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10人に1人の左利きはネットで100%

左利きの人は世界に10%ほどと言われる。

肌感覚にも合う。学校でもクラスに3人から4人くらいいて、野球では左打ちだったり、サッカーではレフティーと呼ばれたりして羨望のまなざしだ。

そんな左利きの人たちは少数派であるがゆえ、右利きに標準化された世界に苦労させられている。

右手でSUICAをかざすことが前提な駅の改札が典型的な例。もしも右利きの自分が左手でSUICAをかざすと考えると、手元がおぼつかない。左利きの人は、これを毎日感じているわけだ。

以前の日本は、そう、団塊ジュニア世代くらいまでは、左利きの人は右利きに強制される風潮があった。いや、今でもあるのかな。

僕の姉(40代)も、親には強制されなかったけど、右も使える左利きだ。学校で「なにかと不便だから」と右も使えるように教育されたんだろう。

ある意味では仕方のない面もある。ハサミやマウス、調理用のへらといった世の中の道具は、基本的に右利きを想定して作られているから。

世界の90%を占める右利きをメインターゲットにするのはビジネス的には当然で、だから左利きの人たちはその割を食っている。

そんな中、たまたまネットで見つけたのが、左利きの人が左利きのまま使える道具を集めたオンラインショップ「左ききの道具店」だ。



これは目のつけどころが素晴らしい。

「左利きの人は困っている」という状況に対して「左利きの人向けのあらゆる道具をそろえる」という解決策を提示している。

そう、左利きの人のための道具は、ないわけじゃない。ただ、これまでは探しにくかった。とくにリアル店舗では、店頭に置いていないケースも多々ある。そういった不便を補完している。

店主ご自身が左利きというのも説得力がある。

「左利き用のお店があってもいいんじゃないか」と考えた人はひとりやふたりじゃないと思うけど、その人が右利きだったら訴求力に欠ける。当事者が発信してこそ、その存在に価値がある。

何より「世界に10%しかいない市場」に目を向けたポジショニングが、個人的にぐっときた。

だって、ネットなら、検索すればヒットするから。世界に10%しかいなくても、その10%が検索すれば、左利きの人全員(100%)に情報が届く可能性があるから。

一見、ニッチな市場だけど、ネットではニッチじゃない。ニッチという概念がない。むしろ左利きは世界に10%もいる巨大マーケットという見方だってできる。



誰のための、どんな店なのか。オンラインショップはテーマが尖っているほうが強い。何でもそろう総合店はリアルに任せて、ネットはどんどん「専門店化」したほうがいいよね。



自分たちハイモジモジは、これまでいろんな文具をデザインし、販売してきたけど、中でもお片づけが苦手なひとのために作った(というよりそういう自分たちのために作った)「WORKERS'BOX」という商品も、もっと特化して販売してもいいのかもしれない。

「ハイモジモジの総合オンラインショップ」で販売するより、誰のための、どんな店なのかを明確にして「お片づけが苦手なひとのための収納グッズ店」として独立してもいいのかもしれない。


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そんなことを今回「左ききの道具店」さんに教わりました。

会社代表の旦那さんと、店主の奥さん。ご夫婦で運営されているそうで、親近感を覚えるなあ。


左ききの道具店はこちらから


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