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Event Report: 北欧ヘルステック オンラインピッチイベント(2020/11/18)

ノルディックイノベーションハウス東京(NIH-TYO) は11 月18日(木)、湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南iPark) Takeda Nordic Innovation Hubとの共催でオンラインピッチイベントを開催しました。北欧から4つのデジタルヘルステック分野のスタートアップがピッチを実施。ヘルステックは北欧が強みとする分野の一つであり、日本の関係者に向けて最初のイベントが無事行えたことを嬉しく思っています。 イベントには主に日本の医療業界関係者57名に登録いただきました。

<イベント概要>

開会にあたり、3つの共催者からそれぞれ挨拶、自己紹介をいただきました。

藤本利夫 湘南ヘルスイノベーションパーク ジェネラルマネジャー: “湘南iPark はイノベーションのための場所です。製薬会社、医療機器メーカー、IT企業、大学、ベンチャーキャピタル、地方自治体などがテナントとして集っています。2年前の開所以来、コロケーションの力を実感しています。今回NIH-TYOと Takeda Nordic Innovation Hubとこのようなイベントを共催できることを嬉しく思うと同時に、ぜひともこのイベントから新しいコラボレーションが生まれることを期待しています。”

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サンナ ヴェネトヴァーラ, Takeda Nordic Innovation Hub: “タケダ日本発のグローバル製薬会社です。会社の信念は常に患者を真ん中に置くこと。Takeda Nordic Innovation Hub は一年程前にイノベーションを社内外で推進するために創設されました。北欧だけでなく、世界中のタケダのコミュニティと連携しています。” 

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ニコラス カルヴォネン,ノルディックイノベーションハウス東京 コミュニティディレクター: “NIH-TYOは、日本進出を目指す北欧のスタートアップを支援する、北欧5カ国が連携して運営するコミュニティプラットフォームです。ノルディックイノベーションハウスは2013年にシリコンバレーを皮切りに、NY、香港、シンガポールと広がり、今年5月に5拠点目として東京を開設しました。日本のニーズに応えることができる北欧の得意分野はいくつかあり、デジタルヘルステック分野はその重要な一つと考えています。”

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続いて、4つの北欧企業がピッチを行いました(登壇順):

1. SCellex Paivi Saavalainen, CEO

“SCellexの製品は競合他社の同類商品と比較して、その質とコスト共に優れています。 現在の市場規模は20億米ドルで、年17%の速さで拡大すると言われています。私たちはビジネスフィンランドが主導するCancer IOというプロジェクトのメンバーで、非常に恵まれた研究環境にいます。日本ではパイロット研究の機会や、チップ製造のパートナーなどを探したいと考えています。 ”

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Q:どのようなガン研究をターゲットにしていますか?
A: 乳がんと肝臓がんです。

Q: 貴社の技術の、神経免疫学への応用はどのように考えていますか?
A: 機会はあると思います。

Q: 日本に販売代理店はありますか?
A: いいえ、現在はまだパイロット研究とローカライズに注力しなければならない段階です。でもそのようなパートナーを見つけることができたら素晴らしいです。

2. Stardots Daniel Petrini, CEO and co-founder

“Stardotsは平等で最適化された、低コストの治療を目指すというビジョンに立ち、パーキンソン病患者のためのデジタルヘルスプラットフォームを提供しています。ウプサラ大学と同大学付属病院と連携しています。我々の解決策は、数学的モデリングとAI分析を基盤にした、クラウドベースのデジタルプラットフォームを提供することです。ビジネスモデルはライセンス型です。本日日本の皆様にピッチを行なっている目的は、更なる増資機会の模索(100-200万ドル)、コラボレーション機会の模索、そして日本での臨床実験の実施可能性の模索です。”

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Q: 貴社のサービスを使うことで病気の進行を遅めることはできますか?
A: 病気の進行を遅めることはできませんが患者のQOLを高めることができます。

Q: パーキンソン病以外への応用も考えていますか?それともパーキンソン病に特化するのですか?
A: 今はパーキンソン病に特化していますが、いずれはアルツハイマー病への応用も視野に入れていて、我々の数学モデルが強い整合性があることを示しています。しかし当面はよりデータが揃っているパーキンソン病に特化していく予定です。

Q: マーカーの定義ですが、バイオマーカーのことを指しているのか、デジタルマーカーのことを指しているのか、または両方を指しているのか、どれですか?
A: 患者の身体的動き、目の動き、キーボードで文字を打つ能力など、デジタルマーカーのことを指しています。

Q: (前問からの続き)マーカーからはどのようなフィードバックが得られていますか?
A: 良いフィードバックが得られています。あらゆる症状の患者のデータを取得しており、患者と医療従事者に的確なデータ提供ができています。

3. Finnadvance Prateek Singh, CEO

“Finnadvanceは2018年に1人で創業され、2年経った今、3つの研究所に10人の従業員がいる会社にまで成長しました。 私たちはを、マイクロ流体生体機能チップを、医薬品研究開発者に提供しています。日本では幅広くパートナーを探したいと思っています。素早い器官型分析やカスタマイズされた生体機能チップを提供することができます。”

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Q: 競合他社と比較して、貴社の生体機能チップは何が強みですか?
A: 私たちのチップはプラットフォームに依存することなく、チューブ接続も不要で、即時利用が可能という点です。

Q: 現在商業的にはどの段階ですか?研究開発中、あるいは既に市場に商品を出していますか?
A: 筋肉系の生体機能チップについては既にマーケット進出していますが、骨の生体機能チップはまだ研究開発中です。

Q: ビジネスモデル、収益モデルについてもう少し詳しく教えてください。
A: まずは実現可能かどうかのテストを行い、次にパイロット実験を行います。これには3〜6ヶ月を要します。最後に最終商品が完成したらライセンス提供をします。 

4. Cellink Tomoko Bylund, Sales Director

“Cellinkは2016年バイオインク会社として設立されました。その後バイオプリント事業に参入し、現在5年弱にしてグローバルなライフサイエンス企業へと成長を続けています。私たちはバイオプリント技術で製薬の未来を変えることを目指しています。私たちのバイオプリント技術は、製薬事業のワークフローを、時間的にもコスト的にも向上させることが可能です。日本にも今年オフィスを設立し、今後より多くのコラボレーションやパートナーシップを目指しています。.”

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Q: 商品サポートはどの程度の期間受けることができますか?
A: 弊社のサービスパッケージにお申し込みいただければ、技術サポートを受けることができます。お客様との長期的なパートナー関係を重視しています。

Q: 典型的な顧客はどのような分野の方ですか?
A: がんの治療研究の従事者が増えているのが傾向です。

Q: 生体機能チップやオルガノイドと比較して、貴社のバイオプリント技術の強みは何ですか?
A: 汎用性が高く、臨機応変であることです。どのような形にでも作ることができます。

Q: 更なる増資機会も検討していますか?
A: はい、更なる事業拡大のために増資は検討しています。

<閉会の挨拶>

閉会にあたり、本日登壇した4企業に個別にアプローチする方法が共有され、イベントは締めくくられました。ご参加いただきありがとうございました。今後のイベントとうでまたお会いできることを楽しみにしています。

当イベントの英語版レポートはこちらから(Medium)

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