Norah

仕事好き。よくしゃべる。電気を消したら秒で寝る。コツコツまじめにやるの大の苦手(よって…

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仕事好き。よくしゃべる。電気を消したら秒で寝る。コツコツまじめにやるの大の苦手(よって不定期更新)。ハマるが、飽き性。米・仏・英・中に合計10年の帰国子女。

最近の記事

芸術鑑賞 「女性画家たちの大阪」中之島美術館

気になっていた美術展に行ってきた。最高だった。 何がって絵が素晴らしいのはもちろん、音声ガイドや展示の姿勢にフェミニズムが溢れていた。 ・社会の美しさの定義(ルッキズム)に挑戦する作品、 ・若さと美への執着(ルッキズムの内面化)を批判的に表現するもの、 ・女性の内面的な感情を巧みに表現し、主体としての女性を描いているもの、 ・手仕事など(被写体の女性が他者からの視線を気にしていない)自然体の瞬間を切り取ったもの、 ・自画像など日本画には馴染みの薄いテーマに挑戦しているもの

    • 映画 TILL 感想

      映画「TILL(ティル)」見てきた。 映画を見るまでわたしはエメット・ティル殺人事件を全く知らなかった。 以下は市民運動や社会的な公正に興味があるわたしの感想です。 豪快にネタバレしていますので、もう既に映画を見た方か、見る予定はないけど中身を知りたい方か、ネタバレを読んでから映画を見たい方のみご覧くださいませ。 情報を入れずに映画を見たい方は、立ち入り禁止です🫰 メイミーでさえも、自分の息子がリンチ殺人されるまで南部の人種差別は自分とは関係ないことだと思ってたという

      • 映画 TILL 背景を調べてみた

        パンフレットに掲載されている日本女子大学の藤永康政教授の解説がすばらしくて、めちゃめちゃ勉強になったのだが、さらに気になった背景を自分なりに調べてみた。 以下、ネット記事や動画を見て、わたしが理解したこと。 この記事はあまりストーリーの本筋ではないところだが、たくさんのネタバレを含んでいる。一定のネタバレは構わないという方は映画を見る前に読んで映画を楽しめるかもしれないが、基本的には鑑賞後に読んでいただくのがいいと思う。 メイミーは確かに前半にジョージ・リーとラマー・スミ

        • 宝塚月組 「フリューゲルー君がくれた翼ー」と「万華鏡百景色」観劇録

          注意: 今回も多くのネタバレを含みます。まだ見ていない人で、ストーリーを楽しみにされている方は(はばかりながら)お引き取りいただいた方がいいかもしれません。 すごくよかった・・・(語彙力喪失) とにかくフェミニストとしてジェンダーストレスの少ない作品だった。 あらゆる芸術作品やメディア作品にジェンダーバイアスがかかっているこの国で、こういう演目に出会えるとすごく救われる。 2回見に行った。2回目のときは仕事に追い詰められていて「私は観劇している場合なのか?」と思った

        芸術鑑賞 「女性画家たちの大阪」中之島美術館

          宝塚雪組「双曲線上のカルテ」観劇録 part2

          注意: 今回も多くのネタバレを含みます。また、批判的な感想もあります。まだ見ていない人で、ストーリーを楽しみにされている方は(はばかりながら)回れ右して、お引き取りいただいた方がいいかもしれません。 逆に観劇後にモヤモヤされている方は一緒にお焚き上げしましょう。 Part1は主にフェルナンド先生のキャラクター設定のひどさについて書きましたが、今回は作品全体に漂う女性蔑視が許せない、という話です。 Part1をまだ読んでいない方は、よければそちらからどうぞ。 それでは、気

          宝塚雪組「双曲線上のカルテ」観劇録 part2

          宝塚雪組「双曲線上のカルテ」観劇録 part1

          注意: (毎度のことですが)多くのネタバレを含みます。あと、今回はいつもに増して批判的な感想もあります。まだ見ていない人で、ストーリーを楽しみにされている方は(はばかりながら)回れ右して、お引き取りいただいた方がいいかもしれません。 逆に観劇後にモヤモヤされている方は一緒にお焚き上げしましょう。 フェルナンド先生(和希そらさん)の見た目はバチバチにカッコよかったよう。 前作「ライラックの夢路」を見たとき、ゲオルグ役で軍服姿の和希そらさんは顔が小さいと思ったけど、 今回はロ

          宝塚雪組「双曲線上のカルテ」観劇録 part1

          宝塚花組 「鴛鴦歌合戦」観劇録

          注意: ネタバレしていますので、まだ見ていない人でストーリーを楽しみにされている方は(はばかりながら)またのお越しをお待ちしております。 オペレッタ・ジャパネスクってどんなジャンル?と思ってたら、オペレッタは日本語で喜歌劇と訳されるらしい。すごく面白かった。はじめての体験! 動きもセリフもコミカルで、テンポがよく、歌も踊りも多くて明るい気持ちになった。 1939年の白黒の映画を舞台にリメイクしたの、あっぱれ!と思う。84年も前の古い映画をよく掘り起こしたな、と。教養の広

          宝塚花組 「鴛鴦歌合戦」観劇録

          宝塚雪組 「ライラックの夢路」観劇録

          注意: 盛大にネタバレしてますので、まだ見ていない人でストーリーを楽しみにされている方は(はばかりながら)お引き取りくださいませ。 まず、脚本が刺さったぁーーー!! (ネットで見た宝塚ファンのブログでは「脚本が刺さらなかった」という方がいたけど、私は逆にドストライク。クリーンヒット、撃ち抜かれた) 作・演出・振付の謝珠栄さんは57期(1971年)の首席入団の元ジェンヌさんで、退団後にニューヨークに留学されて、ダンスや舞台芸術を学ばれたんだそう。わたし、この方たぶんフェミニ

          宝塚雪組 「ライラックの夢路」観劇録

          読書ノート 「これからの男の子たちへ『男らしさ』から自由になるためのレッスン 」太田啓子

          今の日本はこの本を必要としていると思った。 私のような一般人がフェミニズムについて周りの男性と話すとき、経験、知識、当事者意識に大きな開きがあり、全く話が通じないことが往々にしてある。目標やビジョンなどの大枠を説明して、それに至る道筋などを説明したいと思っても、まず大枠からして共通認識を持てない。全然ピンときていないのだ。それは現状認識や背景の理解で大きな乖離があるからだろう。見てる世界が違いすぎる。そして、特に知りたいと思っていない男性に、女性と男性では見えている世界が違

          読書ノート 「これからの男の子たちへ『男らしさ』から自由になるためのレッスン 」太田啓子

          特別展 無言館 遺された絵画からのメッセージに行ってきた

          2020年9月12日ー11月29日まで神戸ゆかりの美術館(神戸市東灘区六甲アイランド)で開催されている無言館の展示に行ってきた。 無言館は長野県上田市にある美術館で、第二次世界大戦で戦没した画学生の作品を展示している。現在130名分。 うち、神戸の展示では67名分の作品が展示されていた。数年前には北海道で無言館の巡回展があり、それを見てきた母曰く、前回とは違う絵が展示されていたとのこと。どれだけの作品があるのだろう。 見た後はずーんと落ち込むだろうと事前に予測していたが

          特別展 無言館 遺された絵画からのメッセージに行ってきた

          はじめまして、Norah(ノラ)と申します。

          熱しやすく冷めやすいタイプ。趣味は読書。たまに筋トレ。料理。ワイン。 最近読んだ「現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき(p256)」で著者の吉岡乾さんは以下のように言ってて私は爆笑して何度も読み直しその度にクスクス笑った。大好きな一節である。そして、私もしがない読書愛好の性癖を持っている人間である。 「趣味は読書です。 そういうとすなわち無趣味なのだろうと曲解されて捉われてしまうくらいに、趣味が読書だというのは、一般的にありふれていて面白くもなく当たり障りのないチンケ

          はじめまして、Norah(ノラ)と申します。