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おばあちゃんに叱られた想いで

土曜日に母方の祖母が亡くなった。92歳の大往生。
これで僕の4人の祖父祖母は全員他界した。

祖母は福井県から滋賀県草津市に嫁いできた。
農家の嫁だ。
人生の中で太平洋戦争を経験し、嫁に来てからは福井の親族とも縁が切れたそうだ。
葬儀で驚いたのは、祖母の4人の子が誰一人、祖母が何人兄弟なのか知らなかったこと。
それほど徹底的に縁が切れていた。

祖母は子どもには厳しい人だったそうだ。
笑っているところをほとんど見たことがない、とは僕の母の言。
祖母が心から笑えるようになったのは、83歳で高齢者施設に入ってから。

遺影の写真は高齢者施設で撮影したもの。
たしかに、孫の僕でもこれほどの幸せそうな笑顔は見たことがなかった。

笑顔はあまり見せなくても、祖母は孫には優しかった。
初孫の僕の右の耳が左に比べて寝ているからといって、僕の右耳の裏に一生懸命綿をつめていたそうだ。
僕が泊まりに行った時、寝相が悪い僕を抱っこして布団に戻したりもしてくれた。

そんな僕の祖母との一番の思い出は、こっぴどく叱られたこと。
なぜ叱られたか、それは僕が間違って畑のキュウリの苗を踏んづけてしまったから。
その時だけは、ほんとうにひどく叱られた。
いつも優しかった祖母だけに、その記憶は強烈に刻み込まれている。

祖母には子が4人、孫が9人、ひ孫が10人いる。
命が繋がるって凄いこと!

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