない?」スタッフからそんなことを言われた。確かにそうだった。特に組織内でも外でも自分の発言や波が立たないように、なるべく調整役として動いてきたことが多かったと思う。なんか、みんなのためにとか、生徒たちに「自分の特性を掴んで生きることが大切」とかいっている割には自分の特性を掴んでいるのに対して表現できていなかった自分が嫌になった。最近特にそうだったんだけど、自分の力を発揮できていない感覚が前からあった。内部では大した方向性を語らず、外部では発言控えめ。僕はこれでいいのか?と考えもしなかった。だけど、スタッフの一言で「変えよう」と思った。「ダメだ、このままだと自分も楽しくないし、生徒に話していることと違うやろ」と。

青臭さが残るかもしれないが、僕は社会のことが嫌い。昔から、嫌いすぎた。常識を押し付けてきたり、「こうしか生きれない」みたいなことを植え付けてくるような仕組み自体が嫌い。だけど、僕は人が好き。人間の行く末を22世紀になっても見ていたい。ひとりひとりのフォーカスすれば誰だって面白くて才能がある。人は面白い。そんな風に思っている。

だから、D×Pの仕事は面白い。企業や行政がアプローチできない通信制や定時制高校の高校生たちと2017年度は1000名弱と関われた。就職までサポートして定時制高校の就職率20%ぐらいあげたり、起業したい子たちが出てきてサポートしてきているからこそわかるけれど、世間でいう落ちこぼれとか、高校中退とか、不登校とか、様々な経験している子たちの面白さが半端ないし、社会で活躍できる子達が実際に今の日本社会では見捨てられていると思ってる。だから、僕たちは今、仕事している。寄付型のNPOが面白いのは今まで関われなかった公立の本当に経済的に厳しい層の子達と関われることが大きい。そして、僕たちは日々ネットを使ってツイッターとかでも多くの高校生たちから連絡がくる身になっている。

卒業生たちも活躍し始めて思うのは、世間で思われている落ちこぼれっていう存在は可能性の塊でしかないっていうことだ。うちの関わっている子達でいえば、大半は就職していく。だけど、起業したい、仕事をつくりたい、これで生きたい、そんな子達もいっぱい出てきた。

僕たちが関わってきた子達は創業から3000名を超えた。これまで、僕たちは人との関わりを単位認定されている授業で作り続けてきて、生徒たちの様々なチャレンジを応援してきた。が、2017年度からは大体的に就職や起業の相談に乗れるライブエンジンの事業を始めてきてから、全国から問い合わせがくるようになった。まだ、できていないことが多い。2018年度は高卒の就職の仕組みを先生方と変えていくことになりそうだし、授業自体もニーズが大きいため、広げていくことになる。

僕は眠っている彼らの才能をもっと引き出したい。それを全国で、世界で仕事したいと思っている。今のままじゃダメだと思っている。たぶん、僕自身には大した才能はない。あるのはわけのわからないことをする行動だけだ。それでスタッフからこの前「はじめて辞めたいと思った」とか言われたりすることもあった。でも、話し合って、とことん話し合って、新しい信頼が築かれてきていると僕は思ってる。僕は組織の内部の話し合いにかける想いも強い。どう組織を作りたいのか、これ以上大きくする必要があるのか、給与制度をどうしたいのか、みんなが活きる組織をどうつくっていきたいのか。これまで以上のスタッフへの問いかけが始まっている。

ビジョンはここに書いてあるみなさんが知っているように明確だ。「ひとりひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会」それを目指す。でも、本当に最近会社とは何か、NPO法人、法人とは何かという問いに僕、もしくは経営者全般がぶち当たっている気がする。明日から7期目になる僕たちの会社ですら、あり方を考えざるを得ない。

何を書いているのかさっぱりわからなくなってきた方も多いと思うけど、僕が言いたいのは「生徒たちの可能性は塊」だからこれからも読んだ人には力を貸して欲しい。どういった形でもいい。それを僕は願ってこれを書く。明日から、また動く。動く、動く。考えて動く。それだけだ。2017年度も支えていただき、ありがとうございました。

写真 年末のスタッフの集合写真。これまで多くのスタッフやボランティアさんに支えられてきていて、本当に感謝だし、これからもよろしく。

うちのNPOはこれ。

認定NPO法人D×P

僕のこととか最近の仕事のことを見たい人はこれが一番わかりやすいかも。

イラクで人質になった今井紀明さんが目指す「10代の未来を『自己責任』で否定しない社会」

最後までお読みいただき感謝。

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