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読書の秋、日本からでも視聴できるスウェーデンの文学イベント!

こちらスウェーデン中部スンツヴァルはすっかり涼しくなり、紅葉も始まっています。

秋といえば「読書の秋」。例年なら9月末にヨーテボリで北欧最大のブックフェア、11月にはスンツヴァルで私も実行委員会に参加しているスウェーデン・ミステリフェスティバルが開催されます。

しかし今年はコロナで何ごとも例年通りにはいきませんね。どこのイベント主催者も試行錯誤を重ねていることと思います。

ヨーテボリのブックフェアは35年間で初めて、デジタルのみで開催されることになりました。スウェーデン・ミステリフェスティバルのほうも会場のチケットはたった50枚に限定し、その代わり初めてデジタルでも中継することにしました。

ポジティブに考えれば、スウェーデンじゅう、いや世界じゅうの人たちにイベントを視聴してもらうことができます。これまで距離が理由で気軽に参加できなかった方々には朗報なのではないでしょうか。しかもどちらも無料!スウェーデン語がわからない方も、「大好きな作家さんがお話している様子を見てみたいな」というくらいの気持ちで気軽に覗いてみていただければと思います。

ヨーテボリのほうは午後の時間帯なので、日本ではちょうど夜ですね。ミステリフェスティバルのほうはスウェーデンの夜の時間帯なので、日本では真夜中になってしまうのがネックですが。私は当日裏方でバタバタしているのですが、余裕があればツイッターで「今からこの作家さんが登場します」というのをリンクつきで投稿できればと思っています(ツイッターアカウントはこちら)。

プログラムの詳細はこちらになります。
ヨーテボリのブックフェア(2020年9月24~27日)
https://bokmassan.se/hem/program/arets-program/(スウェーデン語)

※数は限定されますが、英語のセミナーもあります。邦訳されている作家さんでは『一流の頭脳』や11月に『スマホ脳(仮)』が刊行になる精神科医のアンデシュ・ハンセンが登場する模様。https://goteborg-bookfair.com/home/book-fair-play/english-programs/

スンツヴァルのスウェーデン・ミステリフィスティバル(2020年11月11日~14日)
http://www.svenskadeckarfestivalen.se/2020/09/05/festivalen-ar-2020/

スンツヴァルのスウェーデン・ミステリフェスティバルに登壇予定で、邦訳作品のある作家さんの名前を挙げておきます。

○ホーカン・ネッセル 『悪意』
○アンデシュ・ルースルンド(日本では新刊『三分間の空隙』、スウェーデンでは『Sov så gott』が話題に)
○トーヴェ・アルステルダール 『海岸の女たち』
○スティーナ・ジャクソン (日本でも9月にデビュー作『娘を呑んだ道』が刊行されたばかりの期待の大型新人)
○アンデシュ・デ・ラ・モッツ『監視ごっこ』『投稿炎上』

○邦訳はされていないのですが、Lina Areklewさんは、前回投稿した記事に出てくる世界遺産の島が舞台のミステリを書いています。島のホテルが舞台らしいのですが、私たちが泊ったホテルでしょうか!? ホテルは一軒しかないので、実在のホテルならそこのはず。読んでみたい……。

オーシャンビューのデザインホテルでした。

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○その他、アガサ・クリスティーやマイ・シューヴァル&ペール・ヴァールーに関するセミナーもあります。

私が個人的に楽しみにしているのは、10月に新作が出るトーヴェ・アルステルダールさん。以前『海岸の女たち』を訳させていただいたときには、ジャーナリスト魂に溢れる作品に心を強く揺さぶられました。今回の新作の舞台はなんと私の住むスンツヴァルということで、出たらすぐに読もうと思っています。

今後、登壇者がまだ増える可能性もありますし、ミステリフェスティバルのHPをちょくちょく覗いてみてくださいね。お楽しみに!

Profile●久山葉子(クヤマヨウコ)
スウェーデン在住。翻訳・現地の高校教師を務める。著書にエッセイ『スウェーデンの保育園に待機児童はいない(移住して分かった子育てに優しい社会の暮らし)』、訳書にペーション『許されざる者』『見習い警官殺し』など。

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