見出し画像

オンラインで箱を売った5つのアイデア


テレワークが増えてからというもの、ますますオンラインストア経由で買っていただくようになった「WORKERS'BOX」という箱があります。


画像1


書類やプロジェクトごとに「全部まとめて」整理する

「あの書類どこいった?」の時間がなくなる

本来、割くべき時間を確保でき、仕事に集中できる


といった触れ込みで販売している薄型ドキュメントボックスなのですが、言ってしまえば「ただの箱」。

インテリアに映えるデザインを追求したり、名刺をはさんでおけるポケットなど機能面もしっかり作りこんではいますが、そうは言っても「ただの箱」です。

作り手が増え、発信ツールも豊富なこの時代。いい商品を作るだけではだめで、売り方にも工夫がないと存在していることさえ気づいてもらえません。

そこで、これまで試したさまざまな「売り方」をピックアップしてみました。


1.Tシャツを詰めて売った


箱を売る行為は、空気を届けるようなもの。当たり前といえば当たり前ですが、中が空洞(=収納スペース)になるわけです。

そこで「中に何かを詰めていっしょに送ればいいのでは?」とひらめいて、オリジナルTシャツを作ってセット販売しました。


画像3
画像2


・・・嘘をつきました。

実はTシャツを作ってから判明したのですが、生地が厚くて、箱の中に収まりきらなかったんです。

なので実際は「箱とTシャツ」を別の箱につめて送るという、なんだかよくわからないことになりました。


2.日本茶とセットで売った


Tシャツ販売の失敗を踏まえ、ちゃんと箱の中に入るものを探すことにしました。

そんな中、「日常に、小休止を。」と提案する美濃加茂茶舗さんというブランドさんとご縁ができました。



WORKERS'BOX も書類をすっきり片づけて「仕事の時間を確保する」というコンセプト。「時間をつくる」という共通点があることに気づきます。

そこで美濃加茂茶舗さんにお声がけして「ティーバッグを箱につめて定期便にする」という試みを始めました。


画像4


まずは3か月のトライアル企画だったのですが、とっても好評でした。

定期便サービスは今後も継続する方向で動いてまして、ゆくゆくは日本茶以外のものも展開できたら面白いかなと思ってます。


3.不良品を売った


なんて書くと語弊がありますね。

正確には「販売を見送ったB品を配送箱として利用した」です。

ドキュメントボックスとして十分使えるけれど、印刷時の汚れが付着していたりして「商品としては不適合」と見なしたものを、そのまま捨てるのはしのびなく。

そこでメモ帳などの小さい商品を買っていただいた際の「配送時の外箱として活用する」という案を思いつきました。


画像6


WORKERS'BOX という箱は案件ごとに使い分けるのが肝で、複数冊をいっしょに使うことで最大限の効果を発揮します。

なのでふだんオンラインストアでは「10冊からのまとめ買い」を提案しているのですが、そうはいっても「1冊から試してみたい」というニーズがあることも分かっていました。

そうした事情を踏まえた「B品の配送箱活用計画」なのでした。

今もぽつぽつと利用していただいている、地味に人気のサービスです。




4.備品を特典にした


お客さま宛に同梱する納品書をいれる封筒をオリジナルのものにして、「それも売っちゃえ」と商品化しました。

そして商品でありながら、「○月○日までに商品をお買い求めいただいた方に封筒3枚プレゼント」というキャンペーンも展開しました。


画像7


封筒なんて1円も生まないただの備品なわけですが、収納ボックスの中で使える「仕分け袋」として機能するため、WORKERS'BOX のオプション的な併用が可能なんですね。

そういう事情もあり、ただの備品を商品に、そして販促品に使うという一例でした。反響はぼちぼち。




5.先行予約で早割にした


クラウドファンディングでよく「先着何名さまに限り30%OFF」なんてメニューがありますね。

人より早く購入することでいくらかお得に入手できるという、今ではすっかり見慣れた販売手法です。

ところがこのやり方、何もクラウドファンディングの専売特許ではありません。

私がふだん活用しているECプラットフォーム「STORES」には「予約販売」という機能がありまして、未来の販売開始日を設定して、先に販売を始めることができるんですね。



つまり使い方によっては、商品を生産するより前に料金を支払っていただける。

これは量産するためにまとまった先行投資が必要なメーカー業にはありがたすぎるシステムです。

しかも注文数を見ながら生産量を調整できるので、無駄が出ません。

その分、先行割引でいくらか価格を下げるなどして買い手にとってもメリットを提示します。

ちなみにクラウドファンディングのプラットフォームを利用すると、宣伝効果が強いことと引き替えにいくばくの利用手数料が発生してしまうため、価格に転嫁されてしまいがち。

そこで WORKERS'BOX の幅広タイプ「WIDE」をリリースする際は、手数料の発生するクラウドファンディングではなく、ふだん利用している「STORESの予約販売」を活用しました。


画像9
画像10


ティーザー(予告)サイトを設けて、事前に告知を始めて、先にどんどんオーダーを取っていきました。

その時点ではまだ商品を作っていませんでしたので、ここで逃げれば詐欺の完全犯罪達成ですね。

でも、売上金の持ち逃げはしませんでした(当たり前か)。

曲がりなりにもメーカー業を10年続けてきたがゆえの「信用」がいくらか作用してくれたのかなと思います。

結果、ほとんどの方が「早割価格」に殺到してくださり、量産化を達成。今やラインナップの中でレギュラー陣の仲間入りです。



他にも「カラーバリエーションを期間限定販売」したり、「今日から始められるスタートパック」を用意したり「確定申告の資料整理に使えるラベルデータ」を無償ダウンロードできるようにしたりと、日々あらゆることにトライしています。

インターネットという空間は誰もがアクセスできてしまうがゆえに、絶大な知名度を誇る大企業からユニークな個人作家まで、同じ土俵でひしめきあっています。

そこでは、いかに知ってもらい、いい関係を築けるかが大事です。くり返しますが「いいものを作る」だけでは不十分なんです。

同時に「いい届け方」も、工夫していきたいものです。



【松岡厚志 PROFILE】

ハイモジモジ代表。書類収納の決定版「WORKERS'BOX」ほか、思わず膝を打つアイデア・プロダクトを発信している。フリーライター、ネーム・デザイナー(ネーミングの専門家)、モノづくりするラジオ局「Quest FM」のDJ Atsushi、御茶の水美術専門学校非常勤講師などの顔を持つ。

Web Site >>> https://www.atsushi-matsuoka.com/
Twitter >>> https://twitter.com/513MHz
Company >>> https://www.hi-mojimoji.com/
Name Designer >>> https://www.name-designer.tokyo/
Quest FM >>> https://quest-fm.com/



ありがとうございます。励みになります。