【Day 58】焼肉と希望 2020.5.24
朝からずっとモヤモヤとしていた。
SNSにおける誹謗中傷に大きな関心が寄せられる中、かつて非難の的になったことがある自分も世間に一言もの申しておきたいことがあった。それに自分の経験をもっと早く世の中に還元できていれば救われる人がいるのではないかとも思った。
一方で、それは思い上がりではないかという気もした。ほんの一瞬、それらしいことを経験したくらいで、1から100を知ったかのように語ることに意義や説得力はあるのかと自問自答した。
それでも収まらない気持ちを鎮めるべく、ひとまず筆を走らせて、一応は書きたいことを書き上げた。
あっという間にお昼が過ぎ、息子と先に公園に行ってしまった妻にLINEでnoteの下書きを送って原稿を読んでもらったけれど、反応はいまひとつだった。内容は悪くないけど書き方がよろしくない、ということだった。
こういうときは寝かせるしかない。早まって公開してもろくなことがない。どう書き直すか、いや、そもそも公開するか否かも含めて、熱を冷まして判断しなきゃいけない。デリケートになっているあたり、自分の中でもまだまだ消化しきれていない問題なのだろう。
遅れて公園に向かい、妻と子が先に敷いていたピクニックシートに合流すると、キャッチボールをする人たちにまわりを囲まれていた。それもキャッチャーミットを持って構える人を座らせて、ツーシームやナックルを投げるような本意気のキャッチボール。というよりピッチングだ。
速度もぱっと見、110~120km/hくらいは出てたと思う。そのボールが暴れて、こちらにも飛んできたらと思うとひやひやした。自分としては元野球少年だし、公園でボール遊びが禁止になる風潮にはもっていきたくないけれど、それぞれの公園にふさわしい遊び方があるだろうとは思った。大人が占拠して子供が寄りつけなくなる公園はきらいだ。
ネットニュース等を見ていると、明日にも緊急事態宣言が一斉解除される見通しだという。あくまで段階的にではあるし、これで収束したというわけでもないのだけれど、気持ちとしてはふっと息を抜ける。ずっと息抜きみたいな日々が続いた先に息抜きを望むなんて、妙な話ではある。
それで、本当に外出自粛が要請されなくなるとしたら、もしかしたら今日がステイホーム期間における最後の日曜日になるのではないかと思ったら、なんだか家族で打ち上げをしたくなった。ずっと遠出もせず、外出はせいぜいスーパーかホームセンターくらいで我慢してきたこの2か月。希望の光がさしこむ「出口」を素直に祝いたい。
というわけで夕方、ちょっと早い夕食ということで、庭でバーべキューをした。以前、引っ越し祝いでいただいた「煙のでないBBQコンロ」があるので、久しぶりに火をつけて、お肉を焼いた。
もくもく煙が立つと近隣にご迷惑になるので、住宅街でBBQをやるのはなかなか難しいのだけれど、このコンロは煙がほとんど出ないのでありがたい(ちょっとだけ出るけど、ほとんど気づかない)。写真で見ると本当に煙がないので、ちゃんと焼いているのかどうかも疑わしいレベル。
トマトとスイカをひとり占めしたい、ひとりっ子らしいワガママを炸裂する息子とひと悶着あったものの、和やかな時間を過ごすことができた。
夜は『ロスト・イン・スペース』シーズン2の最終回を観た。めちゃくちゃ気になる終わり方で、早く続きが観たいのだけれど、次の最終シーズンは2021年配信とのことだった。2021年まで待てない。2020年を生きるだけで精一杯なのに。
ちなみにこのドラマ、実はリメイクというかリバイバル作品だったらしい。元ネタは1960年代に放送された『宇宙家族ロビンソン』。自分が生まれる前からあった作品だったとは知らなかった。
▼Netflixのリバイバル版
▼オリジナル版
それにしてもNetflixの予算のかけ方はすさまじい。これからも映像配信サービスは同社の一強状態が続くだろう(巻き返しを図るディズニー陣営の対抗は見物だ)。
インターネットが旧来の企業や産業を破壊して、新たな時代を作っているけれど、結局大きな資本な勝つという意味では、これまでとあまり変わっていないのかもしれない。むしろネットの力で寡占に拍車がかかり、旧時代の財閥以上の力を持つのかもしれない。
世界は「国家対国家」の図式から「グローバル企業対国家」のそれに移行すると言われているけれど、もうとっくに片足を突っ込んでいる。それが福音であればいいのだけれど、このところ誹謗中傷の件も含め、ネットの「負の部分」ばかり目についている。
知恵がついたとも言えるし、若さを失ってきたとも言える。もっと希望のほうを向かなきゃ。
さあ、明日は緊急事態宣言の解除だ(たぶん)。
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